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閑話青い死神ミグ・ヒピー


時は第二次神魔大戦に遡る。



〜〜〜


「まだ、まだだよーラグアぁぁぁ」


「やめろっミグ」


あたしはイシュトス君の制止を振り切り突っ込む。

その腕一本に全ての神格エネルギーを集中させながら…


「懲りないバカですね。………存在消滅」


ラグアについている邪神がそう言ったのがわかった。

それがあたしの最後の記憶だ。



〜〜〜


次に目が覚めたのは、赤い砂漠…そして、その砂漠に無数に存在するアンデット…

死王星…

ロロ様の星か…

ミグはそのまま遠くを見てた目線を近くに向ける。

そこにいたのは…


「!?っミュラっち、しっかりしてミュラっち!!」


自分の前に倒れている親友に向かってミグは叫んだ。


エリローズの存在消滅…

それはミグの意識そのものを消滅させるものだった。

いくら黄泉の神とは言え、存在そのものを消滅させられたら復活は不可能…

それがミグが自力で復活できなかった理由だ。

だが、例外はある。

第三者の黄泉の神による、存在の再構築…

当然そんなものは黄泉の神のキャパを明らかにオーバーしている。

そんな事をすれば、黄泉の神が破損して二度と使い物にならないばかりか、術者の神格エネルギーも相当量持っていかれる。

結果はこれだ。

ミュラに残された神格エネルギーはほとんどない。

急激な神格エネルギーの消費、そしてふつうではありえない神級スキルの破損…

それらに耐えきれず、ミュラは意識を失っていた。


ミグはミュラの生存を確かめる。

一応生きてはいる。


「ごめんね。ごめんねミュラっち…うわーん」


ミグは意識の無いミュラに寄り添い泣いた。




ミュラが意識を失った翌日、ミグがミュラを看病しているとミュンが入ってくるのがわかった。


「お姉ちゃんは…」


ミュンが心配そうに覗きこむ。


「ごめん。ごめんミュンちゃん…全部あたしのせいだよ。あたしがミュラっちを…」


「違う。お姉ちゃんは自分の意思で…」


「でも…」


「でもじゃないっ!!」


ミュンは語気を強める。

そして、そのまま部屋を出て行った。

ミュンは本来こんな事を言う子ではない。

ほんとミュラっちもミュンちゃんも優しいな。

ミグは思った。



〜〜〜


その後、3日程でミュラは目覚める。


「…うっ…ミグ…」


「ミュラっち!?」


蘇った事により、上級神の力と黄泉の神を取り戻したミグにはわかる。

ミュラの力は下級神の中でも最低クラスにまで落ちている。

黄泉の神を得たと言う事はおそらく自分のスキルが受け継がれたと言う事…

つまり最低でも中級神クラスの力はあったはずだ。

だが、今の状態を見る限り相当の無理をした事がわかる。


「ごめん…ごめんねミュラっち…」


「ミグ…妾がお前に言いたい事は山ほどあるが、まずは…」


ミュラはそこで一度言葉を切る。


「おかえりミグ」


「うわーんっ!!」


ミグはミュラに抱きついた。


ミグの閑話は一話に収めきれませんでした。

次回もミグの閑話になります。

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