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「ちょっと聞きたいんだが」

「なんでしょうか？」

「この世界の人間はやたら傲慢なのは何か訳があるんだろうか？」

「そうですね、色々あるんですが」

　色々あるんかい。

「まず、1番の問題は宗教ですね、この世界の創造神はセルリ神ですが、この教えが世界に蔓延しています、もちろん眷属神とかいたのですが、創造神は絶対です、そして神の教えは全ての人間が聞いている訳ではありません、聖女だったり、教皇だったり1部の人間が聞き人々に教えます、それは湾曲して伝わります、そして神の教えに反しなければ何をしても大丈夫と捉える人がいるのですよ、これは地球でも同じです、日本では考えられませんが、国によっては1柱の神を崇拝し、暴虐を尽くす、これは分かりますよね？」

「ああ、分かる」

「日本は神のモデルケースと言いますか、八百万の神が居ます、なので柔軟な思考ができるのですよ、天照大神がトップとなっていますが、天照大神に傾注してないのですよ、ある者は月詠を信仰したり、またある者は弁天を信仰したりと、そしてそんな神の言葉も完全に理解してる訳ではありません、何処かしらで湾曲して伝わります、ただ1柱に傾注してないので、あちらの神はこう言っていたと教え、そんな考えもあるのかと聞き入れるのです、それがこの世界では出来てません、言うなれば地球でも起こっている1柱の神の教えが伝わり他者を迫害したりするのです、もう難しいですが、数多の神を作り、別の教えを広げていけば柔軟な思考になるかもしれません、例えば1つの国に糧は分け与えるものと教える神を作り広げていきます、それが次の国ではまた違った解釈で伝わり、あの国に行けば暮らしに困らないとなります、そして与えるだけ、そんな事をすれば国は滅びます、しかし伝聞は広がりこんな神も居ると伝わります、そして例えば別の国では、隣人を大切にせよと伝えます、そして糧を与えると複合し近隣の人には分け与える、共有すると解釈が変わって伝わっていくのです、神は人からも生まれると言うのか本物の神ではありませんが神となる事はできます、日本で言えば織田信長や藤原道長ですね、この世界でメルティーナが覇道を進み死後称えられ戦神となったとします、そして戦の教えをしてなくても伝わります、それは本当に彼女の考えなのか？彼女は本来戦いより領地でゆっくり過ごしたいと考えていても、その教えは伝わっていきます、そうやって独り歩きしていくのです」

「なるほど、ならこの世界は何か変えるきっかけがないと変わらないと言う事か」

「そうなりますね」

「この世界は1柱で全て決めてしまったからこの様になってしまったのか、これを変えるには長い年月が必要そうだな、しかしセルリ神は去り俺が新たな神となったのは1部の者は知っている、それならこの先多少は変わっていくのか？」

「いや既に変わっていますよ、貴方はセルリ神の様に優しく無いと既に話してますよね、セルリ神が優しかったので傲慢になったのです、そして貴方は傲慢な人間やエルフ、それこそ精霊すらも恐怖を植え付けました、それはまた広がります、今ハイエルフは精霊から恐怖を教えられ、引きこもるのを止めようとしています、貴方は必要無いなら切り捨てるつもりですよね？それが精霊を通して伝わってます、まぁハイエルフは寿命のせいもあり行動するのに凄まじい時間を必要としますが、神の役に立つよう動こうとしています、エルフは恐怖を植え付けられ、自分らが神の使徒だとの考えを改めてダンジョンに向かおうとしてますし、少しづつ変わってはいますよ」

「そうなのか、ハイエルフが動くのにどれぐらいかかるのか？」

「軽く数十年は必要かと下手したら100年単位ですね」

「そうかならばハイエルフはほっとくか」

「それにドワーフは新たな技術革新をはじめました、ドワーフは神が釣りを好きな神だと認識しています、なので今後信仰するにあたり釣りに関するお供えとかするかもしれません、海神(わだつみ)だって海の神と言われ魚介を奉納されますが、実際は肉も食べますし、酒も飲みます、そんなものですよ、私も山の神と言われてますが、海だって好きですよ」

「あーそうか言われてみればそうだな、ちなみに天照大神はなにが好きなのだ？」

「天照大神は米、酒ですね、穀物全般が好きです、もちろん肉も食べますし、魚も食べます、しかし今まで言ったのは楽しむため、1人で社(やしろ)に篭ってたべる訳ではありません、色々な神と宴会するのが好きだったり、実際食べる必要ありませんし、なので変わった神だと塩を食べる神や灰を食べる神もいます、あのジャリジャリ感や苦味、エグ味が好きなんだとか、でも神は酒が好きなのは多いですね、やはり何らかの刺激が無いと楽しめませんからね」

「確かに俺もこの世界に来て飯は食べてない、楽しむためにギルドで作らせる事にしたが、本来は必要無いものだからな、信仰心か、まぁ俺が暴れ回れば多少は変わるか？」

「そうですね、古来の日本の飢饉や疫病とかも神のした事ですからね、それにより変わる事はありますよ」

「そうなのか？」

「不思議に思った事はありませんか？飢饉で雨が降らない、現在の日本でそこまで何ヶ月も雨が振らない事はありますか？、そして日本は数多の川が流れ、その川が全て干上がった話など聞きますか？土を掘れば水も湧きます、暑い時期は湿気が多いので考えれば露は取れます、何かの力が働かなければ起こらない事なんですよ、そんな事を起こして数多の人が亡くなりますが、学ばせ人を導くのです、なので貴方のやり方は間違いではありませんよ、何もしなければ停滞しますから、壊すのも結構、人はそうして学んで行きますので」

「わかった」