19話 フィオナさんとの出会い
後日、薬草屋へ訪れた。
それも、費用を払うためだ。
「すいません…」
「あっ、昨日の人だな!しっかり、払ってもらおうか」
「はい、何ルーペでしょうか…」
俺は恐る恐る尋ねた。
「ポーションが一個で10ルーペ(約500円)で、150人分だから1500ルーペ(約75,000円)です」
ーー俺と三ヶ月分のへそくりが…
俺は手が震えながらも渋々取り出した。
そんな感情も、異世界のポーションという好奇心に打ち消された。
「あの、店主さん。
ポーションをよくみてみたいんですけど…」
「ちょっとお待ちください」
店主は、20代後半くらいの美しい女性。
どこか、マルチェリオさんと似た雰囲気がある。
「ちなみに、私はフィオナと申します。以後お見知り置きを。」
「よろしく!フィオナさん」
フィオナさんは、棚から小瓶を取り出して見せてくれた。
「こちらがポーションになります。」
色がグラデーションのようになっていた。
「この赤と青は役割が違うんですか?」
「ポーションはですね、赤が濃いほど効果が高くなるんです」
今まで見たことがなかった。
「この街で、ポーションを売ってる人は他にもいるんですか?」
「実は…ポーションを作れる人はあまりいないんですよ。
だから、この街では私だけで…」
ーーそうなんだ…
フィオナさんは少し困ったように笑った。
「そういえば、材料はどうしてるんですか?」
「材料は…隣の街、ハイゼル領に薬草を買いに行っています。昨日もちょうど行ってきました」
ハイゼル領。
俺も一度行ったことがある。
あの街は川もあって、土壌も豊かだ。
確かに薬草を育てるにはいい場所だろう。
だけど、ここから馬車で半日かかる。
「ハイゼル領まで、かなり時間がかかりますよね?
それでも、なぜこの街を選んだんですか?」
フィオナさんの瞳がスッと鋭くなった。
「祖父の遺言なんです。『この街のみんなを助けろ』と」
その威圧感に少し圧倒された。
「そうなんですね…」
だけど、薬草を買いに行くのは大変すぎる。
俺の【農業】で、何とかできないだろうか。
「すみません。その薬草を見せていただけませんか?」
「あっ、はい!」
フィオナさんは、小さな麻袋から薬草を取り出した。
その薬草は、前世では見たことのないものだった。
だから、「私が作りましょうか?」なんて、気軽には言えない。
でも――もし、これを育てることができれば。
「あの、この薬草を一つもらえないでしょうか?」
「……」
少し沈黙が続いた。
フィオナさんの手の握り方から、迷いと不安が伝わってくる。
「……やっぱり、大丈夫です」
そう言おうとしたとき、フィオナさんは顔を上げた。
「ひ、一つだけなら、どうぞ」
顔を引きつってるのか小さく笑ってるのか。
そんな表情で薬草を差し出してくれた。
「えっ!」
正直、もらえると思っていなかった。
「ありがとうございます!」
もらったからには、絶対に育ててみせる。
「この恩は、必ず返します!」
俺は薬草を大切に受け取り、店を後にした。
【農業】のスキルを使って、この薬草を育てられたら、フィオナさんも遠くまで行かなくて済む。
そして、この街の人々も、もっと安心して暮らせるはずだ!
試してみる価値は十分にあるな!
ここまで読んでいただきありがとうございます!
なんと、前回の話でブックマークが初めて2桁に乗る&評価もいただけていたのでもうびっくりです!
(盛大に言ってるけど、許してください。嬉しいのは事実です!)
どちらも本当にありがとうございます!
次はブクマ50を一つの目標にしながら、読者がより楽しめるように精進しますので、引き続き応援していただけると励みになります!
新規さんもブクマなどチラッと反応を見せてくれると、嬉しい限りです!




