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ぽっちゃり巫女は本業中?

久しぶりですみません(泣)

2015/04/28の聖剣ですけど、隠居中です。と少しだけリンクしております。

聖剣さんの調子が悪いのはわかるけど……こっちも取り込んでるんだけどな……


私は長い神聖皇帝宮の廊下をケイアス神官お兄ちゃんに抱き上げられたまま通りながらため息を着いた。


「セリカ、すまない」

「悪いなセリカ」

ケイアス神官お兄ちゃんとジァイオス巫子お兄ちゃんが口々にあやまった。


わかってる、神聖皇帝陛下に命じられたら誰も逆らえないって……ましてや、あの細い聖剣様のためなら……あんだけ綺麗で儚いと暴走するよね。


「あの聖剣様と結婚するらしいな」

「最初から空席の皇后としてか?  」

ケイオス神官お兄ちゃんとジァイオス巫子お兄ちゃんが私の頭の上で会話した。


神聖皇帝陛下の妃はすべて側室だ。

いや、側室にすらなっていない、血をつなぐためだけって言う噂もあるくらいなんだよね。


正確には、旅の仲間だったオーラダーの神官の姉上は娶った…らしいんだけどね、皇后の地位を受ける前に子供を残して亡くなったらしいんだ。


それが二代目皇帝陛下かなぁ。

平民出身だったから他の貴族出身の側室にいじめられ儚くなった……わけじゃないみたいなんだよね。


だって常に妃は一人で同時にたったことないからね。


近年はまったく妃も娶ったって聞かないし……もっと神聖皇帝の子供がほしい人たちはウハウハなんだろうね……今の状態……いいけどさ。


「お取り次ぎをお願いします」

ケイオス神官お兄ちゃんが侍従さんに頼んだ。

「かしこまりました」

侍従さんが一礼して部屋に入っていった。


なんかくらくらする。

天竜の上の記憶が曖昧なんだよね。

最後は覚えてるんだけどさ。


帰ったらシューお兄ちゃんに甘えるんだ。

「ご許可がいただけました、お入りください」

侍従さんが戻って来て礼をした。


豪奢な部屋に入ると尊大な様子の何故かオーラダー神の神官服を着た美形男な神聖皇帝陛下が儚そうな麗しい聖剣な美女を膝に抱き上げて豪華なソファーに座っていた。


「お召により参上致しました」

お兄ちゃんたちと丁寧に礼をした。

少し意識が遠のいた。

「ご苦労だった、私の愛しい比翼の鳥をまた癒やしてほしい」

神官コスプレな神聖皇帝陛下は尊大な態度で命じた。

「かしこまりました」

なんか足がもつれるなぁとおもいながら聖剣様のところまで……


「わ~セリカ、大丈夫か! 」

「御前を失礼いたします」

お兄ちゃんたちの声が遠くで聞こえる。


気がついたらケイオス神官お兄ちゃんの顔が目の前にあった。

抱き起こされてるらしい。


「あれ……おかしいな」

お腹が痛い、意識を失った時に打ったのかな?

と言うことは転んだ? 転んだのにまったく痛覚もないなんてまずい。


本当にお腹痛いよ〜。


「今日は無理でございます」

ジァイオスお兄ちゃんがすっと前に出て礼をして言った。

「ジァイオス」

コスプレな神聖皇帝陛下が危険な目をしてる。

「ギダシア神官、私、大丈夫だよ」

儚い微笑みを浮かべて聖剣様が神聖皇帝陛下を見た。


なんとなく逆効果な気がする。

ますます鋭い目で私を見てるもん。


「ケイアス、ファリシアは何があった? 」

神聖皇帝陛下がケイオス神官お兄ちゃんに鋭い眼差しを向けた。

「今朝、神官長と一緒にオヤルル領から天竜に乗ってかえってきただけですよ」

ややにらみつけるようにケイアス神官お兄ちゃんは神官にコスプレした神聖皇帝陛下を見た。

わーん、過保護モードやめて〜。

「……違うな、何か消耗している」

コスプレ神聖皇帝陛下がなんかこっち見て……


あ……意識飛んでた。

なんでこんなにつかれてるんだろう?


「…………はまだ……聞いてください」

ジァイオス巫子お兄ちゃんがなんかいってる……

「オヤルル領で…………」

「それに……は聖槍様のご報告をお聞きく……い」

「おいてきた…………はないか? 」

どこか楽しそうに問いただすコスプレ皇帝陛下にジァイオス巫子お兄ちゃんがなんかいってる。


なんとか目を開けなくっちゃ、開け目!

やっと薄目を開けた。


「大丈夫だよ、お兄ちゃんたち」

「セリカ」

やっと目を開けてヨロヨロと立ち上がった。

心配したジァイオス巫子お兄ちゃんが私と腕を組んで支えてくれた。

聖剣様の前にへたり込んで失礼いたしますと断っての手を握った。


再生術を聖剣様の構成しているものの隅々まで行き渡らせる。


『私の巫女、駄剣と話すことがある、しばしそのままで頼む』


エウリール様、駄剣って……


赤い髪の美丈夫が私を通して聖剣様に向き直った。


『姉上の愛しき駄剣』

姉上ってオーラダー様のことだよね?

