第72話ラグアの成長
「まずは一生オレの夢の中で踊ってろよ?発動、夢幻の帝」
世界が歪む。
それはカダルが作り出した幻。
ヤツの夢幻の帝は夢を相手の五感に反映させる能力だ。
そしてそれは、俺の幻惑の帝と同系統でもある。
はっきり言って圧倒的な実力差がない限り完全無欠のチート能力だ。
俺以外には。
エリローズ、五感の補正をしろ。
「わかりました。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の修正を補助を行います。」
いや、味覚は別にいいだろ?
てか俺も自分に幻惑の帝をかけてラーメン食べればケーキの味がするのかな?
俺は最早、戦闘中にそんな事を考えている程に余裕だ。
エリローズは直接戦闘には参加できないが、補助をさせる事は可能だ。
それを利用すれば俺には更に奥の手もあるが、それはまたの機会にしよう。
あの時あの手を思いついていれば、ミグ如きに負ける事もなかった。
7年前の自分を殺してやりたい気分だ。
エリローズ 「過去に戻って殺しにいきますか?」
いかねーよ。
物の例えだアホ。
コイツの力なら本当にできそうだから尚更だ。
ミグに負けた1番の原因は俺のスキルの使い方の未熟さだ。
悔しいがミグはスキルの使い方も上手かったし、多数の帝級スキルを組み合わせるのも天才的だった。
認めよう。
だが今の俺はアイツなんかに負けない。
この7年遊んでいたわけじゃない。
確かに動けはしないが、考える時間はたくさんあった。
帝級スキルの使い方や組み合わせ、神託の効率的な利用のしかた。
今からその一端を見せよう。
現在カダルは夢幻の帝が効いていると思って完全に余裕ぶっこいている。
幻惑に包まれるのはお前の方だ。
俺はスキルの使い方もかなり成長した。
「発動、幻惑の帝。」
「なっ!?てめえアルムスを消す気かよ!?」
今度はカダルの世界が歪む。
カダルは今世界の終わりをみているはずだ。
幻惑の帝の真骨頂は幻を作り出す事ではない。
実質、俺の想像をかけた相手の現実に変える完全なチートスキルだ。
昔の俺はこのスキルの力の半分も使いこなせていなかった。
とにかく、これで終わりだ。
俺はヤツの背後に回り込む。
幻惑の帝で俺にヤツの姿は見えない。
気配すら感じないはずだ。
ヤツの目には俺は一歩も動いていないように写っているはずだ。
これが1つ目。
今からが2つ目だ。
「ハザードコア」
これはベビーコアに超新星爆発の力を乗せた合わせ技だ。
外側でなく内側に。
外側は一切傷つけずに内部は完璧に破壊する。
「発動っ、雷て」
もうおせーよ。
その帝級スキルはもう見ることが無さそうだ。
お前の帝級スキルは俺の中で生き続けるから安心しろ。
轟音。
まさに耳をつんざくような破壊音。
その場に立っていたのは俺1人だ。
終わってみれば圧勝である。
エリローズ 「条件を満たしました。帝級スキル、不滅の帝、夢幻の帝、火星帝、流星帝、雷帝の譲渡を行います。成功しました。帝級スキルが11になりました。神級スキルの発生を確認しました。神級スキル、万物の神を会得しました。対象、固有名ラグア・エルライドの神格化を行います。成功しました。固有スキル、神格を得ました。称号、中級神を得ました。不滅の帝の重複を確認。対象、固有名ラグア・エルライドの神格エネルギーに変換します。成功しました。称号、中級神が称号、上級神に進化しました。神格化に伴いHP、力、耐久、俊敏が∞表示になります。levelの項目が消滅しました。固有スキル、神託が固有スキル、神通に進化しました。」
うん、久々だわこの感じ。
やべーだろこれ。




