私の可愛い妹
「()」は刹那のわからない言語で喋られていると思って下さい
白いスーツだってことはわかった。
そこらへんにいるキャッチセールスの人よりも高価なのも、見ただけでわかる。
「ごめんなさい」
頭を下げ、スカートのポケットからハンカチを取り出して、シミにならないようポンポンと軽く叩きながら、ジュースを取り除いていく。
「(君の名前は)」
頭の上でなにか言われた。
俺に向かって言っているのか?
顔を上げてみると、こんがりと焼けた茶色の肌が一番最初に目に入ってきて、今度は薄い緑色の瞳。
髪の毛は日本人のように黒くて、男の俺から見てもイケメンで、一瞬で負けを確信してしまうほどの顔立ちをしていた。
隣にいる黒人の禿頭は、サングラスを掛けて威圧的に俺を見てくるので、萎縮もしちゃうわけです。
「(名乗れといっている)」
今度は黒人の方がなにか言っているようだけど、英語、フランス語ならわかるけど、さすがにそれ以外の言語はわからない。
「えっと……うんと……アイムソーリー。ヒゲソーリー」
立ち去ろう。今すぐここから逃げないと俺の知的キャラが崩壊し、全世界に衝撃が訪れる。と言っておくとノストラダムスの大予言よりも現実味を増すと思う。
タイタニック号が沈没するぐらいの悲しみが訪れる。
これはちょっと言い過ぎたと反省。
比較的、綺麗にジュースを拭き取れたので、逃げるようにもう1度、頭を下げて、雛の下へ向かうとしよう。
一歩踏み出した途端、手首を掴まれ引き戻される。
黒人さんの手はとても大きく、振り解こうとしても無駄なのは一目瞭然。
「手を離してもらえますか?」
どこの言語かもわかっていないのに日本語で「離して」と言って、聞き入れてくれるはずもない。
周りの人は雛と父親に集まっているから、誰もヘルプに来てくれる様子ないし。
「(彼女を部屋まで運んでくれるか)」
イケメンがなにやら黒人さんに指示を出したようで、掴んでいた手を手繰り寄せて、そのまま肩に担ぎ上げられてしまう。
「ちょ!?」
まるでお人形を相手にするように軽々しく持ち上げられた。
こっちが驚きを示したのに対し、イケメンはなぜか笑顔でこちらを見てくる。この状況……なんかマズイ気がするな。
「降ろして下さい!」
ドスドスと背中を蹴り、胸板をペチペチ叩くが完全にダメージは与えられていない。
「(行くぞ)」
イケメンが動き出すと黒人さんも付いていく。それはいいけど降ろしてよー……。
抵抗しても無駄なので、お尻に手を置いてパンツだけは見えないようにガードはしておく。どんどんダメな方向に向かっていると思う。男として。
担がれたまま会場を抜け出す俺は手に持ったプレゼントが無事か見てみるけど、潰れたりはしていないから大丈夫と一安心。
それにしてもどこに連れて行かれるのか心配だ。
ホテルの外に連れ去られて、身代金を要求されるとかはないよな?
自慢じゃないけど、父さんは五流企業の係長という、年収400万にも届かない存在で、母さんがパートに出ないと生活できないんだから1000万円とか言われても出せないんだからね。
ツンデレ風に言っても通じないんだから、せめて心の中だけでも言いたかったので、言ってみた。なぜか虚しく感じるけど強く生きていきたいと思います。
さて、エレベーターに乗り、黒人さんがボタンを押すと上へと動く。
どこに連れていかれるんだろう。会場より上ってレストランがあるのは案内に書いてあったけど、他になにかあったかな。
拉致。違う言い方をすれば誘拐されている状況で、ここまで冷静にどうでもいい事を考えられる俺って、平和ボケし過ぎじゃないかと。
ガラス張りの廊下からは都会の街がイルミネーションになって、眺めは最高に良い。
あぁ、担がれてなかったら、ゆっくりと眺めていたのに。
そして、連れて来られた場所はというとね。VIP ROOM!
