◆◆◆◆ 6-13 霹靂の欠片 ◆◆◆◆
【 ゼンキョク 】
「ふぅ……堪能しました」
どこかすっきりとした笑みを浮かべるゼンキョク。
【 ミズキ 】
「……相変わらずですね、老師」
【 ゼンキョク 】
「ふふ。……貴方もいかがです?」
ミズキの呆れたような視線に、微笑を返してみせる。
【 ミズキ 】
「今は遠慮しておきます。……すべて片付いたら、そのときに」
【 ゼンキョク 】
「そうですか。早く、あの方の肌にも触れたいものです。よき反応を見せてくれることでしょう……彼女のように」
横をちらりと見て、薄く笑う。
【 ミズキ 】
「戯れがすぎるようですが?」
【 ゼンキョク 】
「ご存じの通り、私は聖人君子ではありません。いささか医術の心得があるせいで、そのように見られがちではありますが……」
【 ゼンキョク 】
「仁術の使い手と期待する他人の目を浴びていると、おのずと己を仁者の枠に嵌めようと思ってしまう。それはすこぶる、心身によろしくないことですよ」
【 ミズキ 】
「まるで、あえてしたくもない戯れをしている……とでも言いたげですね」
【 ゼンキョク 】
「さて……どうでしょう」
微笑を絶やさず、席を立つゼンキョク。
【 ゼンキョク 】
「では、どうかご無事で。いかなる手傷も治してみせましょう――生きてさえいれば、ですが」
【 ミズキ 】
「……ええ、あなたも」
【 ゼンキョク 】
「ふふ……それでは」
会釈して、晏・ゼンキョクは出ていった。
【 ミズキ 】
「さて……」
ミズキは、卓の端に目をやった。
【 ホノカナ 】
「へぇぇ~っ、そんなちっちゃい爆弾、作れちゃうんですねぇ~~っ!」
【 霹靂匠 】
「ク、ククク……もっと、小さいのも、できる……けど、扱いにくいから、おススメは、しない……ククク……」
【 ホノカナ 】
「すごぉ~~いっ! ちょっとだけ、触ってもいいですかぁ~? ちょっとだけえぇ~~っ!」
いつもの二倍増しくらいに意気揚揚なホノカナが、霹靂匠に絡んでいた。
あの異様なまでの前のめりぶりは、ゼンキョクにツボを押されて心身が高ぶっているせいだろうか?
【 霹靂匠 】
「そ、それはダメだ……素人が扱うと、大変なことになる……ククク……」
【 ホノカナ 】
「う~~っ、そうなんだ……でも、わたしも陛下のお役に立ちたいんです~~っ! なにかこう、なにかしらの形でっ!」
【 霹靂匠 】
「ク、クククッ……そうか……あの方は……あの方だけは、俺を、認めてくれた……」
どこか遠い目をする霹靂匠。
【 霹靂匠 】
「『そなたが望むなら、ずっとここにいてもよい。だが、我はそなたが、そなたの才が欲しい!』と……クク……」
【 ホノカナ 】
「へぇぇ~っ! そうだったんですねぇ~~っ!!」
【 霹靂匠 】
「だから……クク……あの方のためならば……」
と、懐からなにか取り出すと、ホノカナの手に握らせた。
【 霹靂匠 】
「クク……これは威力はないが、まぶしく光を放つ……目くらましぐらいには役に立つ……」
【 ホノカナ 】
「あ――ありがとうございますっ、霹靂匠さんっっ!!」
【 霹靂匠 】
「……〈炮・エキセン〉だ。あの方を……守ってくれ」
【 ホノカナ 】
「はいっっ!! お任せください、エキセンさんっっ!!」
【 エキセン 】
「おいっ、そんなに、力を入れて握ったら――」
【 ホノカナ 】
「……あっ?」
プチッ。
【 ホノカナ 】
「~~~~っ!?」
その瞬間、目がくらむほどの閃光が走り、周囲を真っ白に染め上げたのだった――
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