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第48話:空の共鳴、墜落阻止



―魔導監視台より、空の救出作戦―


魔導飛行艇〈ウィンドレイヴ〉が、空を引き裂くように傾いていた。

船体はボロボロ。各所に刻まれた爪痕が、何者かの襲撃の痕跡を物語っている。

魔力供給は断たれ、制御不能。このまま墜落すれば、王都への被害は計り知れない。


「飛行艇が落下中!進路、王都中央!」

魔導監視台の警報が鳴り響く。

監視員が魔導視窓を覗き込み、声を震わせる。

「損傷箇所多数……魔力反応、異常。これは……」


セレナは報告を受けるや否や、ルゥの背に飛び乗った。

「フィンが乗ってる……ルゥ、急いで!」


ルゥが咆哮を上げ、空へと舞い上がる。

風を裂き、墜落する飛行艇へと一直線に向かう。


船体は軋み、煙を上げながら落下を続ける。

セレナは飛行艇の進路を見極め、叫ぶ。

「このままじゃ王都に直撃する!被害が出る……!」


ルゥが旋回し、飛行艇の進路に並ぶ。

セレナは剣を掲げ、魔力を集中させる。


「ルゥ、共鳴波動を!風精霊の流れに乗せて、進路を変える!」


竜力と魔力が重なり合い、空に蒼白の波動が走る。

飛行艇の周囲に風の渦が発生し、進路がわずかに逸れる。


「風よ、導いて……!」

セレナの声に応じ、共鳴波動が飛行艇を包み込む。

船体が軋みながらも旋回を始め、王都中央から外縁部へと進路が逸れた。


ルゥがさらに風を操り、着地地点を誘導する。

飛行艇は丘陵地帯へと滑り込み、衝撃と共に不時着。

王都への被害は、回避された。


セレナはルゥの背から飛び降り、煙を上げる飛行艇へと駆け寄る。

「フィン……!」


船内は静かだった。

フィンの姿は、すでにそこにはなかった。


セレナは拳を握りしめ、空を見上げる。

「この爪痕……まさか、ザルグ……?

いや、断定はできない。でも――誰であれ、フィンを連れて行ったなら……」


ルゥが低く咆哮する。

その声は、怒りと覚悟の混じったものだった。

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