第71話殺人鬼と殺人鬼
「誰だてめえ?オレにこんな事して楽に死ねると思うなよ。」
カダルは喚き散らした。
本当に完全に俺にそっくりだわ。
つまり勇者じゃねーわ。
殺人鬼キャラとか1人でいいでしょ?
キャラ被りは排除しないと。
俺は言う。
「俺がラグアだ。お前を見てると俺は社会不適合者ですって言われてるみたいでムカつくんだよ?てかそれ以上にキャラ被りとかねえから。よって
お前は今すぐ殺す。え?何のため?俺のキャラを守るためだよ。」
「そうか。てめえがラグアか。死んだって噂だったが生きていたんだな。後半はよくわからねえがてめえ見てるとムカつくのは俺も同感だ。エルライド王国で殺り合えなかったのは残念だがてめえは俺が殺す。」
カダルは答えた。
俺は現在拳王は発動させているが、七大天使と七大罪はすでに引っ込めている。
アレは倒されたら半日は再召喚できないので、出しておくだけでリスクがある。
同格相手にそんなリスクを負う事はできない。
「てめえ相手ならそれなりに本気を出してもすぐには死なねえよな?発動、流星帝、メテオマシンガン。」
カダルの周辺の何もないところからこぶし大の隕石が無数に乱射される。
「発動、水星帝、アクアレーザー。」
俺の触手の一本から超圧縮した水の塊が打ち出される。
アクアレーザーは、カダルの隕石とぶつかる。
同じ帝級スキルだが、一点に集中させたアクアレーザーと無数に分散させた流星帝では当然アクアレーザーが勝つ。
俺が放ったアクアレーザーは一直線にカダルに向かっていく。
「ちっ、発動、火星帝、火衣。」
カダルが豪炎の鎧に包まれる。
アクアレーザーはカダルに当たった瞬間に蒸発した。
だが、アクアレーザーを放ったあとにもラグアは動いていた。
無数に放たれたメテオマシンガンだが、唯一絶対に当たらないでカダルに近づける道がある。
それはラグアが放ったアクアレーザーの真後ろである。
俺は現在カダルの目の前にいる。
ミグがやっていた、触手に帝級スキルを乗せるのは思いの他簡単だった。
犠牲は最小限の触手一本でいい。
おかげで今までは完全な自爆技でかつ、超新星爆発より威力が低いのでお蔵入りしていた技も使う事ができる。
「発動、水星帝、水爆」
水爆、それは人類の歴史で史上最悪の殺戮兵器。
原爆の20倍とも言われる爆発が0距離でカダルを襲う。
カダルの体は木っ端微塵に四方八方にバラバラになった。
俺は思う。
ザコ相手ならこれで十分だが、不滅の帝を持っているアイツには体が残っている時点で意味はない。
てか、不滅の帝安売りしすぎだろ?
俺合わせて持っているヤツ3人目だぞ?
アレは正直有用なスキルだし、アレに助けられた事も何度もあるが、敵が持っているとめんどくさい事この上ない。
「痛え痛えーっ、ラグアーっ、一度ならず二度までも俺のHPを0にしやがって、てめえはとっ捕まえて数年は拷問してやるよ。泣いて後悔しろよ?」
再生したカダルは殺意を込めて喚き散らした。