ドアを開けた瞬間に広がる俺の家よりデカイ空間!
ワインが所狭しと並ぶワインクーラーに、高級感漂う冷蔵庫が備わっている。
わぁ……。
こんな場所に拉致されるなんてー。
幸せなワケないだろうがぁああああああああ!!
「ちょっと、降ろして! 離して! プレゼント潰れないようにどこか置かせてぇええええ!」
ドシドシって音が鳴るほど叩くけど、黒人さんはなにも気にした様子はなく、子供がお父さんにする肩たたき程度にしか思っていないようだ。
「(ベッドに降ろせ)」
黒人さんに指示を出したようで、ダブルの馬鹿でかいベッドの前に来て……投げ捨てるように降ろされた。
もちろん雛のプレゼントも一緒に落ちたので、ベッドの上とはいえ、中身が大丈夫なのかどうか。
急いで確認しようと紙袋に手を伸ばすが、イケメンが俺の右の手首を掴んで、顔を近づけてくるから鳥肌がブワっと全身に広がってしまった。
頭の上に紙袋を置いて、空いている左手でイケメンの顔を押しのける。
「俺にそんな趣味はないよ!」
BLは漫画か小説の中でお願いします!?
掘るのも掘られるのも、攻めも受けもどっちも嫌だからねっ!
だから、なんで俺はツンデレになってんだよ。
カチャリ。
「へっ?」
ベッドの飾りにドーム型のアーチが鉄柵で作られていて、支柱の役割を果たしている鉄の棒に手首を通されて手錠を付けられた。
完全にSMな展開なワケですけど、僕……男の子なんです。男の娘じゃないんです。BL趣味でもないんです。どちらかと言えばMですけど、優しく目隠しプレイがお好みなんです。
「(君はもう僕のモノだ)」
理解不能な言語だから、かっこいい事を言っているんだろうけど、俺にはゲス顔でゲヘゲヘ言ってる変態でしかないんですよね。残念だけど言葉が通じないと、どうにもならないと自覚してください。
特に俺!
「やめて! 近づかないで! 来ないでぇえええええ」
どんどん、イケメンの顔が近づいてくる。
鼻息荒いよぉ……。
ゲヘゲヘ聞こえてくるよぉ……。
黒人さんが、こっちを見てニヤついてるよぉ……。
「助けてぇえええええええええええええ」
ドンドンドン。
突如として、入り口のドアがポルターガイストでも起きているかのように、大きな音が室内に響き渡る。
「お姉さま! 幸菜お姉さま!?」
「雛!」
ドアの向こうに雛がいる!
神は俺を見捨てなかったということか。
「(鍵を開けてやれ)」
目と鼻の先にあったイケメンの唇が遠ざり、部屋の中央に備え付けられているテーブルへと移動。
雛が来たことで興ざめしたようで、さっきのゲス顔から不機嫌を隠すこともせず、眉間にしわを寄せて椅子に座る。
黒人さんが鍵を開けると、バタンっと此花の生徒にあるまじき勢いでドアが開いた。
最初に雛が入ってきて、楓お姉さま、なぎさ、凛ちゃんと登場して、最後にメイドの白鳥さんが満面の笑みを浮かべて入ってくる。
「ひなぁ……」
ガチャガチャと手錠と鉄柵が擦れあう。
貞操を守れたことに。そして、喧嘩中だった雛が助けに来てくれたことが嬉しくて涙が出そうになった。
「受けなのね」
「受けだね」
「受けね」
「受けでございましたか」
雛以外の野次馬は全会一致で『受け』認定。
雛は俺の傍にやってきて「そちらのご趣味なのですか!」と、拘束プレイを言っているのか、同性愛について言っているのか。
「どっちも趣味じゃないよ!」
「また違った趣味を持っているのね」
「だって、幸菜なのに正常な趣味は持ってないよね」
外野……ちょっと黙ってくれないかな。
あなた達のおかげで可愛い義妹が、変な方向に走っちゃってるんだよ。
「そうなのですか! やっぱり鞭が必要なのですね。凛ちゃんが言っていました「男性は鞭で叩かれるのが好きみたいよ」って。お姉さまも……」
「雛! これを使っていいわよ」
どこから取り出したのかわからないけど、凛ちゃんの手にはSM嬢が持っているような、靭やかにうねる鞭が握られていて、それが雛の手へと渡る。
ちょっとこれ……洒落にならない状況だよな?
