◆◆◆◆ 6-48 燎氏の変(34) ◆◆◆◆
セイレンに襲いかかる絡繰り仕掛けの刺客たち。
嗚呼、セイレンここに果てる――かと思われたが、
【 セイレン 】
「なーんて、この私がおめおめと危地に陥るはずもありません! すべては、計算ずくだったのですよ――さぁ、崩れよっ!!」
セイレンが杖で天井を指すや、ピシッ! と亀裂が入る。
【 異形の刺客 】
「――――っ」
【 セイレン 】
「わはははは! わざと追い込まれて、ここに誘導したのです! さぁ、今度こそ一網打尽になるがいい――――!」
セイレンの高笑いとともに、天井が一気に崩れ落ちて――
――――は、来なかった。
【 セイレン 】
「…………あれっ?」
代わりに、穴が空いたかと思うと、
ドシャッ!!
【 ???? 】
「――ひゃあああっ!?」
【 セイレン 】
「っ!?」
何者かが悲鳴とともに天井から落下してきて、セイレンの前に転がる。
【 ???? 】
「いたたっ……うう、ど、どうして急に床がっ……」
と、腰をさすっているのは誰かと見れば、
【 セイレン 】
「ホノカナ殿っ……!?」
【 ホノカナ 】
「えっ!? あっ、セイレンさんっ……!?」
そう、我らが鱗・ホノカナ、その人であった。
【 セイレン 】
「なぜここに――いや、わかりますとも! 陛下のところへ向かう最中だったのでしょう? それで隠し通路を進んでいたら、いきなり穴が空いて落下した……と!」
【 ホノカナ 】
「そ、そうなんですっ……よくわかりましたねっ!」
宮城の地下にある隠し通路は数多くあり、小柄な者でなければ通れないものもある。
ホノカナは用心して狭隘な通路を進んでいたところ、運悪くセイレンの罠に引っかかってしまい、あえなく落ちてしまった……という次第である。
【 セイレン 】
「ふっ……当然ですとも、私は古今有数の大軍師ですので! さぁ、早く陛下のもとへ向かうとよろしい! きっと待ちくたびれて、ひどくご機嫌斜めになっているでしょうから!」
【 ホノカナ 】
「たぶんそうでしょうね! でも……えっと、そうしたいのは、やまやまなんですけど――」
【 異形の刺客 】
「…………」
【 ホノカナ 】
「な、なんなんですかこれっ……人形っ!?」
物言わぬ絡繰りの刺客たちに、ホノカナが息を呑む。
【 セイレン 】
「ふっ……そういえば、こいつらがいましたね! おそらくは、十二佳仙どもが送り込んだ絡繰り仕掛けでしょうが……」
様子をうかがっていた刺客たちが、じわじわと包囲を狭めてくる――
【 ホノカナ 】
「~~~~っ! あ、あのっ、セイレンさん、策はっ!? 計略は――!?」
【 セイレン 】
「ふふふ……いいですかホノカナ殿! 策というのは、考えるにせよ仕掛けるせよ、それなりに手間と時間がかかるものであって――」
【 異形の刺客 】
「――――っ!」
【 セイレン 】
「~~~~っ!?」
【 ホノカナ 】
「~~~~っ!?」
セイレンとホノカナの、声にならない悲鳴が響き――
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