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第893話迷宮宇宙66


「よく喋るヤツなだけで大して苦戦しなかったな。この前の部屋のヤツの方が面倒だったぐらいだ」


俺は神帝憑依を解除すると、吸収した神格エネルギーを確認する。

核玉の換算で8184…

ラピロアの第四形態には及ばないが驚異的な数値だ。


そして…


核玉の最後の力が解放される。


だが…


「は?」


俺は予想から大きくかけ離れたその文字に思わず声をあげた。


そう。

説明文は短い。

何故なら一言しかないからだ。


継承…それだけだ。


「わけわかんねーよ…」


俺がそう呟くと俺の目の前の空間が裂ける…


「次の宇宙…原初から数えて3番目に繋がってるんだったか?」


俺は言った。


ルルアートにはああ言ったがこの先に用はない。

それより…


俺は神の千里眼を発動させる。


見えたのは奥の階層に向かって全力で逃げているリーゼと初見の即死技を展開しながら猛追しているミグの姿だ。


「さすがに助けに行った方がいいよな…」


俺はそう呟くが…


「お待ち下さい、殿下」


その言葉とともに突然そいつは現れる。


態勢は俺を敬っているのか跪いている。


「誰だ?」


真っ赤な髪…そして虹色の瞳…

ここまではルルアートと変わらないが、コイツは中性的と言うよりは少年のように見える。

見た目年齢なら俺と同い年ぐらいに見えるから15ぐらいか?


「申し遅れました。僕はビッツ。陛下の配下にして、四代目神界守護神であり、プリミティブゴッドの一翼…」


そいつ…ビッツと名乗ったそれはそう言った。


プリミティブゴッド?

たしかルルアートもそう言っていたな?

だが、ルルアートと違うのはコイツは神格エネルギーを抑えてないことだ。

感じる神格エネルギーはルルアートより若干弱く、4500ちょうど…

ラピロアが神界守護神は代が変わるごとに弱くなるような事を言っていたからコイツが四代目なことに疑問はない。


だが、殿下?

どう言う意味だ?


「殿下ってどうゆうことだ?」


「じきにわかることにございます。今はその場で暫しお待ちいただけると幸いです」


ビッツはそう言って手を横にかざす…

一瞬何かの攻撃かと思ったが、映し出されたのはミグとリーゼの姿だ。


「そう言うわけにはいかねーよ。娘のピンチに父親が駆けつけるなんてベタな事を言うガラじゃねーし、言う気もねーが…リーゼは俺の夢の為に戦ってくれてる仲間には違いねえ。退け。邪魔立てするなら迷わず神格エネルギーに変えてやる」


俺は全身に殺気を漲らせるとそう言ったのだった。

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