第195話ラグアVSフレスト
「…………」
フレストは答えない。
「無言か。まあ、それでもいいか。死ね」
俺は無数の触手で攻撃をはじめる。
帝級クラスとはいえ、一応神の∞表示ステータスの俺の攻撃は確実に通る。
フレストは何もできずに引き裂かれるはずだった。
「発動、エンペラーギフト、光速の帝国」
フレストがそう言った瞬間、ヤツのスピードが俺の∞ステータスに並ぶ。
完全になめていて、かなりおざなりだった俺の触手の連撃は見事にかわされる。
鑑定が使えないからよくわからないが、まあミグの光速の帝みたいな能力だろうな。
だが、少しは楽しめそうだ。
俺は広角をつり上げる。
「分裂」
俺の体が3つに別れる。
ちなみに不滅の帝の無限分裂ではない。
一応不滅の帝は使ってはいるが、あくまで下位互換だ。
うん、完全になめてるわ。
新たに生まれた、俺の分体2体がフレストに向かう。
え?残った1体は何してるか?
「発動、土星帝」
俺は帝級スキル、土星帝で即席玉座を作り、そこに深く腰掛ける。
うん、完全に二体のキャラクターを使ってゲームやってる感覚だわ。
すると、下がっていたエリスが、俺の前に跪き言う。
「ラグア様、お飲み物と軽食になります」
と言う名のメロンソーダとポテチをエリスが持ってくる。
「おう、気がきくじゃねーか」
俺はポテチをポリポリ食べながら言う。
さて、挑発はしたがどう出る?
俺はメロンソーダを一口飲みながら思った。
〜〜〜
「ふざけんじゃねーぞぉぉぉぉぉ」
フレストは毒づく。
フレストは二対一でも善戦はしていた。
だがあからさまに、なめていますと言っているに等しい、ラグアの全力がこんなものであるはずはない。
つまりほかのエンペラーギフトを出せば出すだけこちらが不利になるのは確実…
ここは本来なら、我慢するのが得策だろう。
だが、さすがにそうも言っていられない。
いくら光速の帝国を使っているとはいえ、さすがに二体一は厳しい。
徐々に押されはじめている。
しかも、時々三体目に注意を払ってみるが、あれはあからさまにこちらの冷静さを欠く、精神攻撃をしてくる。
「エリス、メロンソーダおかわり」
「はっ、ただいまっ」
あれを見てると今すぐにでも全力を出して殺したくなる。
だが、それは相手の思うつぼだ。
フレストは思った。
だが、何も使わないのはそれはそれでこの状況を打破できずに負ける…
ならば…
範囲系の大技で三体目もろとも焼き払う。
もはや味方はほぼ全滅…
なりふり構う必要もないか。
「発動、エンペラーギフト、獄炎の帝国、ヘルハザード」
その瞬間、フレストを中心に地獄の業火が吹き荒れるのだった。




