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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
139/421

◆◆◆◆ 6-44 燎氏の変(30) ◆◆◆◆

【 ミズキ 】

「はっ! ――せいっ!」


 ――ザシュッ! ブシャッ!!


 気合とともに、無数の〈空刀そらがたな〉の一撃を打ち込んでいくミズキ。


【 妖魔 】

「オ――オフウ――ンムウウ――」


 妖魔はなすがままで、ただただ身をくねらせるばかり。


【 ミズキ 】

(あまりに、無抵抗すぎるっ……)


【 ミズキ 】

(もしや、まるで効いていないのでは……!?)


 ミズキの内心に戸惑いが生まれた、そのとき。


【 妖魔 】

「――――っ」


 妖魔の無数の口から、舌が伸びる。

 その先には、剥き出しの目玉がついており――


 ――カッ!!


【 ミズキ 】

「うっ……!?」


 妖魔の数多の眼球に睨まれたミズキは、全身が硬直するのを覚えた。


【 ミズキ 】

からだが……動かない!?)


 冷たい汗が、背筋を走る。


【 ミズキ 】

(しまったっ……あの目に、呪力がっ!?)


 そう悟っても、もはや後の祭り。


【 妖魔 】

「――フフ――ハハッ……アハハハハッ……!」


 せせら笑いとともに、触手がミズキに迫る――


【 ミズキ 】

「…………っ!!」


 ――ドスッ!!


【 ミズキ 】

「ぐっ!? ……うううっ!」


 ――間一髪。

 ミズキは妖魔の一撃をかわして、跳びすさっていた。


【 ミズキ 】

「……っ、はぁっ、はぁあっ……!」


 その太股には、一本のはりが突き立っている。

 おかげで金縛り状態から解放され、直前で逃れられたわけだが……


【 ???? 】

「どうやら、まだ生きていたようですね。なによりです」


【 ミズキ 】

「助かりました――が、荒療治にもほどがあるでしょうっ、アン老師せんせい!」


【 ゼンキョク 】

「申し訳ない。なにせ、あれが相手ではね……鍼が効くようには見えなかったので」


 そう言って微笑んだのは、ミズキらの同志たる〈救神双手きゅうしんそうしゅ〉、アン・ゼンキョクであった。


【 ゼンキョク 】

「妖魔を治療したことはないのですが……すこぶる興味深いですね」


【 ミズキ 】

「……あの舌先の目を見ると、金縛りに遭います。ご注意を」


【 ゼンキョク 】

「ふむ……一時的に視力を封じる経穴ツボでも押して差し上げましょうか?」


【 ミズキ 】

「遠慮しておきます。あなたのことだから、しばらくこのままでもいいでしょう? などと言って、放っておきかねないので」


【 ゼンキョク 】

「ふふ……まさか」


【 妖魔 】

「――クフ――フフフ! ウフフ……フッフフゥ……」


 異様な笑声を放つ妖魔。

 それに対峙するミズキとゼンキョク。


【 ミズキ 】

「妖魔を討つには、心臓を破壊せねばなりません――どこにあるか、見定められそうですか?」


【 ゼンキョク 】

「そうですね……少しばかり、時をいただければ」


【 ミズキ 】

「ならば――稼ぎましょう、その時を」


 ミズキは単身、妖魔との間合いを詰めていった――

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