第15話 謝罪
激闘を終えた日の夜。
城の客室で睡眠を取り、疲れを少しだけ癒やしたルイシャは、再び難しい戦いに身を投じていた。
「あの、シャロ?」
「つーん」
ルイシャは話しかけるが、椅子に座っているシャロはわざとらしく視線を逸らし、それを無視している。
少し前にルイシャの部屋にやってきたシャロであったが、彼女は椅子に座ったっきりずっとこの調子であった。
どうしたらいいんだろう……と、ルイシャは困っていた。
「シャロ、ごめんね。謝るから機嫌を直してよ」
「嫌っ。私を無理やり帰した人の言うことなんて聞かないっ」
シャロはぷいっとそっぽを向く。
彼女がもうそのことについて真剣に怒っているわけじゃないことくらい、ルイシャも分かっている。
シャロはルイシャがなぜそんなことをしたのかは分かってるし、無事帰ってきてくれたからもう怒ってはいない。
でも彼女はこのままなあなあでそのことが流されてしまうのが嫌だったのだ。
ちゃんと逃げずに話さないと駄目だ。
そう理解したルイシャは真剣な表情をすると、椅子に座るシャロを、後ろから抱きしめる。
「ごめんねシャロ。でも僕はそれだけシャロのことが大切で大好きなんだ。君のためなら死んでもいいって思うくらい、本当に愛している」
ルイシャは真剣にそう言うが、シャロの返事はない。
聞こえてなかったのかなと思うルイシャであったが、よく見るとシャロの耳は真っ赤に染まっていた。どうやらちゃんと聞こえていたみたいだ。
しばらくの沈黙の後、シャロは口を開く。
「ほ、ほんとかしら。そんなの簡単には信じられないっ」
「本当だよ。どうしたら信じてくれる?」
「言葉で言っても分かんない。行動で教えて」
シャロは振り返りルイシャを見ながらそう言うと、目を閉じて唇をツンと前に突き出す。
その行動の意味を理解したルイシャは、彼女のやわらかい髪をふわりと持ち上げながら、唇をゆっくりと重ねる。
「ん……っ」
シャロの口から漏れる、甘い声。
ルイシャはそのまま押し倒してしまいたい衝動に駆られるが、ぐっとそれを我慢する。
しばらくの間、唇を重ね合った二人は、名残惜しそうにゆっくりとそれを離す。
「どう? 信じてもらえた?」
「……まだ。まだわかんない」
シャロはそう言って立ち上がると、はらりと服を脱ぎ下着姿になる。
窓から射す月明かりが彼女の肢体を美しく照らし、それを見たルイシャは息を飲みその姿に見入ってしまう。
「わかんないから……教えて。私が誰のものなのか。忘れられなくなるくらいに」
「分かった。全部伝えるよ。僕がどれだけシャロのことが好きなのかを」
ルイシャはそう言うと彼女を押し倒し、夜が明けるまで彼女に愛を伝え続けるのだった。





