第317話古き時代のアルムス23
俺とミグはデカイスライムのいる場所に転移した。
さて、ようやく暴れられそうだ。
と言ってもまだしばらく俺の出番はなさそうだけどな?
「ギシャーーー!!」
デカイ帝級スライムは知性がないのか喋る事ができない様だ。
そのままミグに向かってステータスに任せた突進をしてくるが、ミグはそれを難なくかわし逆にカウンターで蹴りを見舞う。
帝級スライムは質量を無視したかの様なミグの蹴りで岩を木を…そして大地をえぐりながら吹き飛んでいく。
「師匠、こんなザコと戦って本当に神になれるのー?」
「まあ、すぐには無理だがチュートリアルにはちょうどいいはずだ」
俺は言った。
吹き飛んだ帝級スライムがミグの方に敵意をむき出しにしながら帝級スキルを解放する。
「鑑定で相手の帝級スキルを見てみろよ?神託を付与したお前は俺の力の一部が使える」
ミグは帝級スライムに鑑定を使う。
帝級スキル、水星帝…
かつて俺も持っていたスキルだな。
まあこれ単品じゃ今のミグの敵じゃない。
おそらく今ミグには鑑定により、帝級スキルの他にも相手のステータスが完全見えてる事だろう。
「へー、これがステータスかー。今までは感覚で相手が自分より強いかどうかがなんとなくわかったけど、これなら1発でわかるね?」
ミグは帝級スライムのアクアバーストを対処しながらそんな事を言った。
「そうだな。それよりあんまナメてるとそろそろでかいのが来るぞ?」
帝級スキルの最大解放…
それは例えば土星帝の超新星爆発…
例えば魔道帝のマジックハザード…
そして目の前のデカイスライムの技…
水星帝の最大の技…
アクアハザードがミグに迫る。
「いいよ。あたしもちょっとだけ本気でいくよ?発動、地獄帝」
ミグがそれぞれ自由意志を持った6体の帝級スライムに分かれる。
「等活は目の前のデカイのを止めて。あとのみんなは突撃ー。発動、重力帝、ゼログラビティ」
ミグのキチガイみたいな俊敏が更に重力の抵抗すらなくなり、音速を遥かに超えるスピードで5体のミグが帝級スライムのすぐ側まで迫る。
「おいミグ、出来るだけ星壊さねーように倒せよ?別にこんな星どうでもいいが、それにつられて集まってきた連中の相手はまだしたくねえ」
特に全盛期エリローズと戦うのはまだ早いしな。
俺は思った。
「注文が多いなー。みんなっ」
「「魔道帝、クアトロマジックバインド」」
無限以外のミグが同時に魔道帝を発動させ、帝級スライムを拘束する。
「そんじゃートドメーだよ」
ミグは帝級スライムの体内に自分の腕を突きいれる。
「マジックハザード」
こうして帝級スライムは文字通り消滅し、水星帝はミグに受け継がれるのだった。




