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第935話最終決戦に向けて…


「ちなみにパパ?たぶんこんな感じで作戦会議するのはこれがたぶん最後だよ?ミグを叩けば間髪入れずにルービスメゾルとの戦いになるはずだよ。共闘はしなくても、ミグ達との戦闘中…もしくは倒した直後に横やりを入れてくる可能性は高い…。というかそれがルービスメゾルの唯一の勝ち筋だからね」


リーゼは言った。


乱戦か連戦…

どちらにしても、ルービスメゾル側も動くだろう。

まあルービスメゾルは単体で挑んでも戦力が足りないから俺達に対して勝ち目はない。

襲撃をかけるのが逆なら…つまりルービスメゾルに仕掛けるなら共闘はするだろうが、天下の初代神帝様が事実上の敵である神帝の因子と自ら共闘するとは考えにくい。


「とりあえずあらゆる事態に対応できるように準備は念入りにやっておくよ」


リーゼは言った。




時はリーゼが眠っていた時まで遡る…


アゼルメーテ拠点…


「オルメテウスがやられた。白天が動き出す…」


アゼルメーテは遠く…いや、その瞳には既にリーゼの手によって…そしてあとから来て暴虐の限りを尽くしたエリスによって地獄と化したオルメテウスの宇宙の神界を見据えていた。


そんなアゼルメーテの隣に立つは9歳程の容姿の水色の髪をした少女…

もっとも実年齢は絶対に少女とは言えないし、放つ雰囲気も決して少女のような愛らしいものではない。

少女はその見た目に似合わない狂気的な瞳を爛々と輝かせる…


「ラグアぁぁぁ!!リーゼぇぇぇ!!ようやく…ようやく終わる…お前に出会ってからの濃密で最高だった人生…いや神生が…お前らかあたしのどちらかの死をもって…」


絶対強者の風格…

宿敵を追い求めながらついにここまできたその存在…

蒼天、ミグ・ヒピーは言った。


「ミグ、白天はくれぐれもナメてかかっていい相手ではない。むしろ格上と見るべき…」


いつも通りの無表情だが、ミグを心配するような様子でそう言ったアゼルメーテをミグは制す。


「格上か…たしかにそうかもね?思えばアイツに勝てたのは殺し損なったはじめの一回だけ…あたしよりも高みの存在…でもそれがどうしたの?アゼルメーテならわかるよね?このどうしようもない程昂るこの気持ちが…」


「ああ」


アゼルメーテのその返答にミグは満足そうに笑みを浮かべる。

その笑みだけは見た目相応の無邪気なものに見えた。

もっとも会話の内容は到底無邪気とは似ても似つかない代物だったが…


「キャハハハハっ!!そうだよ…そうだ!!何回負けても最後に勝てばそれでいいっ!!ラグアぁぁぁ!!この狂おしい程のあたしの想い…全部受け止めろよっ!!」


初恋というには余りにもねじ曲がった想い…

ミグはその存在を脳裏に浮かべながら笑った…

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