第330話ミグの神級とイグロシアル改革2
「パパが会議なんて珍しいじゃん。たしかパパ会議嫌いじゃなかったっけ?」
リーゼは会議をすると宣言した俺に対してそう言った。
「リーゼ、俺は極力めんどくせーから会議やりたくねー。だが、やらなきゃいけねー理由ができたから仕方がない」
俺はそう言うと集まったメンバー全員を見渡す。
「お前らに集まってもらった理由は単純だ。お前らに聞く。この組織の頭は誰だ?」
俺の言葉にほぼ全員が俺の方を向く。
「確かに俺の配下以外の同盟の中では、一応俺が成り行きで俺がリーダーに近い状態になっているが、よく考えろ。今の俺達は決まった名前もない寄せ集めの連合国に等しい」
俺の言葉を集まったメンバー達は無言で聞く。
つまりは薄々感じていたって事だろう。
だが、連中の表情は優れない。
俺が力でヤツらを無理矢理、配下にでもすると思ってるのだろうか?
さすがに仲間相手にそこまではしない。
「別に今までの体制を大きく変えるつもりはない。お前らと俺の関係は今までと変わらん。ただ大きく動く時は知らせろ。あと俺達の総称が必要だ。俺が言いたいのはそれだけだ」
俺の言葉は同盟連中や九天、そして王族や特別王族に向けて言った事だが、そのうち何人かはあからさまに安堵した表情を浮かべる。
よし、めんどくせー会議はこれで終わりだ。
名前は残った連中が勝手に決めればいいだろう。
とりあえずミグの黄泉の神の検証を…
俺がそんな事を考えて退室しようとした時だ。
「ダメだよパパ。せっかくの新体制でみんなが纏まるんだよ?その盟主がどこに行くの?」
リーゼは言った。
「あーリーゼ。もうめんどくせーから名前とかは詳しい体制とかはお前が決めろや。俺は今は忙しい」
その言葉にリーゼは満遍の笑みを浮かべる。
「パパ、言質はとったからね?」
やべっ…
しくったか?
俺はそう思ったがもう遅かった。
「じゃー、パパに変わりこの先はリーゼが仕切るよ?みんな異論はないよね?」
リーゼは周りを見渡して反対意見が出ないのを確認すると続ける。
「まずは名前だね。パパやリーゼやみんなの正式名称…。パパに変わってここに惑星国家イグロシアルの建国を宣言するよ」
リーゼは高らかにそう宣言した。
俺はこの時リーゼに任せた事を既に後悔していた。




