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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
115/421

◆◆◆◆ 6-20 燎氏の変(6) ◆◆◆◆

【 ???? 】

「――ホノカナちゃんっ!」


【 ホノカナ 】

「……はっ!?」


 耳元で大声を出されて、ホノカナは飛び起きた。

 そこは、いつも寝泊まりしている女官たちの大部屋で。


【 シキ 】

「やっと起きた……! 大変なの! みやこ中が燃えてて……!」


【 ホノカナ 】

「……ふぇっ!?」


 冷や水をかけられたように、たちまち意識が鮮明になる。

 なにか夢を見ていたような気もするが、頭からすっとんでしまった。


【 ホノカナ 】

「ど、どういうこと……!?」


【 シキ 】

「わからないよ……でも、女官は宿舎から出るなって……」


 他の女官たちも身を寄せ合い、恐怖におののいている。


【 ホノカナ 】

(なにかが起きるのは、明日の夜のはずじゃ……!?)


 今夜はミズキから呼ばれることもなかったので、早々に床についたのだけれど……


【 ホノカナ 】

(とにかく、ヨスガ姉さまたちのところへ行かないと……!)


 ホノカナはそそくさと身支度を整える。


【 シキ 】

「……っ? ホノカナちゃん、なにしてるの?」


 シキが怪訝そうに見てくる。


【 ホノカナ 】

「あ――ええと、これはその――」


 これから陛下のもとに……とは言えず、口ごもってしまう。


【 ホノカナ 】

「そ、その、なにかあったら来るように言われてて、女官長さまに!」


【 シキ 】

「ええっ? でも、こんなときだし……」


【 ホノカナ 】

(ど、どうしようっ……)


 ここはもう、強行突破するしかない。


【 ホノカナ 】

「……あっ!」


 と、ホノカナが明かりを指差す。


【 シキ 】

「――えっ?」


 と同時に蝋燭の火がフッと消え、室内は闇に閉ざされた。


【 女官たち 】

「――きゃああっ!?」


 混乱するなか、ホノカナは単身、部屋を抜け出していった――




【 ホノカナ 】

「……はぁっ、はぁっ……」


 どうにか宿舎を出たホノカナ。

 すでに、この時間ではありえないほど、内廷は騒然とした空気に包まれていた。

 あちこちで怒号が響き、悲鳴も聞こえてくる。


【 ホノカナ 】

(もう、始まってるんだっ……)


 思わず身がすくんでしまうが、


【 ホノカナ 】

(……でも、ヨスガ姉さまが、待ってる)


【 ホノカナ 】

(あの方は、わたしがいないと……ダメなんだから!)


 己を鼓舞するように、言い聞かせる。

 これから向かうべきは、宮城の西端にある〈極龍殿〉。

 ふだんヨスガらと集まっているミズキの部屋は、隣の〈青雲殿〉にあるのだが、


【 ホノカナ 】

(有事の際は、極龍殿に集まるように言われてたし……きっと!)


 なんでも、あそこが一番守りに向いているらしい。

 ホノカナがいざ駆け出そうとした刹那、


【 ???? 】

「ホノカナちゃん……!」


【 ホノカナ 】

「――――っ!?」


 ふいに手を取られた。


【 ホノカナ 】

「し、シキちゃん!? どうしてっ……」


【 シキ 】

「はぁっ、はぁあっ、やっぱり、ダメだよ……! 危ないよ……!」


【 ホノカナ 】

「……っ、でも、わたし――」


 なんとか振り払って……と思った、そのとき。


【 ???? 】

「――――っ」


【 ホノカナ 】

「……っ!?」


 突然、眼前に人影が浮き上がった。

 その手に握られているのは――紅く染まった剣。


【 シキ 】

「ひっ……!?」


【 ホノカナ 】

「シキちゃん、逃げてっ……!」


【 黒ずくめの男 】

「――――っ」


 ――ザシュッ!!


【 ホノカナ 】

「…………っ!」


 鈍い音と共に、鮮血がほとばしった――

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