第314話古き時代のアルムス20
俺達はダミーエルライド王国に転移した。
すぐにプロトクローン3人組が俺達を出迎えて跪く。
「ご報告申し上げます。ラグア様の不在の間目立った侵入者等はございません」
代表してプロトエリスが俺にそう報告してくる。
この組み合わせの場合前回はセシルが仕切っていたが、今回はプロトエリスが代表のようだ。
同じクローンでもプロトクローンには個体差があるのだろうか?
まあ、まだプロトクローンは実験してみなきゃわからない事も多いしな。
俺は思った。
「ご苦労。お前達は引き続きこの城の守護につけ。それからミグ。今からお前に俺の神託をつける」
俺はミグに神託をつける。
神託は中級神程度の神でも余裕でつける事ができる。
オリジンゴッドの俺にできないはずもない。
『ミグ、俺の声が聞こえるか?聞こえるなら成功だ』
俺はミグの頭に直接話しかけた。
「うん師匠の声が頭の中から聞こえるよ」
俺は言う。
「なら成功だ。まずはお前を探す時に見つけた帝級スライム共から狩るとしよう。まずはあのデカイやつでいいか」
俺はミグを連れてミグを探す時に見つけた、帝級持ちのデカイスライムに向けて転移する。
〜〜〜
時は少し遡る。
ラグア達がミュラの両親やジオの国などを回収していた頃だ。
〜大魔王、ラグア・ベルゼ・アルムスの居城、デモン・オブ・ラグア〜
その城内にある一室…
三元魔の1人、龍元、ソドム・グラファルは静かに部下の報告を聞いていた。
「ソドム様、ラグア様及びエリローズ様が無事に聖神フェルリカを討ち果たしました」
「当然だ。ラグア様がフェルリカごときに遅れをとるはずがなかろう」
ソドムは目の前の自らの側近の1人、四天凶星イドラスに向かってそう言った。
その時だ。
部屋にノックの音が響く。
「入ってよい」
「ソドム様、失礼します」
ソドムの言葉で入ってきたのは、同じく四天凶星の1人であるクレアだった。
人化はしているが本来、灼熱の紅竜と呼ばれている彼女の顔は彼女を知っている者なら不自然に思う程に真っ青になっていた。
「おい、クレア。具合が悪いなら休んだ方がいいんじゃねーか?ソドム様に報告はオレがしとくからよ?」
イドラスは同じ四天凶将のクレアにそう声かけた。
「イドラス、今はそれどころではない」
クレアはイドラスにそう返してソドムの前に跪くと言う。
「ソドム様、ご報告申し上げます。新たな敵対勢力の調査に行っていたシルビア達の生体反応が消えました。おそらく返り討ちにあったかと…」
クレアの報告にイドラスは言葉を失う。
それに対してソドムは眉間の皺を多少深くするにとどまった。
一瞬静寂に包まれる中、クレアとイドラスはソドムの言葉を待つのだった。