疑問形にしなくても最悪の状況に間違いない。
それもこれも楓お姉さまのせいだ。
純粋で汚れのない透明なガラス球のように綺麗な心を持った子だったのに。
いつの間にか、鞭を振りかざすまでに成長してしまった。
お兄さんわぁああああああああああ!
って、振り下ろさないで!
「当たる!! 当たったら痛いからヤメて? ね? 雛はいい子だよね?」
ブォンっと風切音がして、羽毛布団が弾けてニワトリの羽が天井に向かって噴火。ニワトリの羽かは定かではないけど。
溶岩じゃなかっただけよかったけど、開いた口が塞がらない。
「あら、惜しい」
惜しくないよ。こっちはお○っこちびりそうだよ!
「とりあえず落ち着こう。はい。雛は一度、深呼吸」
手錠を掛けられた女装男子が、精一杯、冷静に場を沈めようとするこの光景。なかなかレア度高いと思います。
この場を押さえ込んだのは、楓お姉さまではなく白鳥さんだった。
あれよあれよとイケメンから手錠の鍵を拝借して、拘束状態から開放され、興奮状態も1ランクダウン。
そして、軽くパンと手を叩くとメイドさんがあっちからこっちからとやってきて、散らかった部屋を瞬時に元通りにし、笑顔にっこりさようならぁ~。
現在は別室にて、いつものメンバープラス白鳥さんで紅茶とコーヒーを嗜みながら、先ほどの経緯を説明をした後である。
自分の不注意からの出来事。
今後は気をつけて行動するように努めよう。
「それにしても面白かったわ」
「そうですね。ウィジャ君の青ざめた表情を見ることになるとは思いもしませんでした」
楓お姉さまと白鳥さんの2人だけでクスクス笑っている。なぎさと俺は当然として、凛ちゃんと雛もイケメンの言語がわからないのである。
凛ちゃんは5ヶ国語。雛は4ヶ国語もわかるのに対して、高等部の2人と来たら、学院での授業で教わる3ヶ国語しかわからないって……情けない。
「でも、どうして私の居場所がわかったの?」
「それはお母さまが教えてくれたのです」
「会場にいたの? きちんと挨拶してないから挨拶したいんだけど」
と、普通のことを口にした途端、全員から可哀想な視線を浴びせられた。
なんですか。この「空気嫁」的な威圧感。
「それはそれはご丁寧に。母の長嶺白鳥でございます」
「えっ……」
雛は頬を赤く染め、楓お姉さまは優雅に紅茶を1口。
なぎさと凛ちゃんはクスクスと笑っている。
メイド服を着用しているのがお母さん?
「お母さまのご趣味なのです」
コスプレが?
