殺人鬼ピジョンブラッド
糸を繰るのに力はいらない。
使うのは、糸の強度と相手の速度、それから角度だ。
相手の動きに合わせて、指先に力を入れて糸をぴしりと張る。指の力を抜いて、糸をたらんと緩めて絡める。一本の指を使った二通りの動きが基本となる。これは三歳児程度の力があれば十分だ。
準備なしに『今から三歳児と腕相撲する』と言われて、勝利を確信することができないような。力もなければ技もない、ないないずくしの僕のような人間には最適の武器だ。
何より優れているのは、相手は、自分の力でもって自分自身を傷つけることになるという点にある。
僕はただー、偶然そこに糸を張っていただけでー、相手がなんか知らないけど勝手に傷ついて僕は悪くないー、という理論武装による自己弁護がしやすい。
最高の特性だと思った。
「かひゅっ……、かっ、……かひゅっ……」
それにしても困ったな……。
耳は聞こえないようだから、身振りでも、無駄な抵抗はやめた方がいいって伝えたつもりだったんだけど。
全身からでたらめな方向に羽根を生やした、少し小柄な人影は、口から隙間風のようにか細い吐息を漏らしながらも自分を傷つけることをやめない。
この糸は、植物の根のように水分をよく吸う。とりわけ絡みついた相手の生き血が大好きだ。
なので、動くと糸が深く食い込んで肉や骨を裂いて血を啜っていく。
まあ、これはぜんぜん自傷行為なわけで、僕の潔白性無罪性は高い。僕は悪くない。悪いのは無駄に抵抗する相手だ。
通り魔がすごい勢いで傷ついていく。僕はそのたびに、無辜・無実・無罪からなる三無主義理論武装を頭の中で組み上げていった。
根本から落とした羽毛まみれの腕。身体から離れてなお、握られていた手は武器を離そうとしていない。
子どもの背丈と同じくらいある、大きな鉈だ。どうも手入れという概念が存在しないようで、その刃は血を吸い、赤黒く変色していた。
そして傷口からは、朱色に染まった羽根が地面にぼたぼたとこぼれ落ちている。
犠牲者たちの体を埋めていたものだろう。
大量の鳥の羽根を出すことができ、多数の人間の血を吸っている武器を所持しており、いま僕を殺そうと切りかかってきた。
ここまでくれば、あんたが犯人だと断言してもバチは当たらないだろう。
まあ、腕を刎ね飛ばしたわけだし。『人違いでした』じゃ済まされないけどさ。
《適応》の進んだ肉体は、自然治癒力がバカみたいに高くて完全に肉体から離れない限りはすぐに回復する。
抵抗をやめないとなると、肢体を糸で吊されながら無限に血にまみれた羽根を周囲にまき散らす謎のオブジェとなってしまうことになる。
羽根の混じった血が──量的には、血の混じった羽根が──まき散らされる光景を見て。
僕は、汚いなって思った。
……とはいえもちろん、僕は善良さと誠実さが服を着て歩いていると自称する存在だ。できればこんなものを使いたくなかった。暴力は振るうのも振るわれるのも嫌だ。
ただ、どちらかと言えば振るわれる方がより嫌なので、先手必勝……じゃなかった、こういった正当防衛をすることにした。
そして、この武器にはさまざまな欠陥がある。
僕は痛いのと怖いのは嫌いなのに、罠にハメるためにはその恐怖に身を晒さなければならない。
糸を張るまでに、ひどく時間がかかるのも問題だ。夕焼け空を見ながら準備してたら、こんな真っ暗になってしまった。
──その上何よりの欠陥は、掃除はそんな準備以上に大変なのだ……!
何時間もかけてこの辺りに張った糸巣を、それ以上の時間をかけて回収することを考えると今からもう憂鬱でしょうがない……!!
