第842話ラピロアVSアゼルメーテ2
「あれ?そうだっけ?エルミナってそんなに若かったっけ?」
「ラピロア様よ?これでも今生きている中じゃだいたい真ん中だ」
エルミナは言った。
現在、全宇宙で確認されているアラウザルゴッドは合計8体…
古い順からラピロア、オルメテウス、アゼルメーテ…ここまでが古参だ。
さらにラグアによってコレートルが討たれたことにより、古参とも新参とも言えない微妙な位置に1人残っているエルミナ…
そして新参にはラグア、ミグ、ミーラル、エリスの名が並ぶ…
「まあ最近は新しい子達の活躍が目覚しいしボクとしては嬉しい限りなんだけどね?アゼルメーテならわかるよね?ミグって子を連れていてボクと同じ立場なわけだし?」
ラピロアはそうアゼルメーテに振るが、アゼルメーテが答えるまでにほんの一瞬だけ間があく。
「…ラピロア。アレは天才だ。近い将来アレは我など容易に凌駕することになるだろう」
アゼルメーテの言うアレとはもちろんミグの事だ。
「うちのラグアだって負けてないよ?こないだなんてオルメテウスをあと一歩のところに追い詰めて…」
「なあ?アゼルメーテ?お前は配下の自慢大会にきたのか?」
話が脱線したまま戻って来れなさそうになった時、エルミナはさすがにそう言った。
「確かにそれもそうだな。話の続きははじめてからにするか」
その瞬間、アゼルメーテの神格エネルギーが爆発的に上がる…
何故なら…
「へぇ…神玉にどれだけ神格エネルギーを溜め込めばそうなるんだか…まあそれは神格エネルギーと1番相性がよくて、他のパパの一部とは若干気色が違うんだけどさ?パパが死んだ時、パパの魂は4つにわかれた…ラグアの持つ核玉はパパの心臓から成り、ボクの持つ呪玉はパパの怨念から成り、君の神玉はパパの神格エネルギーから構成された。あと一つ…過去最強…それこそあらゆる概念を使いこなす空前絶後のオリジンゴッドだったパパの能力が眠る起玉だけはまだ行方不明だけどね?」
「ば…化け物…」
饒舌に語るラピロアとは対照的に、エルミナは全身をガタガタと奮わせる…
アゼルメーテの神格エネルギーはラピロアの第四形態のおよそ1.8倍…ラピロアが持つ呪玉の数値では2万には届かないが、それでもラピロアの第四形態をも遥かに凌ぐ…
「はははっ、こりゃ第四形態でもきつそうだ。今日はいい日だ。というかここ最近はラグア達がいろいろやってくれているおかげで退屈しないんだけどさ?まあでも一応決まりだからさ…いくよ?第四形態…」
そう言ったラピロアは第四形態を解放する…
ラピロアの拠点には2つの絶大な神格エネルギーの波動がぶつかり合い、暴風となって吹き荒れていた。




