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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
190/421

◆◆◆◆ 6-95 燎氏の変(81) ◆◆◆◆

【 ランブ 】

「あれは――〈小幻魔しょうげんま〉殿か……! これほどの力を……!?」


 霊獣れいじゅうにまたがり、雲を呼び、雷を操る――

 それはただの方士にはとうてい不可能であり、神仙の域に達しなくてはなせぬことである。

 ギョクレンと名乗ったわらべは、まだ十四、五ほどのようだが、それだけの業を軽々とこなしているのだった。


【 カズサ 】

「ちょっと〈副軍師補佐〉っ! 遅いのよっ! どこで道草食っていたのっ!?」


【 ギョクレン 】

「もちろん、師父おししょうを探していたのでございます! しかしなかなか見つけられず、苦労しているところでございまして……!」


【 カズサ 】

「はぁ~っ!? あなたねえ、状況をわかってるの!? 優先順位というものがあるでしょうが……!」


【 ギョクレン 】

「ええ、もちろんわかっているでございます! うちにとっては、師父がなによりも大事でございますゆえ!」


【 カズサ 】

「……あぁ、そうだったわね、あなたはそうだったわ……!」


【 馬のような生き物 】

「メエエエエエ……」


【 カズサ 】

「その霊獣なんなの!? 馬なの、羊なの!?」


【 ギョクレン 】

「さあ……うちにもよくわからないでございます! 気づいたら、なんとなくいたので!」


【 カズサ 】

「なんでそんなのに乗っていられるの!?」


【 ギョクレン 】

「ともあれ! 師父を探すにも、いかんせんこのデカブツが邪魔なので、さっさと排除するでございます!」


【 エキセン 】

「しかしっ……こやつ、しぶといぞ……!」


【 ギョクレン 】

「ええ、心得ているでございます! ちゃんと始末をつけるのは手間でございますので、手っ取り早くどこか別の世界へと吹っ飛ばす所存でございます!」


【 ミズキ 】

「べ、別の世界……!?」


【 ゼンキョク 】

「それは――しても、いいことなのですか?」


【 ギョクレン 】

「う~ん、正直、あまりよくはないのでございます! ではございますが、このさい仕方がないでございます――はぁあぁぁっ……!」


【 馬のような生き物 】

「メエエエエエ……!!」


 ――バチバチッ……バリバリバリッ……!!


【 千陣軍魔 】

『ガアアアアァッ……!!』


 さらに雲から放たれる稲妻の出力が激しくなり、千陣軍魔の巨体が薄れていく――


【 ???? 】

「ちょ、ちょっと待ってぇっ! 待ってくださ~~いっ!!」


【 一同 】

「――――っ?」


 緊迫した場面に似合わぬ声に、皆が視線を向ける。


【 ホノカナ 】

「……はぁっ、はぁっ……はぁあっ……!」


 息を切らして城門へと駆け上がってきたのは、ホノカナであった。


【 ミズキ 】

「――ホノカナ? なぜここに――」


【 ホノカナ 】

「そ、それはっ――はいっ、どうぞっ!」


 と、ホノカナが右手を高々と掲げる。

 そこに握られているのは――


【 セイレン 】

「ギョクレン! 私ですっ! 私はここにいます~~~~っ!」


【 カズサ 】

「ふ、副軍師!? いつの間に、そんなに小さくっ……」


【 ホノカナ 】

「そこは! 話すと長くなるんですっ!」


【 カズサ 】

「なんで怒られたのわたし!?」


【 ギョクレン 】

「あっ――師父おししょうっ!? お久しぶりでございますっ! いったい今までどちらに!?」


【 カズサ 】

「小さくなってることは追及しないの……!?」


【 セイレン 】

「実は、隠し通路から――うぐっ、は、話せば長くなるので、後にしましょうっ!」


 ホノカナにギュッと圧迫されて、説明を断念する。


【 セイレン 】

「このデカブツの始末のつけ方ですが――」


【 ギョクレン 】

「はい、〈概念〉をなんとかせねばならぬのはわかるのでございますが、すぐには割り出せず……手っ取り早く、異世界へ廃棄しようかと!」


【 セイレン 】

「はいダメ! それ絶対ダメ~~! あちらにもあちらの事情があるのでっ! もしそうしたら、あちらから報復されてしまうかもですっ!」


【 ギョクレン 】

「なるほど……なるほどでございます! しかし、ではどうすればっ……?」


【 セイレン 】

「こやつを成り立たせている〈糸〉を断つのです! さすれば、強引に結びつけられた要素は瓦解するでしょうっ!」


【 馬のような生き物 】

「メエエエエエ……」


【 ホノカナ 】

(セイレンさんがなんだか難しいことを……!? それにあの人、セイレンさんのお弟子さん!? どうして女装してるんだろ……あの生き物、馬? 羊? 実は山羊……?)


 小難しい話が続いて、だんだん集中が切れてきているホノカナだった。


【 ギョクレン 】

「おおっ、さすがでございます、師父! となると、用いるべきは――〈同心断金どうしんだんきん〉の術でございますねっ?」


【 セイレン 】

「ん~っ……多分それ! うん、それでいきましょうっ!」


【 ホノカナ 】

「急に心もとなくなってる……!?」

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