更に、十分気をつけないと僕の指が飛ぶというのも見逃せない。
つまりつまるところ、問題だらけの欠陥品である。
できるかできないかでいえばできることであり、市街に罠を張るならこれだ、と思いついてしまった以上、今回はやってみたけど。
やはり、間違っても普段使いはできない代物だった。
「さて。というわけで、もうあなたの勝利条件は達成できないと思うんです。それなら、ここは無駄に苦しむ時間を増やすよりも、いったん落ち着いて、どうにか司法の場で有利に立ち回れるかを考えるべきじゃないですかね?」
僕はもう、あなたのことなんて思考の片隅の、ほんの先の方にしか置いていない。無駄だからやめましょう?
……僕の声は、やっぱり相手に届かない。闇に紛れて犯行を繰り返してたってことは、ある程度の知性もあるだろうに?
ぎりぎりと、糸が異形の殺人鬼を締め上げている。
僕はもう、指先に繋げた糸を解いていた。指を長時間同じ形で固定するのは大変だ。僕が指をちょっと揺らしてしまうだけで、相手の胴体はそのまま輪切りになる。
こうして縛って動けなくしている以上、無意味に傷つける必要はないし、別にそういう趣味もない。
……やたらと動き続ける限り、蜘蛛糸は獲物を苛むのをやめないんだけどね。ほんと、悪いことは言わないから止まった方がいい。
声は聞こえなくても、いい加減学習してくれないか。僕には、あんたを必要以上に痛めつける意図はない。
僕に罪を罰させようとするな。
「かっ……、かっ……」
……それでも、全身からめちゃくちゃな方向に羽根を生やした異形は、傷口からこぼれる羽根を増やすのをやめない。
全身の肉を削がれても悲鳴を上げないのは、意志が強いから……ってわけじゃないだろう。
どうもその白い喉の内側には、なぜか何本もの羽根が生えてしまっているようで、外からでも、羽毛が咽頭を圧迫してるシルエットが浮かんでいた。
多分これのせいで物理的に声が上げられないんだろう。夜遅いから配慮したのかな? 顔に似合わぬ気配り上手だ。まあ顔もでたらめな方向に生えた羽根で覆われてて見えないんだけど。
「この濃厚な血の臭い……、キフィナスくんっ! 無事かっ!?」
ん? アネットさん?
糸を張り巡らせている最中、3回糸に絡まった人型毛糸玉のアネットさんには、少し離れた場所で待機してもらっていた。
僕はその時抱いた感情を、優しく、控えめに、かつ遠回しに『ふざけてるんですか邪魔ですよ』という言葉で表現した。その結果アネットさんを現場から離すことに成功したのだ。ちょっと涙目だった。
それなのに、物音と血の臭いで、アネットさんが僕が待機してた場所に駆け寄って──あっ。
「う、うわあああ引っかかったあ゛あ! キフィナスくーん! キフィナスくーーーーん゛!! だいじょぶかーっ!!」
「大丈夫ですけどーー。アネットさん、こんな夜遅くに叫ぶの、あんまりよくないと思いますよー」
「うわ゛あ天地がひっくり、ひっくり返ってる゛ぅーー!! キフィナスくーーん!! キフィナスくーーーーん!!! だいじょーぶかーー!!」
あーだめだ聞こえてない。
とりあえず、若干申し訳ないけれど、あの人にはいったん逆さ吊りのままでいてもらうしかない。
欠けた月の薄明かりしかない暗闇の中、黒い糸に絡まった人をほどくとか、僕ひとりじゃ無理だ。
……というか、その状況でまず心配すべきなのは自分の方でしょうに。
「とりあえず、非番の憲兵さん1名含め、生きたまま捕縛したってことで。連絡入れようかな」
それにしても。
物陰から、メリーが僕をじっと眺めて、時折頷いたり首を傾げたりしていたのがいちいち気になった。
なぜ見てるんです?
