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第1016話異世界転生した死刑囚


神帝堕ちる…

その報は瞬く間に全宇宙に知れ渡る…


支配に興味がなかったラピロアとは違い、俺はよくも悪くも貪欲だ。


最高神達はこぞって俺の機嫌を伺い、旧ラピロア配下の元神柱達は好戦的な次代の神帝に誕生に躍り、こぞって俺に降らない少数派の最高神を粛清に動いた…


俺が手を出すまでもなく、全宇宙が完全に俺の手中に落ちるのは時間の問題だ。




〜惑星国家イグロシアル、主星、イグロシアル、玉座の間〜


「くくくっ、全宇宙が落ちるのも時間の問題…。さて、お前ら…」


俺は周りを見渡す。

最終決戦前に同盟関係だった連中は一応形式上は新しい配下だが、それ以外は長年苦楽を共にした特別幹部以上の見知った顔ぶれだ。


「俺達の邪魔をする者は皆死んだ…ラピロアじゃねーが、お前らは何を望む?俺の名の下に宣言する。ここは俺とお前らの理想郷であることを…」


俺のその言葉で歓声が響く…

約一名浮かない…いや、無表情で佇む存在を除いて…

俺はその存在に目をやる…


「なあレオン?どう思う?お前たしか昔俺に言ったよな?俺の理想郷が完成したらこの世に神なんかいないだったか?エリスっ!!こいつに教えてやれっ!!」


俺の指名を受けて側に控えていたエリスが一歩前に出る。


「はっ、偉大なる神星帝にして、永遠なる神帝…ラグア・エルライド・イグロシアル様こそが唯一にして絶対の神にあらせられますっ!!」


「………」


レオン・ガルオン…

俺やカティアやシュドレと同期の転生者は悔しさに…いや、信じてたものが打ち砕かれたからか?

絶望の表情を浮かべている。


そうだ。

この顔が好きなんだよ。

俺はニヤリと笑みを浮かべる。


「まあ、今日の俺は機嫌がいい。何せ全宇宙が落ちた祝いの席だ。ゆっくり俺の理想郷を観光してくるといい」


「殺せっ!!儂を殺せっ!!この悪魔めっ!!」


「うっさいなー。みんなで頑張った素敵なお祝いの席に空気読めない人はダメだよ。マリア、ツマミ出して」


「はっ」


リーゼの命令を受けたマリアにリオンは強制的に何処かに転移させられる。

死んではないみたいだが…まあ、どうでもいいか。


「さて、ちょっと話がそれちゃったね。せっかくだからリーゼからも一言言わせてよ。今日はパパがこの世の絶対の神になった歴史的な日だよ。お祝い…なんて言わなくてもみんな嬉しいよね?リオ姉や叔父さんだけじゃない。ここにいるみんなはパパやリーゼにとっても1人1人が大切な家族なんだからさ?」


リーゼはそこで一度言葉を切る。


「さて、全宇宙を支配するパパはもはや神星帝なんて存在じゃない。神帝?それはラピロアの通り名だよ。パパはこれから永遠に神帝として君臨し続ける…。パパの神としての通り名は白天…。永天…ここに永天、ラグア・エルライド・イグロシアルの誕生を宣言する…」


うん、こっちはどうでもよくない。

久々にやりやがった…

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