第177話モルエデス神国侵略戦
3日経った。
今日から攻撃開始だ。
ちなみにこの3日間何もなかった訳ではない。
近隣の領主の先兵が攻めてきたりはあった。
ただの田舎領主1人簡単に潰せると思ったのだろう。
結果は全てライナー1人で蹴散らした。
あんなザコ共で俺をどうにかできるとか、ずいぶんとナメられたものだ。
まあ、いいや。
約束の3日は経った。
俺はどうでもいいが、3日待ったのは最低限の大義名分の為だ。
事実上のクーデターだが、それでも無差別攻撃で一方的に侵略よりはマシだろう。
まあ、俺はやりっぱなしだからあとの内政とかは知らないけど。
とりあえず敵に降伏の意思はなし。
遠慮なく潰すとしよう。
俺は言う。
「ライナー、近隣の領主を消せ。セリーはここを守れ。さて、残ったメンバーは俺といっしょに神都をやるぞ」
タリスはラグアの今の発言に耳を疑った。
残ったメンバー?
残っているのは自分を含めて3人だけではないか…
だが、コイツらなら…
本当にたった2人で神都を潰しても不思議ではない。
それほどの力を感じた事も紛れも無い事実だ。
〜モルエデス神国、神都、モルエデス神殿〜
九天の1人、序列第8位モルエデス神は祭壇の上に造られた玉座に座っていた。
来る。
感じる。
この世界に圧倒的な危機が迫っている事を…
あれは自分の眷属…
具体的にはモルエデス王では相手にすらならない。
自分が出るしかない。
だが、自分が出て勝てるか?
モルエデス神は考える。
九天クラス、つまりエンペラーギフト以上を持っているものは、下位のギフトを自らの眷属や配下に譲り渡す事ができる。
無論、複数のエンペラーギフトを持つ自分もその1人だ。
だが、あれはさすがに…
異界より突如現れた化け物達…
こちらに向かう警戒すべきは2人…
モルエデス神は迷う。
逃げる訳にはいかない。
だが、勝てる見込みは薄い。
特に片方は他の九天がゴミに思える程の力を感じる。
と言うか力の底が見えない。
あんなのに勝負になる訳がない。
余談だが、アルムスのあった宇宙の最高神がイグロシアルのある、宇宙の最高神にラグア達を押し付ける事ができたのは、イグロシアルのある宇宙の最高神より、アルムスのある最高神の力の方が上だからだ。
世は完全な弱肉強食。
それは最高神同士の間でも変わらない。
和解。
それしか方法はない。
それがモルエデス神の出した結論だった。
その時だ。
突如、神都に光る閃光…
あれはモルエデス王のキングダムギフトの力。
「あのバカは相手の力量も測れないのか…」
そう言ったモルエデス神は頭を抱えるのだった。




