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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
151/421

◆◆◆◆ 6-56 燎氏の変(42) ◆◆◆◆

【 ホノカナ 】

「……っ!? こ、これって……」


 ろくの仙を一蹴した我影也であったが、その身から白い煙が上がり、ホノカナたちを困惑させていた。


【 ヨスガ 】

「燃えている……わけではないな。これは――」


【 我影也 】

「…………っ」


 しばしののち、煙が晴れると……


【 ホノカナ 】

「あっ……あれっ!?」


【 我影也? 】

「……はぁっ、ふぅっ、ふぅぅ……」


 そこにうずくまっているのは、小柄な少年であった。

 背はヨスガよりも低く、年のころは十二、三というところか。


【 ホノカナ 】

「ちっちゃくなってる!? 甲冑もなくなって……これって、いったい……?」


【 ヨスガ 】

「ふむ、先ほどの姿は仮初かりそめのもの、といったところか。そなた――」


【 我影也? 】

「……ひっ、うっ……!」


 ヨスガに声をかけられた少年はビクリと身を震わせると、パッと飛びすさり、深々と平伏する。


【 我影也? 】

「し、失礼、いたしましたっ、失礼いたしましたっ……! ぼ、ぼくは、本当に、未熟でっ……申し訳ございません!」


 何度も頭を下げる姿に、ヨスガもホノカナも呆気にとられてしまう。


【 ヨスガ 】

「いや……詫びることはない。そなたは我らを救ってくれたのだからな。我が知りたいのは――」


【 我影也? 】

「も、もったいない、もったいないお言葉……あわ、わわ、あわわ……!」


 すっかり縮こまり、頭も上げられない有り様である。


【 ホノカナ 】

「そ、そんなに緊張しなくても……確かに陛下は威圧感があって態度が大きくて、ちょっとした混世魔王あばれんぼうですけど、取って食べたりはしませんよ?」


【 ヨスガ 】

「はぁ~っ? 誰が混世魔王だっ!」


【 我影也? 】

「も、申し訳ございませんっ! 大変、申し訳なくっ……!」


【 ヨスガ 】

「そなたに怒っているのではないっ!」


【 我影也? 】

「~~~~っ! は、はいぃぃ……申し訳ございません……!」


 ぺこぺこと頭を下げるばかりで、まるで会話にならない。


【 ヨスガ 】

「むむむ……仕方ない、おい愚妹よ、そなたが話してみるがよい」


【 ホノカナ 】

「はぁ……でも、この調子だと、わたしでも無理そうですけど……えっと、あの、大丈夫ですか……?」


【 我影也? 】

「…………」


【 ホノカナ 】

「? あの……聞こえて、ます?」


【 我影也? 】

「――当方は帝室に使える者。庶人と交わす言葉はござらん」


 少年は顔を上げると、先ほどまでの動揺ぶりはどこへやら、そっけなく応じてみせた。


【 ホノカナ 】

「は、はぁ~っ!? 確かにわたしは庶人ですけどぉっ! 陛下に対する態度と違い過ぎません!?」


【 我影也? 】

「当方の身は帝室に捧げたものなれば、それ以外はすべて些事さじなり――」


 淡々と返す姿は年齢以上に大人びていて、ある種の威厳すら感じさせるものがある。


【 ヨスガ 】

「では、我の問いには答えてくれような?」


【 我影也? 】

「~~~~っ、も、もったいないっ、ぼ、ぼくのような未熟者が、陛下と直接言葉を交わすなどっ……ふわわわわ!!」


 うってかわって、顔を伏せて小刻みに震えてしまっている。


【 ホノカナ 】

「この人、極端すぎるんですけどぉ!?」

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