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閑話カティアとセルナース


ラグア達がソドム、ロロ、ミグ、ミュラ達と乱戦の最中、エルライド王国、王城の一室でカティアは新緑の髪に黄金の瞳の絶世の美女と向かい合っていた。


「カティアさん、こうして姿を見せるのははじめてかしら?はじめまして、私は森神セルナース。一応あなたの担当をやっているわ。制約がなくなって出てこれる様になったけど状況はこれ以上無い程最悪ね。本当は立場上は魔王ラグアと邪神エリローズと戦わなきゃならないけど、あんな化け物共は私にはお手上げ。あなたの好きにしていいわよ?」


はじめて姿を現したセルナースは投げやり気味にそう言った。


「あの、セルナース様、私はどうすれば…。」


「そんなの知らないわよ。あなたがアイツらと戦うって言うなら、一応担当として協力はするけど、アイツらと敵対するのはおすすめしないわ。一応全力であなたが生き残れる様にサポートはするけど、まず無理でしょうね。」


「なら……」


「あら?セルナースじゃないですか。お久しぶりですね。2人でコソコソ相談ですか?」


現れたのは邪悪を体現した様な化け物。

真っ白な外見に真っ赤な瞳。

雰囲気はどことなくラグアに似ているが、纏っている禍々しいオーラと殺気はラグアのそれを凌ぐ。


「エリローズ…。」


セルナースは呟いた。


「はじめまして、カティア様。私は邪神エリローズと申します。」


エリローズはそう言った。

カティアは蒼白な顔をして答える。


「私達はあなた方と敵対する気は…」


「大丈夫ですよ。私はあなたを殺しませんよ。あなたを殺したらラグア様に怒られちゃいますからね。」


エリローズは言った。


カティアは緊張の糸が切れたのか座りこんでしまった。


「さて、セルナース。あなたはどうしますか?あ、ちなみに敵対するにしても今の私に攻撃しても無駄ですよ?これはただの分体で本体はラグア様と一緒にいますから。」


「私はカティアさんのサポートに回るわ。それが転生させた私の責任だし、何より私は自分ができる事とできない事は分かっているつもり。私の主人は最高神様だけど命令が無い限りあなたと敵対するつもりはないわ。」


「まあ、あのガキが死ねって言うに等しい命令をあなたにする事はないとは思いますがね。いいでしょう。セルナース、できれば末永くよろしくお願いします。」


その時、部屋の外で声がした。

ラグア達が帰ってきたようだ。


「あっ、ラグア様達が帰ってきましたよ?では私はこれで。」


エリローズの分体が消える。


残されたカティアは無言で座りこみ、セルナースもまた沈黙する。

エリローズが去った部屋は静寂に包まれるのだった。







次回から本編に戻ります。

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