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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
108/421

◆◆◆◆ 6-13 霹靂の欠片 ◆◆◆◆

【 ゼンキョク 】

「ふぅ……堪能しました」


 どこかすっきりとした笑みを浮かべるゼンキョク。


【 ミズキ 】

「……相変わらずですね、老師」


【 ゼンキョク 】

「ふふ。……貴方もいかがです?」


 ミズキの呆れたような視線に、微笑を返してみせる。


【 ミズキ 】

「今は遠慮しておきます。……すべて片付いたら、そのときに」


【 ゼンキョク 】

「そうですか。早く、あの方の肌にも触れたいものです。よき反応を見せてくれることでしょう……彼女のように」


 横をちらりと見て、薄く笑う。


【 ミズキ 】

「戯れがすぎるようですが?」


【 ゼンキョク 】

「ご存じの通り、私は聖人君子ではありません。いささか医術の心得があるせいで、そのように見られがちではありますが……」


【 ゼンキョク 】

「仁術の使い手と期待する他人の目を浴びていると、おのずと己を仁者の枠に嵌めようと思ってしまう。それはすこぶる、心身によろしくないことですよ」


【 ミズキ 】

「まるで、あえてしたくもない戯れをしている……とでも言いたげですね」


【 ゼンキョク 】

「さて……どうでしょう」


 微笑を絶やさず、席を立つゼンキョク。


【 ゼンキョク 】

「では、どうかご無事で。いかなる手傷も治してみせましょう――生きてさえいれば、ですが」


【 ミズキ 】

「……ええ、あなたも」


【 ゼンキョク 】

「ふふ……それでは」


 会釈して、アン・ゼンキョクは出ていった。


【 ミズキ 】

「さて……」


 ミズキは、卓の端に目をやった。


【 ホノカナ 】

「へぇぇ~っ、そんなちっちゃい爆弾、作れちゃうんですねぇ~~っ!」


【 霹靂匠 】

「ク、ククク……もっと、小さいのも、できる……けど、扱いにくいから、おススメは、しない……ククク……」


【 ホノカナ 】

「すごぉ~~いっ! ちょっとだけ、触ってもいいですかぁ~? ちょっとだけえぇ~~っ!」


 いつもの二倍増しくらいに意気揚揚ハイテンションなホノカナが、霹靂匠に絡んでいた。

 あの異様なまでの前のめりぶりは、ゼンキョクにツボを押されて心身が高ぶっているせいだろうか?


【 霹靂匠 】

「そ、それはダメだ……素人が扱うと、大変なことになる……ククク……」


【 ホノカナ 】

「う~~っ、そうなんだ……でも、わたしも陛下のお役に立ちたいんです~~っ! なにかこう、なにかしらの形でっ!」


【 霹靂匠 】

「ク、クククッ……そうか……あの方は……あの方だけは、俺を、認めてくれた……」


 どこか遠い目をする霹靂匠。


【 霹靂匠 】

「『そなたが望むなら、ずっとここにいてもよい。だが、我はそなたが、そなたの才が欲しい!』と……クク……」


【 ホノカナ 】

「へぇぇ~っ! そうだったんですねぇ~~っ!!」


【 霹靂匠 】

「だから……クク……あの方のためならば……」


 と、懐からなにか取り出すと、ホノカナの手に握らせた。


【 霹靂匠 】

「クク……これは威力はないが、まぶしく光を放つ……目くらましぐらいには役に立つ……」


【 ホノカナ 】

「あ――ありがとうございますっ、霹靂匠さんっっ!!」


【 霹靂匠 】

「……〈ホウ・エキセン〉だ。あの方を……守ってくれ」


【 ホノカナ 】

「はいっっ!! お任せください、エキセンさんっっ!!」


【 エキセン 】

「おいっ、そんなに、力を入れて握ったら――」


【 ホノカナ 】

「……あっ?」


 プチッ。


【 ホノカナ 】

「~~~~っ!?」


 その瞬間、目がくらむほどの閃光が走り、周囲を真っ白に染め上げたのだった――

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