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再生巫女看護師は有給休暇中3

久しぶりですみません(泣)

大陸……海……世界全体を上から見下ろした。

綺麗と思う……なにもかもかがやいている……


そこに何か不確かなものが渦巻く何かが世界を覆う……何かが世界を澱ませる。

とめないと……世界が終わるの……かな?


え~困るよ。


銀髪に金の目の美しい男性の……でもどこか子供っぽい声がすかにきこえた……神様?


鳥の声がして目が覚めた。

座ったまま布団にうつ伏せて寝たらしく身体が痛い。


自分の寝乱れた赤い髪を無意識にたどると予測と違って短い赤毛の男性……オヤルル騎士が寝ていた。


ま、まずいヨダレ出して寝てたよ。

とりあえず脈みようかな。


そういやさっきの金髪さん雑草握ってたけど……なんでだろう?


オヤルル騎士の手首を掴みながら思った。

神様はエウリール様しかイメージがわかない。


エウリール様はライオンみたいな豪奢な赤い巻毛に赤い目のガッチリした武装した男性……象徴の剣を腰に下げている。


金髪さんはヒョロヒョロで金の刺繍されたワンピースチックな格好だった……雑草が象徴なのかな?


一応神殿育ちだから他の神様も学んだはずだけど……ああいう神様はいなかったと思うけど……


『グラ……お前なんてかわいそうなんだ』

エウリール様の声が頭の中に響いた。


グラ様!? そんな神様いたっけ?


『私の巫女、追求するでない……グラの象徴は雑草でなか……なに! 巫女に捧げられすぎて雑草になったかもだとこの馬鹿! きちんと仕事せぬからであろう! 』

エウリール様が怒鳴りつけてそんなこと言われても〜パルラに言ってよ〜という声がかすかに聞こえた。


自分の巫女以外に声を聞かせるなんてすごい神様なのかもしれない。


エウリール様とグラ様の気配がさって意識が戻ると心配そうに私を見つめる赤茶の目が有った。


「大丈夫か? 」

オヤルル騎士が私の手を握った。

大丈夫かなのはあなたなんですけど……


オヤルル騎士からはもう神の気配はしないみたいだ。


「オヤルル騎士こそ大丈夫ですか? 」

私はにぎられた手を離して脈を見ようと試みた。

何故か離してくれない。


効率が悪いけど利き腕じゃない方でみようかな。

きっと突然のことでオヤルル騎士も混乱して話せないのかもしれないし。


「ルークスだ、セリカ」

オヤルル騎士が私の手をそのまま口元に持っていってくちづけた。


……そ、そうだ、ここはオヤルル領でみんなオヤルルさんだから名前で呼ぶように言われたんだった。


「ルークスさん、大丈夫ですか」

視線を避けて私は脈に集中する。


特に乱れはないみたいだ。


「君はいつでも優しい……昔のライティみたいだ」

ルークスさんの寂しそうな声が聞こえて思わず顔を見た。

「ライティさん? 」

私は小首を傾げた。

「俺の幼馴染でエウリール神の巫女だ」

ルークスさんが私の頭を撫でた。


それって例のあの人の事?


「その人のことが好きなんですね」

なんとなくそんな気がする。

「昔は好きだった」

ルークスさんがどこか遠い目をした。


きっと今も好きなんだ……私は……私も……

ああ、やっぱり霧が……でも思い出すのは……脇腹痛って何さ。


なんか雑草を象徴にしちゃった神様並に残念なんですけど。


「セリカ……俺は君を幸せにする」

ルークスさんが私の頬にキスをした。

なんか拭きたくなったのは婚約者(仮)として間違ってるような気もするけど……


こんなにかっこいい騎士様に甘い言葉吐かれてるのに。

私、幸せになれないってどういうことだろう?


幸せに……駄目だ、脇腹痛が幸せってどんなにマゾいんですか?