・・・
・・
・
「……ふ、不覚だぁーっ……」
逆さ吊りになっていたアネットさんは、無事憲兵隊の人たちの手によって救出された。
僕が憲兵の人を呼んで戻った頃には、頭に上っていた血がつま先側に戻っていったらしく、逆さ吊りのまま、近所迷惑にならない程度の音量で、スカートを手で押さえながら僕の名前を呼んでいた。
申し訳ないけど、すごいシュールな光景で思わず笑ってしまった。怒られた。
蜘蛛糸で縛ったまま、犯人は憲兵隊によって回収となった。
その奇怪な見た目と、全身を傷だらけにしながらも獣のように抵抗する姿を見て、憲兵隊の人たちはどうするか考えあぐねているようだった。
まあ、僕には関係がないのでせいぜい悩んでほしい。
「しかし、今回はほんと、完全に君任せだったな……。それにしても、本当にたった一日で解決するとは思わなかったよ」
「まあ、僕は憲兵の人じゃ取れない手段が取れますので。具体的には、見るからによわっちい僕の体がいい餌になった、とか」
「……そういう賭けは、あまり好ましいことじゃないと思うな。君たち冒険者のことは、わたしにはわからない。でも、あんまり危険なことをしてほしくないよ」
賭け?
「そうだろう。体を張っておびき寄せるなんて──」
え。
それを賭けにカウントすると、僕はこれ、何個の賭けをしたことになるんでしょうか?
「……うん? キフィナスくん。ちょっと雲行きが怪しくなってきたぞ」
ええと……そうなると、もっと大きいのが……ふたつ? ありますかね。
「……ふうん? 話してみなさい」
アネットさんの目が据わった。
「ええと、まず一つ目。この作戦には、ここに住んでる人への信頼が必要です。具体的には、領主様の言葉をどれくらい真剣に聞いてくれるかですね」
「それは……いや、当然のことだろう」
「当然じゃないですよ。為政者のことを自分たちの食い扶持を不当に奪っていく存在だと認識する人はけして少なくはない。そしてそれが事実であることも──おっと、これはあなたの前で言うと危ない発言だった。ともあれ、これは僕にとって大きな賭けでしたよ」
──あの子たちが僕を信頼してくれるように、僕も二人を信頼した。
自分を囮に使うなら、通行人を減らすというのは必須だ。この結果は、ひとえにあの二人が信頼されていたという事実を示している。
……まあ、僕は能力を信頼したんだけども。
「でも、それは言うほど大きな賭けじゃないと思うよ」
「僕にとっては。すごく大きな賭けでしたよ」
「そっか。……で。それに並ぶ、きみの言う『賭け』っていうのが気になるんだけど」
「ええと、二つ目ですか? そうですね。犯人のねらいが、赤い目だった──ってことです」
「……なに? 犯人の目は赤いんじゃ──」
「羽毛に覆われてましたよね。だから、赤目は犯人の側じゃない」
同僚の憲兵と一緒に、アネットさんもズタズタになった殺人鬼を見た。
ちょっと絶句してたけど、どうあっても身動きを止めない姿を見て納得はしてくれている。
「……そうかっ! そうだよキフィナスくん! それじゃあ、赤い目は被害者か!」
「そうですね。僕はそう考えました」
瞳から赤い燐光を放ったということは、炎の跡なり何なりをつけるはずなのに、被害者には魔力の痕跡はない。
すべて物理的な暴力で殺されている。
そうなると、赤い目っていうのは加害者じゃなくて、被害者の方だと考えるのが自然だろう。
「だから、僕は瞳を赤くする小道具を使ったんです」
あ、二つじゃなくて三つだった。
小道具で目を赤くしてみた僕の瞳に釣られるかどうか、というのも賭けといえば賭けだ。
このレンズ、瞳孔がちょっと変だから、明るい位置で見たら作り物だってバレる程度に出来がよくないんだけど。暗さがしっかり粗を誤魔化してくれた。
