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第61話:魔核の主、終焉の咆哮



―紋様の共鳴、地獄を焼き尽くす―


魔物の群れが次々と押し寄せる。

仲間たちは応戦しながらも、魔核の主の気配が近づいているのを感じていた。


その時――セレナの身体に異変が起こった。


「……っ!」

手の甲が熱を帯び、光が走る。

浮かび上がったのは、空竜ルゥと同じ紋様。

古代竜の紋章――共鳴の証。


セレナは膝をつき、胸を押さえながら慟哭する。

「……なんで……こんなにも……!」


魔力が暴れ、涙がこぼれる。

仲間を守りたいという想いが、紋様を通じてルゥと繋がっていた。


セレナが顔を上げる。

「リィナ、防護結界を張って。やってみたいことがある」


リィナが頷き、風の結界を展開する。

「了解。全力で守る」


セレナはルゥの背に飛び乗り、魔物の群れの中へと突入する。

炎、牙、爪――すべてを避けながら、中央へ向かう。


「ルゥ、魔力を重ねて。最大共鳴魔法、いける?」


ルゥが咆哮し、紋様が輝く。

セレナの剣が光を帯び、空気が震える。


「いくよ……“蒼天・終焉咆哮”!」


魔力が爆発し、空間が裂ける。

凄まじい光と衝撃が洞窟全体を包み込む。


魔物たちは叫ぶ間もなく、光に飲まれて消えた。

何百体いた魔物は、コアだけを残して完全に消滅した。


地面が抉れ、壁が焼け、空気が浄化されていく。

爆風が収まり、静寂が訪れる。


ミーナが呆然と呟く。

「……全部、消えた……」


リィナが結界を解きながら言う。

「これが……最大共鳴魔法……」


カイルが剣を下ろし、笑う。

「やっぱり、セレナとルゥは規格外だな」


セレナは剣を収め、肩のルゥを撫でながら静かに言った。

「これで……魔核の主と、向き合える」


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