だったら、メイドさんも良いけど、身長も高いし、ボディラインが強調されるコスチューム、レースクイーンとかレオタードなんかも似合うと思うけどなぁ。
人妻。しかも義妹の母親になんて妄想してるんだよ。
「また、平民が変な妄想始めたわよ」
「変なとは失礼な! お母さまに合う、最善で最良なコスチュームを……。失礼しました。改めまして立花幸菜です」
「あらあら、そちらのお名前とは失礼ではございません?」
あれ? 俺の本性を知っていらっしゃる。
隣に座っている雛の頭を撫でる白鳥さん。
「この子から聞いております。電話でいつも幸菜様が……と、耳にタコが出来るぐらいに」
ふふふ。と笑うお母さまとは対照的に「言い過ぎなのです」と恥ずかしがる雛。2人のこの光景は疑いようのない家族との触れ合いの一環。
「わたくし、それに夫である朱雀は世界各地を転々とする毎日。小さな娘を連れ回すのも可愛そうでしょう。それで学院の方へ入れたのですけど、少し前に元気がなかったので、転校なども考えました。が、この子、お姉さまが出来たと大喜びで」
なんだかむず痒いなぁ。
いつも雛にはお世話されている立場なのに。
「ありがとうございます。刹那さん」
「やめてください。私……俺の方こそお世話になっていますし、こうして此花に居られるのも雛のおかげです。それに俺が雛のお姉さまでいいのか。と、よく考えます」
「雛はお姉さまだからお仕えしているのです!」
今日の主役である雛が声を上げる。
「ありがとう。本当に。だって、雛のお姉さまだもの。義妹がこんなにしっかり者だと、お姉さまの私も頑張らないといけない。そうやってお互い、成長していけるのは良いことだと思っていますし、これからもお姉さまと言われるように頑張りたいです」
「お姉さま……」
うるうると目頭に涙を溜める雛の横顔を見やり、微笑みかける。
手に持っている紙袋。
中身はネコのシルエットが描かれているティーカップ。割れ物だから厳重に包まれているけど、中身が心配だ。
クシャクシャになってしまった紙袋を、いつ渡そうかとタイミングを見計らうけど、どうも今じゃない気がして渡せない。
「はいはい。平民と雛の仲直りが済んだところで……はい。おめでとう」
凛ちゃんは背中からドラちゃんもびっくりに、チェックの包装用紙に包まれたプレゼントを取り出して、雛に差し出す。
それに続いて、楓お姉さま、なぎさとプレゼントを渡しては「ありがとうございます」と受け取って、中身を開封していくのである。
凛ちゃんは聞いていた通りにブランドモノの財布。
楓お姉さまはピンク色の女の子らしい化粧ポーチ。それにひと通りのお化粧道具も揃えられていた。
なぎさはネタに走るだろうと思っていたけど、普通にパジャマをチョイス。しかも可愛いし。
みんなが渡してしまって、残るは俺だけ。
「みんなみたいに気の利いたモノでもないし、高いモノでもないから気に入らなかったら捨ててね」
そんなことないのです。っと嬉しそうに受け取ってくれて、中身を開封。安物だからあまり喜んでくれないだろうと恐る恐る、雛の顔色を窺う。
ポワァっと花が咲いたような笑顔でティーカップを持ち、誰のときよりも大きな声で「ありがとうございます」
そう言ってもらえたのが嬉しくて、俺まで顔を真赤にしてしまう。
「一応、6つ同じモノを用意したから、いつでも遊びに来てね。凛ちゃん」
いきなり振られて、しどろもどろながら「そうね。仕事も落ち着いて来たし、今度遊びにいくわ」なんて、今度は凛ちゃんが頬を赤く染め上げた。
「そして! もう1つプレゼントがあるの」
そう。サプライズとして用意したとっておき。
「まだあるのですか!」
嬉しそうにまだかまだかとウキウキした気持ちが体にまで浸透しているようで、肩が上下しているのが確認出来てしまう。
ここまで期待されても困るのだが、スマホを取り出し、テレビに出力するケーブルを繋ぐ。
60インチほどのテレビだから、画質的にどうだろうと思ったけど、気にしても仕方ないのでテレビの性能に任せることにした。