そういえばオーラダー様が勇者に与えた聖剣だったっけ?


……エウリール様、私に素通しですよ~。


エウリール様がちらりと私を見た、感覚が遮へいされたのがわかった。


『くっ、あの愚か者に邪魔されたか……』

しばらくして感覚が戻った。


「駄神……」

なんとかと神聖皇帝が怒っているのが一瞬だけ聞こえた。


『駄勇者と言っておけ!私の巫女と巫子よ』

無駄に力強くエウリール様いって私と私を支えてくれているジァイオス巫子お兄ちゃんに叫んだ。


神聖皇帝陛下に駄神とよばれたのが悔しかったらしい。


「駄○○……エウリール様……私、言えませんよ」

「駄なんとかって……エウリール神様」

私とジァイオス巫子お兄ちゃんがほぼ同時につぶやいた。


「お前ら、頭の通信を口に出すな」

ケイオス神官お兄ちゃんが頭を抱えてるのが見えた。


頭に通信ってなんか業務連絡みたいだよ。


「駄神、シュースルに協力しようか? 」

神聖皇帝陛下が麗しい……でも怖い笑み浮かべてるのが見えたところで業務連絡? がまた入った。


『私の巫女すぐに我もとにまいるがよい』

「エウリール様……私、まだいけませーん」

『巫子、駄勇者滅っせよ!』

「そんな恐ろしいこと、無理です」

私とジァイオス巫子お兄ちゃんは同時に突っ込みをいれた。


頭の通信の通信切れとケイオス神官お兄ちゃんに頭を軽く叩かれた。


あ、意識がもう……


「わ、セリカ」

ケイオス神官お兄ちゃんの声を最後に意識をうしなった。



なんか目があかない……


深い森の澄んだ泉の前の麗しい美女が赤い髪の美丈夫を長い鎌の柄で叩かれていた。


「姉上〜」

「そなた、あの程度であおられるでないわ!!」

怒られてるみたいだ。

「姉弟喧嘩はやめなよ」

銀の髪の美形な優男が小首をかしげた。

「邪魔するでない!」

美女が鎌を優男にむけた。


いったい……ここはどこなのさ。


「グラちゃ〜んそんな姉弟ほっといてワシと遊ぼ」

カラフルな髭面の男性? がニコニコ入ってきて銀髪の優男に抱きついた。

「シャクラスアちゃん冗談だよね? 」

グラちゃん? がもがいた。

「グラちゃんにこの世のものとも思えない快楽を与えてあげるよ」

「僕男の子だよ〜」

「男の()だよね、まあどっちでもいいけど」

ニコニコといって引っ張ろうとした途端カラフルな髭が取れた。


本当にここどこなのさ。


「ああ〜付け髭がぁ」

シャクラスアさんが慌てて拾った中性的な顔があわらになる。


付け髭なんだ……シャクラスア……シャクラスア……時読神(月神)……創造と狂気……


もしかしてここは……


「あ~、エウリール君、君んとこの巫女ちゃんが来てるよ〜」

グラ様が慌て正座させられてる赤い髪の美丈夫……よく見たらエウリール様を振り返った。

「本当だ……久しぶりだね〜」

シャクラスア様が笑った。


え、シャクラスア様と知り合いじゃないよ〜。


神様がいっぱいということは地母神オーラダー様の聖域と言われる始原の森?


