3話 再生の街、リバイラル・アルデンハイム!
選挙の翌日、俺は早速行動を起こした。
街の復興には、俺一人では無理だと思い、側近を募集することにした。
募集の張り紙には、
【側近募集】
本気で街を復興させたい者、求む。
年齢・経験不問。ただし、覚悟がある者のみ。
と書いて、各所に張り紙を貼った。
当日になると、静寂の屋敷が一変し、ざわめきが起こっていた。
「100人を超えてる……」
リーリャが驚いた声を上げる。
旧屋敷の一室を面接場所にして、一人ずつ話を聞くことにした。
「どうぞ!」
リーリャが一人ずつを案内し、面接を始めた。
だけど、ほとんどの応募者は
『楽な仕事がしたい』
『領主の側近なら、給料が良さそうだ』
『どうせすぐに潰れるだろうが、とりあえず応募しとくか』
【読心】で本音を読むと、がっかりする内容ばかりだった。
ーーはぁ…信用できる人は来ないかもしれない…
「次の方、どうぞ」
リーリャが次の応募者を呼ぶ。
入ってきたのは、すらっとした顔立ちの良い青年だった。
「名前はソルシダです。元傭兵を務めてました。」
優しく、落ち着いた声。
「傭兵をやっていたが、戦に疲れた。この街で、本当に守る価値のあるものを守りたい」
その目には、確かな決意が宿っていた。
試しに、スキルを使うと、
『この子供が本当に街を変えられるのか?……だが、試してみる価値はある。俺も、もう一度信じてみたい』
――この人は、本物だ。俺のことを信用してくれている。
「ソルシダさん、採用です。街の警備隊を任せます!」
「……ほ、本当ですか?」
「本当です。あなたの力が必要です」
ソルシダは少し驚いた表情を見せたが、すぐに力強く頷いた。
「分かりました。この命、お預けします!」
次に入ってきたのは、眼鏡をかけた痩せ型の中年男性だった。
「ハーレンと申します。元商人でして、経営や交渉には自信があります」
知的な印象を受ける。
「前の領主の悪政で、商売が立ち行かなくなりました。でも、この街にはまだ可能性がある。それを引き出したい」
この人は…
『面白い。5歳の領主か。普通なら無理だが……この子の目は本気だ。この街が変わるところを、見てみたい』
――この人も、俺が息子だからと言わず信じてくれている。
「ハーレンさん、採用です。街の商業振興を任せたい」
「えっ、ありがとうございます。期待に応えます」
こうして、俺の側近が揃った。
リーリャ、ソルシダ、ハーレン――そして俺。
この4人なら、街の復興を成し遂げられる!
ーー結果を出さないといけない…
今まで感じたことのない重圧に悪寒が走った。
面接も終わり、俺たちは旧屋敷の一室に集まることにした。
それも、この街の名前を決めるためだ。
「まずは、この街に名前をつけたい」
俺の言葉に、3人が顔を上げる。
「名前……ですか?」
リーリャが首を傾げる。
「ああ。この街には、もう『フォルデン領』という名前は似合わない。新しい街には、新しい名前が必要だ」
再生の意味を込めたい。俺も、この街も、もう一度立ち上がるために…
俺は少し考えて、言った。
「リバイラル・アルデンハイム。復興を願って、この名前にしたい」
ソルシダが腕を組んで頷く。
「悪くない。再生と希望を感じる名ですね。」
ハーレンも賛成するように微笑む。
「良い名前です。市民たちにも受け入れられるでしょう。」
「じゃあ、決まりだ。明日から、この街はリバイラル・アルデンハイムだ」
*
翌朝、俺は街の外れにある荒れ果てた畑へと向かった。
言葉だけでは、市民は動かない。まずは結果を見せなければ。
――そうだ、作物を作ろう。
俺のもう一つのスキル【農業】を使えば、この枯れた土地でも作物が育つはずだ。
このスキルは1日に2回だけしか使えないが、発動すれば、この枯れ果てた土地でも明日には収穫できるようになる。
「リーリャ、市民に声をかけてくれ。職がない人たちに、集まってもらいたい」
「分かった!」
そうして、午後になると、畑には170人ほどの市民が集まっていた。
みんな、俺の両親のせいで仕事を失い、生活に困っていた人たちだ。
「皆さん、見てください」
この街には立派な畑はないのに、青々とした作物の芽が少しずつ出ていた。
その光景を市民たちが見ると、小さなざわめきがあちこちから起こった。
「皆さんに頼みたいことがあります。この街を、一緒に作り直してほしいです!」
「任せてくれ」
「もちろん」
と、市民の喝采が響いた。
「本当に明日、収穫できるのか……?」と疑う声もあったが、まずは道を作るための粘土と街を出ていった人の家の資源を回収するところからだな。
――よし。ここからが、本格的な復興の始まりだ!
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