「なるほどなぁ。正直、わたしは君のいつもの奇行かなって思った。急になんか目にはめるし。痛くないの?」
「実はそこそこ慣れてます」
「わたしはそれ、痛そうで怖いと思うんだけど……、眼球だよ? まあ、君のそれはいいや。今までの話を聞いて、やっぱりわたしには、それは賭けだとは思わないが──」
「賭けですよ」
たとえば『たてがみの生えた動物の頭』があるとします。
でも、その情報だけでライオンだって断言することはできない。それはハイエナかもしれないし、狼かもしれない。黄色くて、大きな牙があって、あるいは──ええと、色々あって。どの角度でどう見てもその頭がライオンだったとしても。
それはライオンじゃなくキマイラの頭だった、ってことも考えられますね。
「うーん……? わたしには、子どものいじわるな謎かけみたいに聞こえるけど。君はある程度、筋道立てた推理を──」
いいえ。いじわるな謎かけなんですよ。
──つまり、断片的な情報を集めたものは、絶対的に正しいものと言い切ることは困難なんです。
囮として、色々と準備している途中に。
女性犠牲者の方が多いと唐突に主張したメリーが、僕に女物の服を着せようとした一幕があった。
メリーの主張には僕が女性の衣服を好きだとかいう意味不明なものも紛れていたが、その案も妥当と言えば妥当だったので、場合によっては僕は着ていたかもしれない。アネットさんが僕ら二人をよくわからないものを見るような目で見てたのでやめたけど、もしあの目がなかったら、今スカートを穿いているのはアネットさんじゃなく僕だった可能性は否定できない。
結果を知った上で語ってるから、謎の説得力が出てきているけど。僕の憶測が見当違いの方角を指してる可能性なんていくらだってあった。
たとえば、ステラ様とシア様は、赤目の人を重要参考人だと解釈し力業で回収をした。
もちろん回収してくれたから、僕はこの街に数少ない赤目として、奴の目を引くことができたわけで。
これだけでも全くの見当違いの方向を向いているわけじゃないけど、僕の『赤目を狙っている』という推測だと、彼女らの手段だと犯人には繋がらない。
……果たしてそうだろうか? ひょっとしたら、あの鳩の羽毛をこじあけたら中には赤い瞳があるという可能性は否定できない。力業で一人一人事情聴取していくルートが正道という可能性は、現在進行形で存在している。
まあ、わざわざ目の周りの羽根を引きちぎってまで確認する気はないけど。
あるいは、第三者に不条理な存在がいるというパターンもある。
まったく無関係の、人が通らない暗い夜道で自分の魔力を開けたり閉めたりして目を赤く光らせることが趣味の変人が出没していた、という可能性も考えられなくはない。
そいつが目をピカピカさせると偶然その辺りで猟奇的な犯行が起きるのだ。……あまりに不条理すぎるな。高熱の時に見る夢みたいだ。
でも、街には色んな人が住んでいて、自由意志でさまざまな選択をする以上、そんな奇妙な存在がいないと断言することはできない。
他にも、僕じゃ思いつかないようなさまざまな可能性があるかもしれない。欲求不満の解剖医が夜な夜な犯行に及んだ、とか。
現場に残された物品は、可能性を伝える。
だが、その可能性は合理的なものから荒唐無稽なものまであって、否定しきることはできない。
だから僕は、自分の中で筋書きを作って、その筋書きに決め打ちをしてみた。
ああ、決め打ちって言っても。当然戒厳令出た後も平気で赤目でうろついてる、見るからに冒険者然としてない人とかは疑いますけどね。それ以外の可能性を捨てる必要はない。
でもそれは、しいていうなら『賭け』と表現するのが適切だと思う。
「……君はなんていうか。妙にめんどくさい子だよね」
