◆◆◆◆ 6-59 燎氏の変(45) ◆◆◆◆
【 カズサ 】
「これを使ったあとは、三日三晩、全身筋肉痛で寝込むことになるから、やりたくないのだけれど……このさい仕方ないわ!」
カズサは覚悟を決めたように、両刀を構え、息を吐く。
【 カズサ 】
「あなた、わたしは緋翔閃女様よりも遅い、と言ったわね? そんなことは、わたしだって重々わかっている……」
【 カズサ 】
「でも――いつだって、近づきたいと思っているわ……! いいえ、いつかは、超えたいと……!」
摺り足で、ゆっくりと前進していくカズサ。
【 戮仙劔君 】
「む――」
警戒の色が浮かぶ。
【 カズサ 】
「ほんの――数瞬ならば――今のわたしでも!!」
閃光のごとく、カズサがまっしぐらに突進する――
【 戮仙劔君 】
「――――」
戮仙劔君の視界から、消え失せる。
【 戮仙劔君 】
「この――迅さ……!」
【 カズサ 】
「緋閃――――」
次の瞬間、カズサは間合いに入っており――
【 カズサ 】
「――超高速――」
【 カズサ 】
「――――十文字斬りッッ!!」
【 戮仙劔君 】
「!!」
――ガキィィンッ!
【 戮仙劔君 】
「おおっ……!」
肉体の限界を超えた一瞬の踏み込みによる、左右の高速斬撃――
そんなカズサ渾身の一撃すらも、戮仙劔君は受け止めていた。
一太刀は懐から出した匕首、もう一太刀は長剣の柄で。
【 カズサ 】
「――――っ」
【 戮仙劔君 】
「惜しかっ――」
たな、という言葉がこぼれる、その前に。
【 ランブ 】
「――おおおおおおッ!」
この一瞬の隙を待っていたランブが投げた斧が、空を裂いて――
【 戮仙劔君 】
「――――っ!」
――――ドシュッ!!
鮮血が、夜空に舞った――
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