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第39話:帰還の空、絆の証




魔導飛行艇〈ウィンドレイヴ〉は、朝焼けの空を滑るように進んでいた。

帝国施設の崩壊から一夜。仲間たちは王都への帰還の途にあった。


船内では、エリシアがセレナの隣で静かに座っていた。

まだ身体は弱っていたが、その瞳には確かな光が戻っていた。


「ありがとう、セレナ様……」

エリシアが小さく呟くと、セレナはそっと彼女の手を握った。


「あなたの声が、風に届いたの。だから、私たちは来られた」


ルゥが咆哮を上げ、飛行艇の横を並走する。

ドラゴンメイルが朝日にきらめき、空に祝福の輪を描く。


---


王都の空に、飛行艇の影が差した。

民衆が空を見上げ、歓声が広がる。


「戻ってきた!空竜が帰ってきたぞ!」


塔の鐘が鳴り、王宮の広場に人々が集まる。

飛行艇がゆるやかに着陸し、甲板から仲間たちが降り立つ。


王太后が駆け寄り、エリシアを抱きしめる。

「よく……よく戻ってきてくれましたね……!」


エリシアはその胸に飛び込み、涙を流した。

「ただいま……お母様」


---


フィンは王宮の魔導士たちに術式の記録を渡し、再封印の方法を伝授する。

「術式の核は崩れたけど、残滓は残ってる。風精霊が警戒してるよ」


カイルは王都防衛隊と再編の打ち合わせに向かい、

ミーナとリィナは魔導砲の調整と魔力供給網の再構築に取りかかる。


セレナは塔の上に立ち、空を見上げていた。

ルゥが隣に寄り添い、静かに翼を広げる。


「この空を、もう二度と奪わせない」

セレナが誓うと、風が優しく吹き抜けた。


そして、空には――

絆の証が、静かに息づいていた。

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