第10話 二人目
「この度ルイシャ様に仕えさせていただくことになりましたアイリスです。どうぞよろしくお願いいたします」
朝のHR前に急に教室の前に出てきたアイリスはクラスメイトたちにむかいそう言い放った。
なんか既視感のある光景だ。と思いながらもクラスメイトたちは面をくらう。
肝心のアイリスはというと慌てるクラスメイト達を尻目に涼しい顔をしている。
それを見たバーンは喧嘩してすっかり仲が良くなったヴォルフに耳打ちする。
「おいどうなってんだよヴォルフ。お前知らねえのか?」
「俺様も知らねえよ。まあ大将に心酔する気持ちはわからんでもないがな。あの女、どうやら見る目は確かなようだな」
「はあ、ダメだこりゃ」
各々驚くクラスメートたちだったが最も大きなリアクションをとったのはルイシャの彼女であるシャロだった。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!! ルイシャに仕えるだなんてそんなの私が許さないわ」
そう異を唱えたのはもちろんシャロだ。
シャロはキッとルイシャを睨み付ける。ルイシャはまだシャロにアイリスのことを話していなかったのだ。
いや話せなかったという方が正しいか。
「あ、あの、なんか、ごめん」
「ごめんじゃないわよ! 私という可愛い彼女がいながらメイドを侍らすなんていい度胸してるわね!」
「返す言葉もございません……」
シャロに責められしょんぼりとするルイシャ。
するとそれを見たアイリスがルイシャをぽふっ、と自分の胸にうずめ抱きしめる。
「ああ可哀想なご主人様。よしよし、あんな脳筋勇者の言うことなんか聞かなくていいですよー」
それを見たシャロは顔を真っ赤にしブチ切れる。
「へえええぇぇぇ、そう。いいわよ、そんなに喧嘩したいなら受けてやろうじゃないの!!」
シャロが顔面目掛けて手袋を投げつけると、アイリスはそれを涼しい顔をしてキャッチする。
「ふふ、そちらから挑んでいただけるとは好都合です。私もあなたには思うところがありますからね」
「何を訳のわからないことをごちゃごちゃと。いいから外出なさい!」
「ふ、二人ともやめてよ!」
「ルイは黙ってて!!」
「ご主人様は黙ってて下さい!!」
「ひえっ……!」
こうして三人はやいやい言いながら外に出て行った。
それを見送る男子達は震え上がってた。
「うわぁ、おっかねえ奴らだ。大将が不憫でならねえぜ」
「全くだぜ。落ち着いて授業も受けれねえのか」
そうぼやくヴォルフとバーンにチシャは「いや君たちも同じようなもんでしょ……」と突っ込むのであった。





