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第236話ウルドナートの準備


ウルドナートは思う。

ラグアとエリローズとの交渉はギリギリ及第点だ。

もしアレでも了承しないようなら、さすがに本気で戦うしか道はなかった。

ラグアをオリジンゴッドにするとは言ったが、特に期限はつけていない。

最高神は神界とリンクした、最高神としての力で毎日決まった数の配下の神を生み出す事ができる。

最高神の中でそこまで力の強くないウルドナートは新たに生み出せるのは、1日に下級神が三体が限界だ。

ちなみにラグアには1日一体が限界だと言ってある。

さすがに新たな神のうち、三体全てをラグアに回してしまうのはこの宇宙の運営に影響が出かねない。

ラグアもエリローズもオリジンゴッドだが、最高神ではない。

バレる事はありえない。



そしてその後の交渉はスムーズに纏まる。

ラグアの分体がオリジンゴッドになり、それをラグアの本体が吸収した時が最高神の最後だ。

それまでに自分自身の準備も終わらせなければ…

ウルドナートはそう思った。



〜〜〜


ウルドナートとの話が終わったが、俺はまだ神界にいる。

理由?

見りゃわかるだろ?

修行パートだよ?

主人公が強くなる為に必要なアレだよ。

うん。

俺も主人公の自覚が出てきたわ。


「玩具が人間から下級神に変わっただけで特に修行してるように見えませんが?」


「黙れクソアマ。これも立派な修行なんだよっ!!」


俺はエリローズを怒鳴る。


俺は現在ウルドナートから預けられた下級神を拷問して遊んでる真っ最中だ。

え?

なんで拷問してるかって?

そりゃつついただけで死にかかる人間と違って下級神は丈夫だからだ。

神格エネルギーも手に入って俺の趣向も満たせる。

うん。

一石二鳥だわ。


…なんて考えてた時期がありました。



〜10年後〜


「長すぎるだろーがっ!!」


俺はウルドナートを呼び出して怒鳴る。


「そんな事言われてもラグアさん、期限を決めないってのに了承したのは君だよ?」


「知るかぁぁ!!いくらなんでも長すぎなんだよっ!!あとそのラグアさんって言うのも気持ち悪りーからやめろっ!!」


俺は叫んだ。


ウルドナートは最近、俺やエリローズの事をさん付けで呼ぶ様になったが、これがまた気持ち悪い。

なんとかならないかな?

俺は思った。



〜更に10年後〜


「…おい、ウルドナート…いい加減にしやがれ…いつまでかかる?」


俺は静かにだが、殺気を込めて言った。


「もっもうちょっとだよラグアさん?」


「なんで疑問系なんだよっ!!」



〜また更に10年後〜


俺は分体と本体を入れ替える。


「発動、万物の神、神格ビッグバ…」


「ちょっ!?ストップ、ストーップ!!こんなところでそんな技使ったら神界ごと消えてなくなるよ!?」


「黙れ。もう我慢の限界だ。死ね」


と言うかよくここまで我慢したわ。

俺はそう思いながら発動途中のビッグバンに大量の神格エネルギーを込める。


「!?っ、だっ大丈夫っ、今日でっ今日でオリジンゴッドになれるからっ!!」


「………嘘なら神界ごと吹き飛ばすからな?」


俺はそう言いながらビッグバンを解除する。


ウルドナートは思う。

期限をつけてないとは言え、30年はやり過ぎたか?

いや、ふつう悠久の時を生きているオリジンゴッドなら30年程度、瞬き程度の時間に感じられるはずだ。

わからない…

わからないが、仕方がない。

本当はジジイと戦うのにもう少し準備がしたかったが、これ以上は引き延ばせそうにない。


ウルドナートはそう思いながら、数十体の下級神を生贄にして上級神を作り出すのだった。


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