第338話黄泉の神の検証(第二段階)
「師匠、ギフトって何?」
ミグは俺にそう聞いた。
俺は答える。
「簡単に言うと別世界のスキルみたいなものだ。俺はこの世界で言う王級スキル…別世界で言うキングダムギフトを量産して他者に付与することができる」
「わー、すごい。そんな事できるなんて師匠、神様みたいだよー」
いや、俺神様だから…
つーかジジイが死んでエリローズと融合した今、この宇宙最強のオリジンゴッドだから…
ジジイの力を得たウルドナートには負けるが、アイツは宇宙自体が違うからノーカンだ。
「とりあえず試すぞ?発動、エンペラーギフト、付与の帝国」
そう言って俺は量産型キングダムギフトをミグに付与されるべく、付与の帝国を発動させる。
うん、これ使うのもなんか久しぶりな気がするわ。
王級クラスって基本的にもはや戦力外で需要あるかどうか微妙だしな…
プロトクローンを作れる今、また使う事になるとはな…
「とりあえず、適当に付与したけどどうだ?」
俺はミグに確認の意を込めてそう聞いた。
どうせ、生贄に使うだけだからキングダムギフトは詳細もよく見ないまま適当に3つ程つけた。
「うん、なんかステータスに出たよ。じゃー試すね?発動、神級スキル、黄泉の神…」
ミグは黄泉の神を発動させるが…
「うーん、なんかぐちゃぐちゃしてて生贄にできないよ…」
ミグは言った。
俺はミグの言葉を聞いてから、神通を使ってミグの意識を共有して黄泉の神の生贄候補表示されているキングダムギフトを見る。
うわ…
文字化けしてやがる…
みると俺がミグに付与したキングダムギフト3つはぐちゃぐちゃに文字化けしてて完全に読めない状態になっている。
「ウイ○ドウズとアップ○の違いみたいなものか?俺パソコンは詳しくねーからよくわからんな。まあ、このままじゃ使えねーのはわかるが…」
「師匠何の話?」
「あ?こっちの話だから気にするな。簡単に言うとギフトはこのままじゃ使えねーって事だ」
俺はそう言いながら神託を使ってウリンを呼ぶ。
ちなみにウリンの神託はこないだのウリンの説教を免除してやった時にくっつけた。
『ウリン、仕事だ』
俺が神託でそう言った瞬間、ウリンが露骨に嫌な顔をしたのは神託で顔が見えない状況でもわかった。
『…ラグア殿、今はプロトクローンの量産に忙しくて…』
『既に動かせるプロトクローンは千体を超えて二千体に届きそうな勢いだ。そっちは多少止めてもいい。それより別の仕事だ。今すぐキングダムギフトの解析をしろ。可能なら王級スキルに変換しろ。無理ならキングダムギフトのまま、黄泉の神の生贄に使える方法を考えろ』
『………あいかわらずめちゃくちゃ言うわね…。あたしがスキルを研究するのにどれだけ…。そもそもスキルっていうのは一概に言っても…』
『専門的な話は興味がないからいい。できるか?』
『………やるわよ。戦闘はともかく、技術面であたしにできない事なんかないわよ。ただ今回はプロトクローン程簡単にいかないと思うから少し時間はかかるわよ?』
ウリンは俺の言葉にプライドを刺激されたのかそう答えた。
『わかったそれでいい。頼んだぞ?』
『はいはい、偉大なる星帝閣下様の為に研究できて、この星王ウリン・ドーラス・イグロシアルは幸せものですよ』
『今の嫌味は笑って許してやるから結果を出せ』
俺は最後にそう言って神託を切る。
ウリンは口ではああ言っても仕事はするし、優秀なヤツだ。
任せておいて大丈夫だろう。
さて、問題は…
まあ予想はしてたけどやっぱこうなるよな…
俺はダミーエルライド王国に意識を移すのだった。