「私の巫女、まだそなたは帰ってこれぬはずだが? 」

エウリール様がこちらを見た、ついでにオーラダー様をうかがう。

「よい、愛しきものは大事だ」

「ありがとうございます、姉上」

エウリール様がよろけながら立ち上がって私に近づいてきた。


「エリー、私に触れないで」

誰かが私の声帯を使って触りそうになったエウリール様に言った。

「どういうわけだ? 」

怪訝そうな顔でエウリール様が私を見た。

「まだ、還るときではないのよ、この子に無理をさせてきたの」

「そうか……私の巫女ではなく……そなたは……ますます抱きしめたい」

甘くエウリール様が笑った。

「いいえ、その時では無いわ」

その人が寂しい声で言った。


「お義姉様、グラ様、月神、エリー……聞いてちょうだい、古代……奴らが動き出したわ」

「それはどういう訳じゃ」「ええ〜困るよ、パルラに」「おおー混乱」

オーラダー様、グラ様、シャクラスア様がそれぞれ反応した。


やはり古代のものに動きがあったのだなとエウリール様がつぶやいた、駄剣に気をつけるように言っておいてよかったと……そして私を……正確には私の声帯を使うひとを見た。


「あぶない目にあったのか? 」

「私の原点上仕方ないわ」

「そなたは還って来ぬのか? 」

真剣な眼差しでエウリール様が私を声帯をつかっているひとに問いかけた。


「還るということはその瞬間にこの子がこの世を去るという事なのよ」

悲しそうな声で彼女が言った。


ええ、やっとシューお兄ちゃんと両思いになったのに嫌だよ。


「私は……」

「世界を終わらせないためにもう少し……セリカちゃんの人生分くらい頑張ってください」

言いかけたエウリール様にグラ様が上からかぶせて私の前に立った。


このワンコ神〜と怒り狂うエウリール様に震えながらグラ様が戻ってと小さくいって私の額を指で軽く叩いた。


途端に意識が暗くなる。



目を開けると赤い夕日が窓から入ってた。

どこかの寝室らしい……病室?


「気がついた? 」

オリエン看護師長が顔をだした。


ということは……医療院……?

オリエン看護師長は帝立医療院にいるはずだし。


「なんで医療院に……」

「あなたが意識消失した後に全然目覚めないからケイアス神官様たちが運び込んだのよ」

どこかうっとりとした目でオリエン看護師長が微笑んだ。


そういや、エウリール神殿によく来てたっけ……たしかケイアス神官お兄ちゃんファンだったような。


うっとりしながらもバイタルチェックをテキパキとするところはすごいなぁ。

そういえば、まだ、医療院の看護学生だった時、ケイアス神官お兄ちゃんとジァイオス巫子お兄ちゃんが迎えに来てくれた時に騒ぎになったなぁ。


それより問題は……神様たちまで大騒ぎってところだよね。


古代の……ってなんなんだろう……そして私を声帯を一時期のっとったひと? はいったい……


「ファリシアさん、大丈夫そうね、今晩一晩泊まっていく? 」

「帰ります」

オリエン看護師長がそういいながらもドクターに連絡してくれたらしい。

すぐに退院許可がでた。


別に脳波も脳もおかしくないみたいだしね。

疲労でしょうけど、太り過ぎだから痩せなさいと女性ドクターに言われて医療院を出た。


「セリカ、迎えに来た」

シューお兄ちゃんが医療院の前で腕組みしてまっていた。

「シューお兄ちゃん〜」

おもわず抱きついて医療院の皇宮側出口からでてくる人たちに避けられた。

「すまん、陛下が色々と無理難題をな」

シューお兄ちゃんは私を抱きしめて背中を撫でた。

「いいの」

無性に甘えたくなってグリグリとその腹筋に頭を押し付けた。


「その、すまん、セリカ、皇帝陛下にツペリグラン占導国の指導者ツーレウ様の接待を命じられてしばらくゆっくりできない……」

シューお兄ちゃんが私の頭を撫でた。

皇籍を離れてないシューお兄ちゃんにたまにこういう外交の仕事が来るのはわかってるけど……寂しい。

元々皇族は人数が少ないからそうそう抜けられないんだよね。

シューお兄ちゃん、皇帝陛下の弟だしね。

「シューお兄ちゃん、お仕事なんだ」

何か寂しくなってシューお兄ちゃんに顔を押し付けた。

「はやく一緒になりたいがこの後も仕事だ」

シューお兄ちゃんが寂しそうに笑った。


「仕事にお入りくださいませシュースル皇子殿下」

皇宮側の出入り口は回廊で宮に直結している。

廊下に文官の格好をした知的な中年男性が礼をしていた。

後ろに近衛騎士が数人控えている。

「エレム、セリカを送ってくるから少しまて」

「このモノに任せます」

「しかし……」

「時間がございません」

エレムさんが合図を出すと近衛騎士がシューお兄ちゃんの前で膝まづいた。

「命に代えてお送りいたします」

「……しかたない、セリカを頼む」

シューお兄ちゃんは私を騎士の方へ押しやった。


「セリカ、なるべく早く戻れるように努力する」

シューお兄ちゃんがため息をついて文官さんの後に続いた。


仕事だから仕方ないと思ったけど……寂しいなぁ。

そう思いながら小さくなっていくシューお兄ちゃんを見送った。


「お送りいたします」

立ち上がった騎士が言った。

「お願い致します」

私は上の空で答えた。


回廊から見える空はもう暗くなっていた。


始原の森に古代……あの声のひと……考えることがいっぱいありすぎて今夜は眠れそうにないよ。


本当はシューお兄ちゃんと相談したり……イチャイチャしたかったなぁ。


「ファリシア巫女、調子がお悪いのなら医療院にお戻りなりますか?」

近衛騎士が心配そうに足を止めた私を見てた。

「大丈夫です、帰ります」

私は愛想笑いを浮かべて歩きだした。


とりあえず帰ってから考えよう、医療院なんていたら減塩低カロリーの味気ない食事しか出ないもん。


シューお兄ちゃんがいないのにそんなご飯いやだしうち帰ってのんびりするんだもん。

駄文を読んでいただきありがとうございます♥

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