第42話 帝国魔晄炉強襲戦(中編)
第11話(中編)
帝国魔晄炉強襲戦 ― 三重障壁突破
午前4時12分。レヴィアス帝国魔晄炉上空。
魔導飛行艇〈ウィンドレイヴ〉は降下ポイントに到達。
下方には、帝国の誇る三重魔法障壁が青白い光を放ち、炉心を守っていた。
フィンが風精霊と交信しながら叫ぶ。
「第一波、ミーナ!全魔力を込めろ。ここを抜けなきゃ始まらない!」
ミーナは甲板の縁に立ち、魔力を右腕に集中。
「第一障壁、私が砕く!――落ちろッ!」
彼女は身を躍らせ、落下と同時に魔導砲撃を直下に叩き込む。
轟音と共に第一魔法障壁が粉砕。
閃光が走り、結界が崩壊する。
---
続いてカイルが飛び降りる。
「次は俺だ!道を切り開く!」
剣に竜力を纏わせ、一直線に突撃。
「斬り裂けぇぇぇッ!」
剣閃が走り、第二魔法障壁を切断。
結界は悲鳴を上げるように裂け、破片が夜空に散った。
---
リィナが風精霊を呼び、旋回しながら落下。
「風よ、私に力を――!」
両手を広げ、魔力の奔流を結界に叩きつける。
「第三障壁、崩れろ!」
風の奔流が結界を押し潰し、第三魔法障壁が崩壊。
三重防壁は、わずか数分で完全に破られた。
---
ルゥが翼を広げ、急降下。
セレナが叫ぶ。
「ルゥ、回収開始!全員、乗せて!」
ルゥはミーナ、カイル、リィナを順次背に拾い上げていく。
魔力の乱流をものともせず、竜背に仲間たちが集結する。
「よし、揃った!」
カイルが叫ぶ。
「次は本命だな!」
セレナは剣を掲げ、仲間たちを見渡す。
「目標は魔晄炉。――ここからが決戦よ!」
フィンが風精霊に語りかける。
「風よ、最後の導きを。奴らの文明を、吹き飛ばしてやれ」




