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第220話九天大戦11


さて、次の反応がある場所にたどり着いた。

ちなみに今のレムレスのエンペラーギフトは、そのまま神格エネルギーに変換して、ギリギリ中級神止まりだった俺の分体の力は上級神クラスにまで成長している。


転移してきた俺に向かって話す女がいた。


「へぇ、次はあたしのところか。その様子だとレムレスは負けたみたいね?」


俺はその女に違和感を感じる。

上手く表現できないがなんとも言えない違和感を…

だが、俺が何かを言う前に女の部下が割って入る。


「シオン様、お退がり下さい。ここは我々が…」


おそらく、シオンとか言う女の幹部と見られるメンバー達が前に出てくる。

だが、シオンはその幹部に向かって言う。


「あら?退がるのは貴方達よ?そうよね?ラグア・エルライド。貴方の相手をできるのは、父上を除けばあたしとアナシスタちゃんだけ。父上とアナシスタちゃんは別件で忙しいし、今回の作戦の最高責任者はあたしのはずよ?」


その言葉にシオンの部下達は退がる。

シオンはそのまま俺に向き直ると言う。


「はじめまして、ラグア・エルライド。あたしはシオン。シオン・ヴェルゾアス。父上…大魔王ゼオン・ヴェルゾアスの娘にして三魔王の一翼…。そして今回の侵攻の最高責任者でもあるわ」


俺は目の前の女の警戒度を一気に引き上げる。

力はせいぜい帝級クラス…

だが、本能…

いや、神としてのなにかがコイツは危険だと警鐘を鳴らす。

そして、そこから導き出される俺の判断は即時抹殺。

それが俺の結論だ。


俺は再び、時空隔離と超小型超新星爆発でシオンとその手下を吹き飛ばそうとする。


本日三度目の超エネルギーによる大爆発…

そこに立っているのは俺一人のはずだった。

だが…


「うふふっ、父上の軍ならともかくあたしの私兵は傷つけさせる訳にはいかないわよ。悪いけど逃がさせてもらったわ」


爆発後、何事もなかったかの様に立っているシオンの周りには誰もいなかった。

おそらく何かのスキルかギフトで逃したのだろう。

そして爆発前、帝級クラス程度だったシオンの力は、上級神クラスにまで増大している。

そして俺はこの現象に思い当たるものがある。


「分体か…」


俺は呟いた。


「ご名答。さすがは史上最速で九天のトップまで登り詰めた男ね?あたしが本体を使う様な相手は随分久しぶりだわ。でも残念だけど死んでもらうわよ?あたしのこの力を知っているのはごく僅か…。あたしは九天にはなりたくはないからね」


こうして上級神同士の戦いは幕を開けようとしていたのだった。



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