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第205話再び九天の宴5


大闘技場…

そこは数千年前まではフィローラが気に入らない九天を虐殺する場として使われていた。

そしてフィローラのゴッズギフトに守られた、この闘技場はよほどの事がない限り壊れたりしない。

それはフィローラの余興の為だけに造られた闘技場。

そのはずだった。



〜〜〜


現在俺達はフィローラの大闘技場にいる。

闘技場内にいるのは8人…

ケルティカとその配下が5人、そして俺とエリス…

ん?1人足りないって?

それは観客席にいるバカを見ればわかる。


「ラグア様ー。頑張って下さい。お姉ちゃん応援してますよー」


「なんでお前がそこにいるんだよ?お前今日俺の付き添いだろうがっ。降りてこいやっ!!」


俺はバカに怒鳴りつけた。


「別にいいですけど、私が出たら一瞬で塵も残さず消えちゃいますよ?ラグア様はそれでいいんですか?」


いや、よくない。

主に俺の餌の問題でよくない。

だが、観客席でじゃ◯りこ食いながらファ◯タグレープ飲んで、応援するとかほざいてるクソアマに、ムカつかないかと言えば確実にムカつくのは確かだ。


「クソアマてめえ…いつかぶっ殺してやる」


「それも含めて応援してますよ」


よし。

もうバカは無視しよう。

こんなの相手にしてたら、いくら不滅の概念があってもストレスで死んじまう。


「おいおいおい?さっきから俺様をなめすぎじゃねーか?6体2で勝てると思ってんのか?ここにいる俺様の配下はみんなエンペラーギフト一歩手前のキングダムクラスじゃ最強レベルだぜ?」


ヤバイわ。

雑魚臭がすごすぎる。

相手との実力差もわからないでよく帝級クラスになれたよコイツ…

コイツもクソアマとは別の意味で無視だ。

話す価値もない。


ここでゼオンが言う。


「ではこの場はフィローラに代わりオレが仕切らせてもらう。二人共楽しい余興を盛り上げてくれよ?じゃーはじめっ」



戦いが始まる。

俺は帝級スキル、土星帝を解放する。

何するかって?

椅子作るんだよ。


え?

敵?

そんなのケルティカを残して開始した瞬間に、エリスが塵に変えたよ。


「なっ!?はっ!?なっ!?」


ケルティカの目には配下達が消えたようにしか見えなかっただろう。

まあ、分体は帝級クラスとは言え、神のステータスを持っている俺は見えるけどな。


俺は言う。


「エリス、お前の神級スキルでケルティカを抑えろ」


「はっ」


エリスの神級スキルが発動する。

エリローズの力で得たエリスの神級スキルは、その名を神級スキル、原子の神…

その力はあらゆる原子を完全に掌握し、必要とあらば作り出すことも組み替えることも可能だ。

それはつまり、神級スキルに守られていないものは、出会った瞬間に、生殺与奪権が握られていると言う事…

生物の体を構成しているのは他ならぬ原子なのだから…


うん。

エリス味方でよかったわ。

さすがに俺も分体で戦えば確実に負けるわ。


ケルティカはもはや口を動かすぐらいしかできない。

それすらもエリスが黙らせようと思えば簡単だろうがな…


ケルティカは言う。


「まっ待ってくれっ俺様がっ、俺様が悪かった。だからっ」


そんなケルティカの命乞いに優しい俺は笑顔で答える。


「別に俺は怒ってるわけじゃねーよ。逆にお前に聞くが、お前は食卓に並んだ肉や魚の命乞いに耳を貸すか?」


「なっ!?」


そう。

俺にとってのコイツは神級になる為のただの餌でしかない。


「まあ、これ以上時間の無駄だ。死ね」


俺はハザードコアをケルティカにぶち込む。


「まっ待て。いやっ、ウギャアアアアア」


ハザードコアの超エネルギーに焼かれながらケルティカは、消滅の瞬間までの刹那の間後悔する。


九天に…

そしてラグア・エルライドに喧嘩を売った事を…



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