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第934話権能の概念2


姉ちゃんの神格エネルギーの化け物集団を作るという案は今後の諸事情からボツになった。


「わかったわ。そっちは諦めるわ。今まで目障りでもどうにもできなかった連中がようやく手の届くところまできた…それだけでも十分満足するべきね」


「そうそう。リーゼ達には選べる自由があるんだよ」


具体的には次に襲撃をかけるのが、アゼルメーテとミグかルービスメゾルのプリミティブゴッドかって言う話なのだが、リーゼはわざとふざけた調子でそう言った。


「選べる自由?ルービスメゾルのプリミティブゴッド一択じゃねーのか?」


俺はリーゼの言葉に疑問を持ってそう言った。


リーゼがアラウザルゴッドになったとはいえ、ミグ達と本気で構えるには総力戦になることは確実だ。

お互いに権能の概念持ち同士の戦い…

俺はミグにかかりっきりになるだろうし、アゼルメーテは戦力を温存して勝てるような甘い相手ではない。

ならば先にプリミティブゴッドを倒してルービスメゾルの戦力を削りつつ、リーゼを強化するのが得策じゃねーのか?


俺は思った。


「パパが何考えてるかわかるんだけどさ、それをやるとミグもルービスメゾルも全部まとめて相手しなきゃいけなくなるんだよね…」


リーゼは歯切れの悪い様子でそう言った。


「どうゆうことだ?」


「リーゼちゃん、あたしが話すわ。鋭治、まずラピロアが逃したルービスメゾルのプリミティブゴッド残り二体は今のところ所在不明よ。まあそっちは見つけること自体はそんなに苦労はしないと思う。ねえ?鋭治?もしあんたがミグだったらどうする?敵が強化するのをミスミス見逃す?」


「あー…」


俺は姉ちゃんの言葉にそう相槌を打つ。

さらにリーゼが続ける。


「確実にミグは邪魔してくる…そして現状パパ達ラピロア陣営は三つ巴の神帝候補勢力の中でも最大勢力…。ミグに邪魔されたら最後…その後の展開で確実にヤツらに共闘される」


「ルービスメゾルを叩けば共闘される…けどミグを叩く分にはルービスメゾルは出てこない可能が高いわ。ヤツがミグを助ける為に動くとは考えにくい…」


姉ちゃんは言いながらリーゼに目配せをおくった。

リーゼが口角の一部を吊り上げる。


「「叩くのはミグ。それがリーゼ達…(あたし達…)参謀の総意」」


リーゼと姉ちゃんの声が揃った。

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