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気づいたら 鬱 ど真ん中にいました  作者: すずしろ たえ


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抗うつ剤と副作用②

 抗うつ剤を飲み始めて二週間が過ぎた頃から、私は妙な夢を頻繁に見るようになりました。


 その多くが「死」にまつわるものでした。


 例えば。


 夢の中で私は、作家仲間と一緒に因習村に取材に行きました。

 そこには数多くの日本人形が祀られていて、村人(老人)たちから村に伝わる因習について話を聞いていたのですが、次第に何かがおかしいことに気づきます。

 これはちょっとヤバいぞ……そう思って帰ろうとすると「お菓子を食べなさい」と言われ、饅頭を差し出されました。

 しかし直感的に「食べちゃ駄目なやつ!」と思い、作家仲間に「食べないで!!」と伝えたのですが時すでに遅し。

 その人はもう完食していたのです。

 それを見た老婆「黄泉竈喰ひを口にした」と大喜びです。


 黄泉竈喰ひとは、死後の世界で煮炊きした物を食すことで、黄泉の国の者(死者)になることを意味する言葉です。


 このままじゃ作家仲間が死んでしまう!

 もしかしたらあの日本人形には、これまで黄泉竈喰ひを口にした人々の魂が入っており、作家仲間も人形の仲間入りしてしまうのでは?

 なぜかそう直感しました。


 いや、絶対に回避する方法があるはずだ。

 とにかく今はこの村を出よう!!

 そう思い、作家仲間の手を取って逃げ出すのですが、後ろから村人たちが老人とも思えない脚力で「逃げられると思うなよ」と言いながら追いかけてくる――。


 そんな夢だったり。

 ほかにも


 夢の中で台所の掃除をしていた私。

 換気扇周りを拭いていたところ、油汚れとは明らかに違う色の汁が滴っていました。

 よく見るとそれは天井からポタリポタリと落ちてきて、壁まで変色させていたのです。


 なんだ? と思って天井を見たら、そこには大きな穴が空いていました。

 穴からはジットリとした汁で腐食した布団が見え、今にも落ちてきそうです。

 それを見た瞬間、何故か「あぁ、上の階の人が孤独死して腐乱してるんだな」と思いました。

 天井から滴っていたのは、腐乱死体から流れ落ちる死体汁だった――。


 という夢だったり。


 こんなふうに変な夢ばかり見るものだから、おかしいなぁと思って調べてみました。そうしたらですよ。この薬を飲んだ一〜五%未満の人に“異常な夢”という副作用が出ていたということが判明。


 おぉう。一~五%未満に該当しちゃったよ……。


 まぁ夢ですから、実害はありません。

 だけどとにかく寝覚めが悪い。本気で最悪です。


 ――体重増加の件もあるし、次の受診時にはこれも一応報告するか。


 そう決意した私なのでした。

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