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第928話再戦の眠鬼8


時は少し遡る。


リーゼの指示でそれぞれ散っていったゴッズクローン達は鬼怒、鬼哀、鬼楽の三体と戦闘を繰り広げていた。


「くっ…やりにくい…」


「悲しい…鬼怒はこんな連中相手にも決めきれないでいる」


「鬼哀、まあ確かに鬼怒はどうしようもないのは認めるけど、鬼怒ばかりが悪いとも言えないさ。神格エネルギーが感じないコイツらはさすがのオイラもちょっと手こずるよ」


四情四鬼のティナを除いた面々…鬼怒、鬼哀、楽鬼はそんなやりとりをする。


ゴッズクローンは厳密に言えば神ではない。

大量の神級武器や神級装備やゴッズウェポンによって生体改造した兵器である。

だから通常の神々のように神格エネルギーが体全体に満遍なく行き渡っているわけではない。


これはゴッズクローンの製作者であるウリンに聞くのが正確な説明が聞けるのだが、ゴッズクローンは神格エネルギーを吸収系の装備で作り出した神格炉という部分に一度集める。

そして、戦闘中にその神格炉から神格エネルギーを移動させることによって爆発的な戦闘力を生む。

神格炉に神格エネルギーがある状態では外界と遮断されるので神格エネルギーを感じ取ることができない。


そして…


「まあ攻撃の瞬間だけ神格エネルギーが現れる…どれだけの神格エネルギーで弾けばいいのかその時によりさまざまだから本当に受けにくい…」


鬼怒はゴッズクローンの二体同時攻撃を両腕でそれぞれいなしつつ呟いた。


攻めるのは簡単だ。

だが、攻めた瞬間、敵がそれ以上の神格エネルギーで攻撃してくれば防ぎきれない可能性がある。


それが鬼怒達が攻められない理由だった。


とここで一つ疑問がある。

今の話を聞くとゴッズクローンはメリットしかない、オリジンゴッドよりも使い勝手のいい存在に聞こえる。

無論そんなことはない。

もし、ゴッズクローンがそんな存在だったらラグアは重要な戦いには大量投入していたはずだ。


ゴッズクローンがオリジンゴッドより劣る点は大きく二つ…


一つ目は概念が使えないこと…だが、これはゴッズクローンに搭載された大量のそれぞれの装備の性能が概念が使えないというデメリットを補って事実上相殺されている。


そして二つ目…

これがゴッズクローン唯一…と言えば聞こえはいいが、致命的な弱点だ。

それは先程も話した神格炉である。

神格エネルギーはともかく、神格炉自体は装備を改造して作られている。

従って本来の装備の性能よりも遥かに脆い…

もし神格炉に穴をあけられれば…

例えゴッズクローンの神格エネルギーが残っていようと、ゴッズクローンは存在を維持できなく…


鬼怒達がその弱点をつけるかどうかが勝負の別れ道である。

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