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第22話魔王と伯爵


彼、ドール伯爵ダレクス・ドールは、エルライド王国第2王女アリエル派閥の筆頭である。

そんな彼の元に今から約二カ月前ある報告が届く。


ミールの村に強力な魔物襲来‼︎至急応援要請‼︎


彼は思った。

面倒な事態になったと、彼が君主とする、第2王女アリエルの王位継承権は4位。

決して玉座が約束されているわけではない。

もし、その強力な魔物とやらを倒せれば、後の王位継承戦で優位に立てる事は間違いないだろう。

だがもし、負けてモレストの町を失うような事になれば、アリエルはおろか、自分自身の今まで築き上げてきた王からの信頼も地に落ちる。

だが王国に応援を要請する事も出来ない。

たしかに、王国に応援を要請すれば、魔物は倒せるだろう。

強いとはいえ、魔物の報告を聞く限り、推定ランクはDランク。

王国の正規の騎士団の力なら、Dランク程度複数相手どる事も可能だ。

だがそれはできない。

そんな事をしてしまえば、自分の領地も自分で守る事の出来ない無能な領主とみなされ、彼の王からの信頼は地に落ち、アリエルの王への道も完全に絶たれる。

彼はそう考え、せめて魔物と入れ違いになり町を落とされると言う最悪の事態だけは避けようと、町の守りを固める。


完全に見誤った。

魔道具、遠視の双眼鏡でみえる魔物を見ながら思った。

アレは、ダメだ。

あの魔物は、Dランクの枠など完全に超えている。

王国騎士団程ではないが、自分の自慢の軍が紙くずのように蹂躙されていく。

魔物は、身体中から無数の触手を伸ばし、次々と命を刈り取っていく。

一瞬前まで、何ともなかった兵が、次の瞬間には、胴体が2つに別れてしまっていた。

あれではもし、王国騎士団を呼んでいたとしても、勝てたかどうかは怪しいものだ。

もう終わりだ。

自分もアリエルも。

彼は持てるだけの財産を持って逃亡を試みるが、重くてなかなか進まない。

この財産を元手に、どこか遠くの田舎で商売でも始めよう、ダレクス・ドールは今日死んだ。

これからは新しい人生だ。

彼はそんなことを思いながら、重い荷物を引きずる。

だが財産を持ち出すのに必死で、気づかなかった。

目の前には、あの虐殺をやってのけた魔物。

見た目は、あどけなさが残る美少年だが、その瞳には濃厚な殺意が宿り、見るものを震え上がらせる。

少年はすでに、魔王の風格を漂わせながら言う。


「俺は魔王ラグアだ。お前がドール伯爵でいいんだよな?俺はお前と交渉がしたい。拒否するならこの国ごと更地に変える」


どうやら、本当に魔王だったらしい。

自分は決して逆らってはいけないものに、逆らってしまったらしい。

それにしても、史上唯一魔神まで登り詰めた魔王の名を語るなど正気とは思えない。


こうして伯爵と魔王の一方的な交渉はスタートするのだった。

全然話が進んでなくてすいません。

次回は主人公視点に戻って会話回です。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 本国に応援を要請とあるが、他の国に来ているわけではないので王、もしくは王都といったほうが合っている。
[気になる点] 魔神まで登り詰めた魔神←魔神まで登り詰めた魔物の誤字ですか?
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