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第264話トルワ公国4


「大変失礼しましたっ!!どうか命ばかりはっ!!」


現在、リーゼとセリーの前にはリーゼ達の正体を知ってしまった男が土下座している。

男はそのまま続ける。


「おっお代は結構ですので、どうぞ好きなだけ連れて行って下さいっ!!」


それに対してリーゼは笑顔で答える。


「うーん、別にこの2人だけでいいかな?でもおじさん実はいい人だったんだね。そんな優しいおじさんには特別に教えてあげるね。早くこの国から逃げた方がいいよ」


「は?」


男は意味がわからず固まっている。


「この国はこれからリーゼ達が滅ぼすから、それまでにね?セリー」


その言葉でセリーは意味を理解し、手に入れた奴隷2人の檻をぶち破る。


「じゃあ2人共、話は城に帰ってからしようか。リーゼ達はもう1つ用事があるからね」


「「はっはい。ご主人様っ!!」


2人の奴隷は今の会話を聞いていたのか真っ青どころか蒼白な顔で返事をする。


リーゼが男の方に目を向けると血相を変えて全力で逃げて行く背中が見えた。



〜〜〜


リーゼ達がトルワ公国に入って約2時間後…


リーゼとセリーは現在トルワ公国の王城の前にいる。

ちなみにスラム街から連れてきた奴隷2人はセリーの隣で待機している。


トルワ公国の王城は一般の町の領主の館よりか多少立派だが、毛が生えた程度だ。

それを王城と言うにはあまりにも粗末だった。


「さて、はじめようか。セリーは逃げた人を捕えて。攻撃自体はヤバくならない限りリーゼ1人でやるよ」


「はっ」


「じゃーいくよー。氷魔法、アイスボール」


リーゼがそう言うと直径5メートル大の氷の塊がまっすぐ城に向かって飛んでいく。



〜トルワ公国、王城、城門〜


「おい、なんだあれは?」


「ほっとけ女と子供と後の2人は奴隷だろ?貴族かなんかの観光だろ?」


城の門番2人はそんな会話をする。


「それにしても、こんな何もない国に珍しい…。っ!?おっおいっ、撃ってきやがったぞっ!?」


「にっ逃げろ!?」


門番2人はそのやりとりを最後に氷の塊に押しつぶされる。




「まあ、雑魚2人分の経験値ならこんなもんかー」


リーゼは呟いた。

魔王化…

そして王級スキルの獲得には、まだまだ全然足りない。


「ですが騒ぎを起こしたのでおそらく…」


セリーがそう言いかけると、わらわらと城の中から兵が出てくる。


「よーし第2ラウンドだね」


リーゼはそう言って口角を吊り上げるのだった。

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