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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
104/421

◆◆◆◆ 6-9 誤解 ◆◆◆◆

【 ホノカナ 】

(あ、あんなこと、言っちゃったけどっ……)


【 霹靂匠 】

「クク……ククク……」


【 緋閃剣 】

「おーっほっほっほっ!」


【 ホノカナ 】

(この人たち、ものすごく……とっつきにくい!)


 今となれば、ヨスガのあの表情の意味もよくわかる。

 そもそも、本名は名乗らず異名で呼び合う、などという決まりがあるのなら、あらかじめ教えておいてほしかった――と、恨みがましい目をミズキに向けてしまう。


【 ホノカナ 】

(もっとかっこいい異名、名乗れたのにぃ……!)


【 ミズキ 】

「恐らく、ことは三日後……祈願祭の前日に起きる、と見ています」


 ホノカナの気持ちを知ってか知らずか、紅雪華ことミズキは淡々と話を進める。


【 救神双手 】

「ほう……その根拠は?」


【 ミズキ 】

「祈願祭の当日、おかみ(皇帝)はみやこの外の祭壇にて天地の祀りを行う……と決まりました」


 天地をまつる儀式は皇帝の大事な務めであり、年に何度か行うことが決まっている。

 だがあえて、十二佳仙による皇太后の快癒祈願祭と日程を合わせたのは、意図的に他ならない。


【 ミズキ 】

「一度城から出てしまえば、一週間は戻りません。ゆえに……」


【 緋閃剣 】

「三日後に挙兵する、ということですのね! いいでしょう、逆徒どもはことごとく我が〈緋閃十文字斬り〉の錆にしてあげます!」


【 霹靂匠 】

「ククッ……城を吹き飛ばせば、いいんでしょうっ……?」


【 ホノカナ 】

(どうしよう……仲良くなるどころか、会話が成立しそうな気もしない……!)


 風変わりな人には慣れてきたつもりのホノカナだったが、やはり困惑は隠せない。


【 救神双手 】

「承知しました。……他の者にも、伝えておきましょう」


【 緋閃剣 】

「さて……大事なお話は終わりかしら? では――小万勇さん、だったわね」


【 ホノカナ 】

「――は、はいっ?」


【 緋閃剣 】

「あなた……ずいぶんと、陛……いえ、盟主と仲がよろしいそうね?」


【 ホノカナ 】

「え……っと、そう、ですかね……?」


【 ミズキ 】

「さぁ、私に聞かれても困りますね。おふたりの間のことですから」


 我関せず、とばかりにそっけないミズキ。


【 緋閃剣 】

「どうなのかしら? あなた、もしや……」


 ずいっ、とホノカナの顔を覗き込んでくる緋閃剣。


【 ホノカナ 】

「……も、もしや?」


【 緋閃剣 】

「あの方の、情人おもいものなのではないでしょうねっ?」


【 ホノカナ 】

「え、えええっ!?」


 とんでもない、それは誤解であった。

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