第41話 帝国魔晄炉強襲戦(前編)
帝国魔晄炉強襲戦 ― 出撃準備
午前4時。レヴィアス帝国領・超高度上空。
魔導飛行艇〈ウィンドレイヴ〉は、漆黒の空を切り裂きながら進んでいた。
甲板には六人の影――セレナ、ルゥ、フィン、ミーナ、リィナ、カイル。
彼らの視線は、遥か下方に広がる帝国の心臓部「魔晄炉」へと注がれていた。
冷たい風が吹き抜ける。
その中で、フィンが杖を掲げ、低く詠唱を始める。
風精霊が応じ、六人の身体を淡い光が包み込んだ。
「シールド展開完了。これで落下衝撃も魔力干渉も耐えられる」
フィンが短く告げる。
カイルが剣を握り直し、低く笑った。
「なら、あとは叩き割るだけだな。レヴィアスの牙城を、俺たちで終わらせる」
ミーナは右舷の砲座に腰を下ろし、魔力を練り上げる。
「第一障壁は私がやる。全魔力を込めて、必ず砕いてみせるわ」
リィナは左舷に立ち、風の流れを読むように目を閉じる。
「第二、第三……私に任せて。風が道を示してくれる」
セレナはルゥの首筋に手を添え、静かに囁いた。
「ルゥ、みんなを必ず回収して。最後はあなたと私で、全てを終わらせる」
ルゥが低く咆哮し、甲板を震わせる。
その声は、仲間たちの胸に決意を刻み込んだ。
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フィンが最後に全員を見渡す。
「目標はレヴィアス帝国魔晄炉。三重の魔法障壁を突破し、炉心を叩き潰す。
……この一撃で、帝国を原始時代に戻してやれ!」
甲板に緊張が走る。
セレナが剣を掲げ、仲間たちに告げた。
「これは――エリシアを拐った報いよ。空を穢した代償を払わせる!」
「応ッ!」
六人の声が重なり、夜明け前の空に響いた。
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飛行艇は旋回を開始し、降下ポイントへと進む。
下方には、レヴィアス帝国の巨大な魔晄炉が不気味な光を放っていた。
その光は、帝国の繁栄を支える象徴であり、同時に世界を脅かす災厄の源でもあった。
「……始めるぞ」
フィンの声が、作戦開始の合図となった。
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