after50神星帝争奪戦32
時は少し遡る…
「そ…それでは…りょ…両者様はじめてください…」
震える声で明らかにおかしな言葉使いになってしまったジェシカだが、それも仕方ないことだろう。
「ゆけっ、テオチューっ!!」
「テオチュー!!」
エリローズ…もとい、サトローズの指示でテオレーム…もとい、テオチューは前に進み出る。
それを見たゴルーダはもはや半ば諦めモードだ。
考えて僅かな可能性があるなら、どうにかすることも考える…
だが、これはもうどうにもならない。
セリー様のような準神話級でも、はっきり言って勝率は皆無だが、まごうことなき神話級の中でも上位に君臨するお二方が相手…
勝つ負けるの問題ではない。
敗北はもはや決定事項だ。
そんな中、サトローズは完全に成り切った口調で口を開く。
「さあ、ポ○モンバトルをはじめようぜっ!!」
ポケ○ンバトル?
意味はわからないが、おそらくは部下に戦わせろということか。
勝敗はもう決している今、エリローズ様の命令に逆らって不興を買うなど馬鹿げている。
ゴルーダは言われた通りに、部下を召喚する。
「ミラリー、出ろ」
「はっ、…って…申し訳ございません…ゴルーダ様、失礼を承知で言わせてください。私に死ねと?」
「………否定はしない。すまんが、命令だ」
「…はっ、仰せのままに…」
ゴルーダの支配下宇宙…最高神ミラリーはそう恭しく跪くとテオチューに相対する。
ミラリーの態度をみればわかるように、ゴルーダは準星帝の中ではそれなりに人望はある方だ。
〜
両者が向かいあってしばらくの時間が流れる…
お互い動く気配がないが、意味はまるで違う。
ミラリーはもはや何をやっても無駄だということがわかっている為…
対するテオチューは、サトローズの指示がなければ攻撃してはいけない決まりになっているからだ。
そう。
ふざけたターン制を忠実に守っているのだ。
「こないのかっ!?なら先手はもらうぜっ!!テオチューっ!!10万ボルトだっ!!」
「概念、雷…ぐあああああっ!?」
恐ろしい概念を神格エネルギーを込めて放とうとした、テオチューにサトローズは左手から黒い塊をぶつけて止める。
超圧縮した消滅の概念に、かなりの量の神格エネルギーを込めたそれは、イグロシアル最高戦力上位勢であるテオレームが悶絶するレベルだが、それを仮にゴルーダやミラリーに放ったとしたら、カスっただけで塵も残さずに消滅する。
つまりは壮絶な舐めプである。
「…違いますよね?そんな、成り損ないのイナゴ相手でも即死させるような概念なんか私は求めていませんよ?わかりますよね?」
「おっ王級…スキル…雷王…」
こうして、なぜか技を放つ方が大ダメージを受けている中、テオチューの10万ボルトがミラリーに炸裂するのだった。
リアル多忙につき、次回更新は30日になります。
申し訳ございませんがご了承ください。