スマホを操作して、動画を再生させる。
「雛、もしかしたら凛も一緒かな」
モニターに映し出されたのは未来ちゃん。
あの後、続きの動画ってことになる。
「お誕生日おめでとう。そしてゴメンナサイ」
賑やかだった室内が沈静に包まれる。聞こえてくるのは未来ちゃんの音声だけ。
「雛には謝っても許されることがないほどのことをしたと思ってます。本当にゴメンナサイ。謝りを口にしないまま学院を出て、罪悪感でいっぱいで」
「あぁー。私も向こういっちゃいます」
そう言って彩智ちゃんは未来ちゃんの横に立ち、肩に手を回す。
「はい。雛さん。凛さん。こんにちは! 彩智って言います。未来がネガティブなので、私が代弁したいと思います。えっとね、私達は此花を特待生で受験するの。ホントは内緒にしておこうと思っていたみたいだけど、サプライズだから言っちゃいまーす! だから、未来が此花に戻ったらよろしくね。あ、私も頑張るからよろしく!」
「来年は一緒に祝ってあげるから! お誕生日」
「「おめでとう!」」
雛の手が俺の手を握っていた。
うるうるとかの擬音はもう必要なく、涙として流れ落ちている。
「ありがとう……なのです」
「私もごめんね。雛に秘密にしたくて喧嘩しちゃったけど」
俺の胸に雛の顔が押し付けられる。よしよし。と頭を軽く撫でてあげる俺。
映画のようなワンシーンを演じている優越感。
みんなも「よくやった」と褒めてくれているような眼差しを向けてくれる。
頑張った甲斐があったと自分で自分を褒めてあげた。
だが、しっかりとオチは待っているのがお約束の世界。
「さぁ、幸菜さん。私達だけを濡れさせるのは卑怯ですので」
「今度は私達からの仕返しです」
キャハハ……。
そこでムービーは終わってしまうのである。
空気が凍りつく。という言葉が今の状態に当てはまるのは気のせいだろう。そう思いたい。
「そうなのですよね。雛よりも未来ちゃんのほうが可愛いですよね。お姉さまなんて大っ嫌いなのです!!」
雛はみんなのプレゼントの入った袋を取ると部屋を出て行ってしまう。
「あなたってホントにオチ付けるわよね」
「幸菜らしいっちゃらしいけどね」
「あんたはいつになったら学習するのよ」
「雛子は隣のお部屋ですので、行ってあげてください」
楓お姉さま、なぎさ、凛ちゃんは呆れており、白鳥さんだけは「任せましたよ」と微笑んでいた。
「わかりました」っと、反省しながら部屋を出て、雛のいる隣の部屋へと向かう。
ノックをしても返事がないので「入るね」と声を掛けてからノブを回すとすんなりとドアが開いた。
ベッドに倒れている雛を見つけて、ベッドに座る。
サラッサラの髪の毛を撫で
「あの後はなにもなかったんだよ。水遊びしてて濡れただけでなにもなかったから……ね。機嫌直してよ」
それでも雛はこっちを見てくれない。
どうしたものかな。
俺もベッドに横になった。
すると、雛の手が俺の体に回される。
「ひ、雛!」
「もう1つだけ、プレゼントもらってもいいですか?」
上目遣いで言ってくるのは卑怯だ。だけど、今日は雛の誕生日。わがままを言って良い日なのだから「私に出来ることなら」と、答える。
「このまま一緒に寝てください。今日だけは雛だけのお姉さまでいてくださいなのです」
「うん。わかった」
それで落ち着いたのか、子供をあやすように撫でてあげると、すぐに可愛らしい寝息が聞こえてきた。
カチャっとドアが開く音がして、振り返ると白鳥さんが入ってきて、すぐ隣にまでやってくる。
「この子、昨日はお姉さまと喧嘩してしまったと言って、それを気にしてあまり眠れていないんですよ」
うふふ。と、娘の寝顔を優しい眼差しで見やると
「明日には私と朱雀はまた海外へ出ます。この子のこと、お願いしてもいいでしょうか」
そんなの白鳥さんに言われなくても
「はい。可愛い妹ですから」
決っているよ。
お誕生日おめでとう。雛は俺の可愛い妹だよ。