僕の長口上に茶々を入れずに聞いてくれていたアネットさんは、そんな感想をよこした。
自覚はありますよー。直す気はないですけどー。
「ただ、そのめんどくささがこの事件を解決に導いたわけだから、否定はしないけどさ。否定はしないけど……めんどくさい子だなぁ!」
ええまあ。
自慢じゃないですけど僕、疑うのって結構得意なんですよ。経験が活きましたよね。
「……ほんとに自慢じゃないぞ、それ」
アネットさんは、ふう、と小さくため息をついた。
そのまま、てくてくと三人で夜闇を歩く。
メリーだけ少し遠い。やっぱり物陰から僕を見ている。その仕草がどういう感情の動きなのか、メリー学の世界的権威である僕にも見えてこない。
メリーさんそういうとこあるからな。とりあえず、気にしないことにした。
夜をゆく。
──ぽっかりと欠けた月が、並んで歩くアネットさんの横顔を仄かに照らす。子どもみたいに血色のいい肌が、やっぱりいつものように紅潮していた。
……こうしていると、あの夜を思い出すな。
槍を向けてきた人と、隣でまったりと歩きながら、こうして云々言い合えるなんて。
どこか面白さを感じて、僕の頬はむずがゆくなった。
メリーと二人っきりで旅をしていた頃は、きっとこんなこと、考えられなかったと思う。
そう思えば、ずいぶん遠くまで来たものだ。
──ほら、メリーもこっちおいで。
「…………。いいの」
「僕が嫌だよ。メリーが前にいても後ろにいても、多分僕は不安になる。隣にいてくれるのが一番マシなんだ」
僕がそう言うと、メリーは小走りで近──うわゼロ距離。メリーさん速いです速すぎますあとちょっと痛いです背中を頭で削ろうとしないでください痛いいたい。
「ん」
「ふふふ。君たちはやっぱり仲良しさんだな。……わたしは、君たちを見てると。お仕事、がんばらなきゃなって気持ちになる」
「え? そのひっどいクマ僕らのせいなんです? 困ったねメリー」
「これのむ。つかれ。なくなる」
「それ法的に大丈夫なやつ? できれば僕、あんまり捕まりたくはないんだけど」
「キフィナスくんはともかく。メリスちゃんは、そんな怪しい物品を扱ったりしないだろ?」
「ん。まんねんじゅの、じゅえき」
「ああよかった。それなら渡していいね」
「いやいやいや! 末端価格いくらすると思ってるんだ! そんなもの受け取れないよ!!」
「のむ。のむ」
「キフィナスくん! メリスちゃんなんとかしてくれないか! 押しが……つ、強い!つよいつよいっ!! 無表情のままぐいぐいくる!」
相手の意向を無視して押しつけられる贈り物のありがた迷惑さは、僕にもよくわかっている。
僕はメリーを止めた。不服な表情をしている。
「たまには休まないとダメです。メリーも、そうだそうだと言ってます」
「ん」
「そっか……。ありがとな、メリスちゃん。でも、わたしは今日、すっごく休んだよ! 不謹慎かもしれないが……ちょっと、楽しくもあったからな」
そう言って、アネットさんはにっこりと笑う。
普段の、肩肘張った『本官さん』からは絶対に出てこない、やわらかな笑顔だった。
「よーっし! 明日からも、がんばるぞーっ!」
……このひと、いつか過労死するんじゃないかなって。
僕らはちょっと心配になった。
あ。そうだ。賭けと言えば、『糸が上手く張れてるか』っていうのも賭けでした。
しばらく糸とか使ってなかったですし、多分これからも使わないので。ぶっつけの大道芸みたいなものです。
これが一番の賭けかもしれない。まあ、勝ったからいいよね。
…………アネットさん?
「やっぱ君には任せらんないわ゛!! 迷宮都市の平和は我々憲兵隊が守るっ!! もうほんと明日からがんばる! まじでがんばる! 君の出る幕なしっ!!!」
そうして、僕はアネットさんに懇々とお説教を受けた。
解せない。




