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再生巫女看護師は有給休暇中2

久しぶりですみません(泣)

シューお兄ちゃん……いつも以上に冷たかった。

ルークス騎士との偽造婚約って説明したっけ?


与えられた部屋のベッドでお気に入りのウサギのぬいぐるみを抱えながらため息をついた。


はじめての部屋はよそよそしくて不安感を煽る。

ベッドのきしみが余計に不安だ。


ベッド壊れないよね…


シューお兄ちゃんは最近冷たい。

昔みたいに仲良くできればいいのに……


そんなことばかり考えて寝られない。


「おかしい……なにか忘れてる? 」

私は小首をかしげた。


シューお兄ちゃんと私は仲の良い兄妹みたいな関係だよね?


違う…なにかがあって冷たくされてるんだ。

やっぱりかってにルークス騎士と婚約したからかな?


婚約は…婚約は…ぎそう……

頭に霧がかかったみたいだ……


「何が思い出せないんだろう?」

ぬいぐるみに顎を持たれかけながらつぶやく。

この赤紫の目の黒いウサギのぬいぐるみは…確かシューお兄ちゃんのプレゼントだよね。


この丸い腹がお前そっくりだとぽいっとくれたんだよね


『私の巫女、大丈夫か? 』

エウリール様が心配そうに言った。


シューお兄ちゃん、なんで来たんだろう。

きちんと休むこと本部に報告したよね。

アレ…神殿は…。


わからない…なんか怖い。


『怖いのか?澱の…いやあの女のせいだな。』

エウリール様が視線を泳がせた。

あの女?あの女ってどの女?


あの綺麗な巫女さん?


『うむ…そなたのせいでなくあう前に…なんだグラ、その含んだ笑いは?あ、姉上……私は私の巫女一筋です。』

エウリール様が慌てたように去っていく気配がした。


モヤモヤしてるのは仕事のしすぎなのかな?

呼ばれたような気がしてベッドから降りてバルコニーに出ると庭にだれか立っていた。


闇に溶ける黒い髪……

腕を組んで空を見上げている灰色の瞳が廊下の灯りに照り返されて輝く。


視線がこちらを向いた。


「セリカ……」

かすかに甘い声が聞こえた。


夢?シュー兄ちゃんがあんなに甘い顔を私にむけるはず無いよね。


急いで部屋の中に退避した。

重厚な赤いベルベットのカーテンにくるまって外を見るといつも通りに不機嫌そうなシューお兄ちゃんが大またでこちらに足早にやってくるのが見えた。


わ……恐ろしい。


「セリカ、丸い腹が隠れきってないぞ。」

すぐそばまで来て壮絶な微笑みを浮かべたシューお兄ちゃんは確実に戦闘前の狂神官戦士バーサーカーと行った様子で…って思ってる間に逃げようよ、私。


ジリっと後退りした……カーテンがビリっと不吉な音をたてる。


「セリカ、帰るぞ。」

シューお兄ちゃんが私の脇腹をむにっとつかんでなんで砦に行って太るんだと眉をひそめた。


わ~んどうせ夜勤業務で夜勤の騎士たちと夜お茶のみしたよ〜太ってます。


「帰んない。」

うん、オヤルル騎士の問題を解決するまで帰っちゃいけない気がする。

「お前がかえらんならオヤルル領の不正を暴いて取り潰してやる。」

シューお兄ちゃんがギラギラした目で腹をもんだ。

そんなのあるの?と聞いたらこれから考えるとつぶやいた。


シューお兄ちゃんの脳筋ってちょっとつぶやいたら力いっぱい腹をもまれた。


あ、あざになるよシューお兄ちゃん。


「シュースル神官長、セリカは俺の婚約者だ。」

なぜか窓からからルークス騎士が飛び込んできて私を引き寄せた。

「いい度胸だ。」

シューお兄ちゃんが構えたのが見えた。


ビリリッ。

ベルベットのカーテンが不吉な音をたてて破れた。

ついでにホコリが舞う。


「カーテンなんて弁償できないよ〜」

むせこみながら私は叫んだ。


給与はすべてそこで戦闘モードの黒い髪のお兄ちゃんが握ってる。


「カーテンの100や200なんとでもしてやる、オヤルル騎士、うちの肥巫女コエミコを返してもらおう!」

シューお兄ちゃんがつきを繰り出した。

ルークス騎士が避けた。


ますますカーテンの裂け目がひろがった。

こ、これ夢じゃないよね?


「この世界がどうなっても良いのか! ? 」

ルークス騎士が私を後ろに回して剣を引き抜いた。

「世界だと……そ……」

シューお兄ちゃんが言いかけたところで勢い良くの扉が開いた。


静かに夜は過ごそうよ。


「あ〜、うちの領地で面倒事はやめてもらえ無いですか?」

ルークス騎士のお父様が頭を掻きながら入ってきた。

「セリカを回収させてもらえばすぐにかえるが。」

構えたままシューお兄ちゃんがお父様を睨みつけた。

「シュースル殿下はこの領地の悪事を探してるらしいですが、世界よりもはとりあえずまずいんじゃないですか?」

お父様が人の悪い笑みを浮かべた。


シューお兄ちゃんが固い表情を浮かべた。



「『この世より愛しきものとさっても一緒になれるとは限らぬ。』」

ルークス騎士がいつもと違う口調かたりだした。


声は……ルークス騎士だけど……

あれは……エウリール神?


「『世界に澱が貯まればそなたも私の巫女もしょうめつ……』」

ルークス騎士がそのまま崩れ落ちた。


とっさに支えようとしてそのまま一緒に押しつぶされた。


「セリカ! 」

シューお兄ちゃんの声がする。

「おい、大丈夫か? 」

お父様が慌ててルークス騎士を抱き起こした。


私は少し痛い身体を起き上がらせてルークス騎士の手首を持った。


脈がある息をしている大丈夫…。

「ルークス騎士! 」

私は呼びかけた。

でも巫子じゃないルークス騎士が神様を下ろすということはいつか言ってたエウリール神になってしまうということなんかな?


「セリカ。」

シューお兄ちゃんが呼んでる。

でもここに患者様がいる以上、私は看護師だから。

気をちらしちゃいけない。


怪我がないか調べる。

「う……う。」

ルークス騎士が目を開けた。

「おい、わかるかルークス。」

お父様が慌てて言った。

「……と……さ」

まだ、視点があわないよ。

「部屋に運べますか?」

すぐに様子を見ないと。

お父様がルークス騎士を抱き上げて歩きだした。

たしか隣はルークス騎士の部屋だったよね。


「セリカ。」

シューお兄ちゃんがまた呼んでる。

「シューお兄ちゃん、行ってくる。」

私は一瞬だけシューお兄ちゃんを見て微笑んだ。


アミリアーナさんが出てきてとりあえず引きましょうと行ってるが聞こえた。


部屋を出るまでシューお兄ちゃんの視線を感じ続けた。


わ~ん、シューお兄ちゃんごめんなさい〜。

カーテンは私の預けてある貯金から弁償してください〜。


と、ともかく今は看護師としてルークス騎士を見ないとだよね。


後が空恐ろしい気がするけど……患者様はほっておけないもんね。


私は早足でお父様を追った。

うん、なるべく早く病院に送るか決めてシューお兄ちゃんとはなそうと思いながら……

駄文を読んでいただきありがとうございます♥

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