太り過ぎだぞ……そうに冷たく……でも優しく言ってくれる黒髪の……シューお兄ちゃんじゃなきゃ嫌だ。


どうしよう世界よりもシューお兄ちゃんがいいって心がいってる。


シューお兄ちゃんは私の事妹みたいに思ってて恋人って思ってくれないよね。


「セリカ……セリカ、大丈夫か? 」

ルークスさんの顔が上にあってびっくりした。

ベッドにおしたおされてるらしい。

「あ、あの……」

私は困惑した。

「意識をなくしたんだと思った、ライティのように……いや何でもない」

なにか含むものがあるみたいだ。


でも……話してくれないんだろうな……


「あの……ライティさんとは幼馴染なんですよね、私神殿では歳上のお兄ちゃんお姉ちゃんたちしかいなかったから憧れます」

ちょうど同じくらいの巫女がいなかったんだよね。

ティオラお兄ちゃんが近いけど、やっぱりお兄ちゃんだし。


故郷の記憶は……ほとんどない……家族と言う名前の他人が年に何回か来るけど、やっぱり違うんだよね。


「ライティとは同じ歳でいつまでも一緒にいるんだと思ってた」

どこか夢見るように楽しそうに笑った。


神殿でいたずらして一緒に神官に追っかけ回されたこと、森にみんなでいって栗拾いをしたこと、塀によじ登って飛び降りたらころんで怪我はした時にライティの術でなおしてもらったこと、それがばれてまた神官に追っかけ回された事、ルークスさんが武術鍛錬し大怪我した時、泣きながら治してくれたこと。


「いつの間にかおかしくなったんだ……」

たしかライティの様子が……

とルークスさんがブツブツ言い出したのでそっと腕の中から抜け出た。


なぜか脇腹痛元の人にあいたくてたまらなかった。

私だってあれくらい脇腹痛の人としてるもん。

栗じゃなくて芋掘りだったけど。


あんだけライティさんを愛してるならおとなしく結婚すればいいのに……


廊下に出ると朝が明けかけてた。

寝そびれたよ。


本当に世界の危機なのかな?


そうだよって雑草持ちの神様の声が聞こえた気がした。

もう少し様子見るか、エウリール神殿の巫女ライティーアにもあってないしね。


どうせ脇腹痛の人にお仕置きされるなら一つでも解決した方が良いもんね。

脇腹もみまくられるの嫌だよ……でもあそこが私の場所って霧がかかってるけど今日のルークスさんの話で分かった。


だから……きちんと解決して神殿(おうち)に帰ろう。

怒られてもあそここそ私の場所だから。


朝日の中で輝いてる中庭をみてると後ろから声をかけられた。

「巫女ファリシア様でございますか? 」

「はい」

「主よりの招待状でございます」

思わず返事をすると特徴のない男性が膝まづいて手紙を渡してくれた。


優美な封筒に美しい文字が踊っていた。

ライティーアからだ……えーと、なになに……ぜひシュースル神官長も来てください?


なんでシュースルお兄ちゃんまで誘うんだろう。


ライティはルークスさんが好きなんじゃないの?


「う、うかがいます」

渡りに舟だけどね。


さっさと片付けてうちに帰るんだ。


「お待ちしております」

男は大げさに礼をして消えた。


わぁ……心臓に悪いなぁ……魔法使いなんだろうけど。


「それより巫女の正装持ってきたかな? 」

私は朝日にキラキラ輝く中庭を見ながらつぶやいた。


もってきてるとして着てみないと着られるかわからないし……腹がつっかえたら……直せる時間あるのかな……


それにシューお兄ちゃんにも伝えないと……

ルークスさんも来るんだよね?


ワナだったらどうしよう。

でも……絶対に話し合わなきゃだめだ。


ライティさんがおかしくなったのは多分……やっぱり澱なのかな?


でもあの雑草神様はそんな感じゃなかった。

正確には澱みに人の記憶をどうこうできるわけでなく……


「セリカ! 」

向こうから脇腹痛の人が来たよ。

「シューお兄ちゃん」

ちょうどいいから招待状を見せて……

「竜の用意が出来た、帰るぞ」

シューお兄ちゃんが私を抱き上げた。

たわらだきってことは逆らっちゃいけない時だ。


「ライティーアさんから招待状が来てる……」

ああ、限界だよ、お腹に食い込んでいたい。

「だからだ、受けるつもりはない」

廊下をズンズンシューお兄ちゃんが歩いて行く。

せめて子供抱きしてくんろ〜


「シュースル神官長どうぞ」

完璧に気絶寸前で竜に乗せられて竜に乗ったら気絶した。


シューお兄ちゃんの馬鹿〜体力無いのにたわらだきするな〜


あ、逃げちゃった……どうしよう。

招待受けるって言ったのに……不味くない?

駄文読んでいただきありがとうございます❤

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