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第241話白の童女


「リーゼの事覚えてないとかひどいよパパ…」


ウリンに詰め寄った俺にリーゼと名乗る幼女が割って入る。


いや、パパ?

そもそもお前に会ったのはじめてだから…


「…おいウリン、今なら本気の説教三時間で許してやるよ…言え…」


俺は静かにだが、怒気を込めて言った。

俺の言葉に俺の本気の説教を受けた事のあるノーマンは真っ青になる。


マジで仲間じゃなかったら八つ裂きにしてる案件だ。

俺の寛大な心を誰か褒めてほしい。


「ラグア様えらいですね」


「お前じゃねーから黙ってろっ!!」


俺はクソアマを怒鳴りつける。


「ラグア殿実は…」


ウリンは説明をはじめる。



〜〜〜


ウリン・ドーラスはドワーフ国家、ドーラス王国の中…いや、アルムスで最高の科学者兼技術者でもある。

その技術はかなり効率は悪いが、人工的に帝級スキルを作り出す事まで成功していた。

最も数千億単位の生贄が必要で、1000万年近くかけて実用化できたのは、ウリン自身が持っている1つだけだが…

ちなみにこの事は今まで他の5王にすら秘匿していたウリンのトップシークレットだった。

ウリンの次なる目標は、人工神級スキルの作成だが、帝級ですらこれほどの犠牲が必要なのだ。

ウリンは現状のやり方で人工神級スキルを作り出すのは、不可能と判断し別の方法を思案した。

ウリンは考えた結果、現状の神級のサンプルを使い培養する方法を思いついた。

ラグアのサンプルを使ったが結果は失敗だった。

ラグアのサンプルから生まれたそれは、ただのラグアの分体だった。

求めているものではない。

ならば他の細胞を混ぜ合わせればいい。

それを思いついたウリンの行動は早かった。

まず最初に被験者として、エリスを選んだがエリスはそんな恐れ多い事はできないと拒否した。

他のラグアの配下にもあたったが、結果は同じだった。

そして唯一ウリンの提案を二つ返事で了承した、ルルの細胞を使った結果がこれだ。

神級製作実験は半分は成功と言っていいだろう。

リーゼには神級に至る才能はある。

だが、生み出されたばかりで経験値が圧倒的に足りなく、ベビーローズアメーバに留まっている。

これが今回の事の顛末だ。

ちなみに余談だが、リーゼの名前をつけたのはもちろんルルである。



〜〜〜


うん。

ウリンが人工帝級スキルを作れるのは、なんとなくわかってたけど、まさか神級スキルまで作ろうとしてたのははじめて知ったわ。

まあ確かに神級クラスを量産できるようになれば、俺の戦力は飛躍的に向上するし、有意義な研究みたいだが結果はこの事態なんだよな…

俺は思った。


「ウリン、説教は特別に1時間にしといてやる。リーゼの話は後だ。とりあえず王族扱いで食客にしとけ。これより本題である、カティア達の回収メンバーを決める」


俺は不可抗力でできてしまった、はじめての自分の子供への対応を先送りにし、集まったメンバーに向かってそう宣言するのだった。


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