第337話黄泉の神の検証(その後)
〜エルライド城、カティアの私室〜
「はあ…。本当に死ぬかと思ったわよ…」
シュドレ達は玉座の間からそのままカティアの部屋に転移していた。
カティアは帰ってきて早々にシュドレを睨みつけながら言った。
「ごめん、カティア。浮かれててギリギリまで気づかなかった」
「ごめんじゃないわよっ!!寿命が100年ぐらい縮んだわっ!!ラグアにバレてたら処刑じゃ済まないわよっ!!あんたも私も地下の拷問ルーム行きよっ!!」
カティアは叫んだ。
エルライド王国の地下にはラグアとリーゼ、そして最高幹部の一部以外絶対立ち入り禁止の厳重に警備されている部屋がある。
ラグアがどんな存在なのか知っているカティアにはそれがどのような部屋なのか容易に想像がついた。
「それは…本当に申し訳ありませんでした」
シュドレは土下座の体制に移行した。
「はあ…もういいわよ。わかってると思うけどこの貸しはでかいからね?」
「ああ、本当に感謝してもしきれない。なんでも言ってくれ。俺にできる事ならなんでもする」
カティアはそんなシュドレを冷たい目で見下ろす。
「ねえシュドレ…。私が何考えてるかわかる?」
「ああ、逆レイプでもなんでも好きにして…」
「そこまで外道じゃないわよっ!!あんた私をなんだと思ってるのよっ!!」
カティアは再び叫んだ。
「はあ、もう今日は疲れた。今度何か頼むわ。あんたの両親にかけた魔眼の、静止と魅了は解いておくから今日は帰って」
「…カティア。本当にありがとう」
シュドレはそう最後に言って、両親を連れて部屋を出て行くのだった。
〜
〜海底都市〜
「ゴルド様が復帰なされたぞー!!」
「ラグア様のお力らしいぞ?死者を生き返らせるなんてあの方にできない事などもうないんじゃねーか?」
「祝いだー!!酒を持ってこいっ!!」
ゴルドの復活…
そして特別幹部への復帰の報は、瞬く間に海底都市全域に響きわたった。
海底都市は過去類を見ない程の賑わいを見せていた。
〜〜〜
〜エルライド王国、玉座の間〜
現在カティア達が出て行き、俺はミグと2人きりの状態だ。
俺は黄泉の神の検証と同時進行で行なっている事の方に意識を移す。
よし、こっちはまあ大丈夫と言えるかは微妙だが、まだ想定の範囲内だ。
ここから更にどうなるかはわからないがまだ放っておいてもいいだろう。
俺は言う。
「ミグ、今からお前にギフトって言うものを渡す。それが黄泉の神の生贄に使えるかどうか試してみてくれ」
俺はそう言って黄泉の神の検証、第二段階をはじめるのだった。




