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第183話宴の案内人


俺は玉座で使者の到着を待つ。

両隣にはフィリアとフィリムが控えている。


「ラグア様、来たみたいですね」


フィリアのそう言った直後、俺達の目の前の空間が裂ける。

中からは1人の男が現れた。


この場では壊滅的な俺の索敵に代わって、索敵を行うのはフィリアの役目である。

そしてそのフィリアの索敵を持ってしても、直前まで感知できなかったのは、空間干渉系もしくは、転移系の能力を持っている事だ。

それが意味するのは確実に目の前の男は王級クラス以上と言う証明だった。


空間より現れた男は俺の前に跪く。


「突然の訪問失礼いたします。私はフィローラ様の忠実なる下僕、ロドスと申します。魔王ラグア・エルライド様。お迎えに上がりました」


鑑定が使えないから正確な強さはわからないが、確実に俺の配下の中だと特別幹部や最高幹部クラスの存在だ。

まあ、俺にとっては雑魚に等しいがこの世界のレベルだとかなりの強者に分類されるだろう。


「お前が使者ってヤツか?待ってたぞ。それでその空間に入ればいいのか?」


俺は開きっぱなしになっている男が入ってきた空間を見ながら言った。


「はい、どうぞこちらへ。フィローラ様がお待ちです」


その言葉で俺は裂けた空間に入っていく。

フィリアとフィリムもあとに続く。



〜〜〜


空間の中に入って行くとそこは豪華な作りの大部屋だった。

中央にある長方形の巨大なテーブルには、所狭しと見たこともない料理が並んでいる。

イグロシアルの料理だろうか?

俺は思った。


巨大なテーブルに釣り合う豪華な椅子に番号がふられており、もっとも上座が1、あとは上座に近い程に2、3、というようになっている。

そして8と番号がふられた椅子、つまり俺の席以外は全ての席が埋まっていた。

それぞれの椅子に座るのは他の九天…

このイグロシアルの頂点である。


ロドスが言う。


「フィローラ様、魔王ラグア・エルライド様とその配下の方をお連れいたしました」


その言葉にもっとも上座に座っていた者がこちらに視線を向ける。

それは黒髪の女だった。

そして前世の日本なら絶世の美女と言える様な存在だった。

俺は女を観察する為にしばし見つめる。

………

やはり神級クラスか。

戦えばこの分体の体じゃ、おそらく負けるだろう。

まあ、本体を出せば勝てるとは思うがそれは今日のところはするつもりはない。

だが、そんな事を考えていた俺に対して言った女の言葉は衝撃的だった。


「お初にお目にかかる。魔王、ラグア・エルライド殿。我はフィローラ・イグロシアル。今日は我の招待に応じてくれた事を嬉しく思う。まあ、客人をいつまでも立たせておく訳にもいかない。そこの空いている席はラグア殿の席だ。座るがいい」


ここまでは何も問題なかった。

俺もそのまま座る。

フィリアとフィリムも俺の席の後ろに控える。

だが、問題は俺が座ったあとの言葉だった。


「それにしても…その姿は…ずいぶんと警戒心の強い方のようだな…」


そうフィローラ・イグロシアルは言ったのだった。

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