◆◆◆◆ 6-9 誤解 ◆◆◆◆
【 ホノカナ 】
(あ、あんなこと、言っちゃったけどっ……)
【 霹靂匠 】
「クク……ククク……」
【 緋閃剣 】
「おーっほっほっほっ!」
【 ホノカナ 】
(この人たち、ものすごく……とっつきにくい!)
今となれば、ヨスガのあの表情の意味もよくわかる。
そもそも、本名は名乗らず異名で呼び合う、などという決まりがあるのなら、あらかじめ教えておいてほしかった――と、恨みがましい目をミズキに向けてしまう。
【 ホノカナ 】
(もっとかっこいい異名、名乗れたのにぃ……!)
【 ミズキ 】
「恐らく、ことは三日後……祈願祭の前日に起きる、と見ています」
ホノカナの気持ちを知ってか知らずか、紅雪華ことミズキは淡々と話を進める。
【 救神双手 】
「ほう……その根拠は?」
【 ミズキ 】
「祈願祭の当日、お上(皇帝)はみやこの外の祭壇にて天地の祀りを行う……と決まりました」
天地を祀る儀式は皇帝の大事な務めであり、年に何度か行うことが決まっている。
だがあえて、十二佳仙による皇太后の快癒祈願祭と日程を合わせたのは、意図的に他ならない。
【 ミズキ 】
「一度城から出てしまえば、一週間は戻りません。ゆえに……」
【 緋閃剣 】
「三日後に挙兵する、ということですのね! いいでしょう、逆徒どもはことごとく我が〈緋閃十文字斬り〉の錆にしてあげます!」
【 霹靂匠 】
「ククッ……城を吹き飛ばせば、いいんでしょうっ……?」
【 ホノカナ 】
(どうしよう……仲良くなるどころか、会話が成立しそうな気もしない……!)
風変わりな人には慣れてきたつもりのホノカナだったが、やはり困惑は隠せない。
【 救神双手 】
「承知しました。……他の者にも、伝えておきましょう」
【 緋閃剣 】
「さて……大事なお話は終わりかしら? では――小万勇さん、だったわね」
【 ホノカナ 】
「――は、はいっ?」
【 緋閃剣 】
「あなた……ずいぶんと、陛……いえ、盟主と仲がよろしいそうね?」
【 ホノカナ 】
「え……っと、そう、ですかね……?」
【 ミズキ 】
「さぁ、私に聞かれても困りますね。おふたりの間のことですから」
我関せず、とばかりにそっけないミズキ。
【 緋閃剣 】
「どうなのかしら? あなた、もしや……」
ずいっ、とホノカナの顔を覗き込んでくる緋閃剣。
【 ホノカナ 】
「……も、もしや?」
【 緋閃剣 】
「あの方の、情人なのではないでしょうねっ?」
【 ホノカナ 】
「え、えええっ!?」
とんでもない、それは誤解であった。
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