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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
154/421

◆◆◆◆ 6-59 燎氏の変(45) ◆◆◆◆

【 カズサ 】

「これを使ったあとは、三日三晩、全身筋肉痛で寝込むことになるから、やりたくないのだけれど……このさい仕方ないわ!」


 カズサは覚悟を決めたように、両刀を構え、息を吐く。


【 カズサ 】

「あなた、わたしは緋翔閃女ごせんぞ様よりも遅い、と言ったわね? そんなことは、わたしだって重々わかっている……」


【 カズサ 】

「でも――いつだって、近づきたいと思っているわ……! いいえ、いつかは、超えたいと……!」


 り足で、ゆっくりと前進していくカズサ。


【 戮仙劔君 】

「む――」


 警戒の色が浮かぶ。


【 カズサ 】

「ほんの――数瞬ならば――今のわたしでも!!」


 閃光のごとく、カズサがまっしぐらに突進する――


【 戮仙劔君 】

「――――」


 戮仙劔君の視界から、消え失せる。


【 戮仙劔君 】

「この――はやさ……!」


【 カズサ 】

「緋閃――――」


 次の瞬間、カズサは間合いに入っており――


【 カズサ 】

「――超高速――」


【 カズサ 】

「――――十文字斬りッッ!!」


【 戮仙劔君 】

「!!」


 ――ガキィィンッ!


【 戮仙劔君 】

「おおっ……!」


 肉体の限界を超えた一瞬の踏み込みによる、左右の高速斬撃――

 そんなカズサ渾身の一撃すらも、戮仙劔君は受け止めていた。

 一太刀は懐から出した匕首あいくち、もう一太刀は長剣の柄で。


【 カズサ 】

「――――っ」


【 戮仙劔君 】

「惜しかっ――」


 たな、という言葉がこぼれる、その前に。


【 ランブ 】

「――おおおおおおッ!」


 この一瞬の隙を待っていたランブが投げた斧が、空を裂いて――


【 戮仙劔君 】

「――――っ!」


 ――――ドシュッ!!


 鮮血が、夜空に舞った――

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