表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1160/1167

after82神星帝争奪戦(裏)8


〜四宙天、ミーラル・イグロシアル支配下、とある宇宙〜


「うわっ!?」


「!?っ、キーマ様?」


その宇宙の最高神キーマは驚きのあまり悲鳴をあげた。

無理もない。

いきなり宇宙に展開していた結界を力づくでぶち破られて、宇宙内部に侵入してきたものがいたのだ。


「…ボクの結界が…侵入者なんて…永天様がお築きになった平和なこの時代に…」


とうの本人の最高神であるキーマはまだ現実が受け入れられずにいる…


それもそうだ。

この宇宙での神同士の戦いで戦力と言えるのは、自分と自分支配下の神が僅かにいる程度…

結界を無理矢理ぶち破ってくるような化け物相手をどうにかできるはずもない。

あげくの果てに、援軍を呼ぼうにも神通が一切使えない。

どうやら、結界を破られた時に同時に遮断されたようだ。


「このままじゃ、ミミ様すら守れずに滅び…」


キーマがラグアの孫であるミミの名を出した時だ。

キーマの背後で今まで静かに座っていた存在は口を開く…


「…騒々しいな。侵入者ごときでガタガタ喚くな。仮にも最高神ならドシッと構えときな?」


「しっ…しかし…分天様、状況はあまりよろしくなく…」


「たしかにな?わっちの神託も使い物にならん…。いい度胸よなー?いや、むしろ驚きよ?まだラグア様に歯向かうゴミ共が存在したなんてな?本体が知ったらどんな反応するんかえ?」


特徴的な話し方をする、黒髪の女…

キーマには分天様と呼ばれた存在は、むしろこの状況を楽しむように言った。


そんな分天の反応にキーマの不安な気持ちは少しだけ和らぐ…




四宙天たちの支配下の宇宙の管理方法はその四宙天によって異なる…

例えばエルミナは、元ラピロア配下の元神柱たちを支配下宇宙中に散らし、四宙天配下宇宙内で最高峰ともいえる警備網を敷いている。

そんな化け物たちが跳梁跋扈している宇宙を落とすのは、至難の業である。


なら、ミーラルはどうか?

ミーラルがエルミナと同じやり方をするには、さすがに戦力が足りない。

だが、平和な時代になったとはいえ、何かの間違いで自分の管理する宇宙が落とされるなど、絶対にあってはならなかった。

そんなことで、現在の主であるラグアに失望されるわけにはいかない。

ミーラルはよくも悪くも貪欲だ。

神らしくないといえば、そうなのかも知れないが、ある意味ではアラウザルゴッドらしいとは言える。

出世?大歓迎である。

より強者の立場に近づくのだから…


話を戻そう。

エルミナと同様のやり方で全ての宇宙を管理するのは不可能。

配下に守らせるにしても、壊滅的に足りない。

質を落とせば数だけは揃えることもできなくはないが、最低王級まで落ちた配下など、プロトクローンと変わらない。

そんなものは使い物になるわけがない。


なら…

独立した思考を持たせた自身の分体を支配下の宇宙中にばら撒く…

本体と意識を共有させると管理しきれないが、この方法なら可能である。

定期的に、本体との連絡を義務付ければ、異常があった宇宙はすぐにわかる。

定期連絡までに、ミーラルの分体が倒される?

仮にもアラウザルゴッドであるミーラルの分体に対し、そんなことができるのは、オリジンゴッドの中でも相当な強者だけである。

具体的には上位ゴッズクローンや、リムリット神衛団の上位クラスが最低条件である。

絶対ではないが、ほぼ0だ。


これがミーラルが宇宙を管理するために導き出した結論である。



「いいわ。わっちが出る…。独立分体とはいえ、わっちはアラウザルゴッド、黒蛇のミーラル…。倒せるなんて甘い考えは粉々に打ち砕いてやんよ?これはむしろチャンスよ。この平和な時代において、ラグア様にわっちの手柄をお見せできる絶好の…」


口元に邪悪な笑みを浮かべながらミーラルは侵入者の迎撃へと向かう…


リアル多忙により次回更新は9月26日となります。

すいませんが、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